シンポジウム 「巨大構造物と景観」

 次のような会があるそうです。

 リニア新幹線のアセスでは景観の変化についての予測も行われています。リニアの施設が小さくしか見えない場所については、影響がないとか少ない、ある程度以上大きく見える場所については新しい景観をつくりだすことが期待されるというような、予測結果がほとんど一律に書かれていました。

 JR東海が選んだ予測地点が本当にその地域の景観を代表するものなのか、あるいはもっと他の視点があるではないかといった予測地点の選択の問題。

 予測地点で撮影した風景写真と、その写真にリニア施設を重ねた合成写真(フォトモンタージュ)とを並べて示して、予測結果を提示しているのですが、撮影レンズの画角が適正といえるのかとか、リニア施設が背景写真に対して正しい大きさ(見かけ)で表現されているのかといったフォトモンタージュの作成方法の問題。

 JR東海が提示した予測について、具体的にいえばフォトモンタージュについて見た感じが良い、悪いという判断を広く住民に求めていないという問題。

 こういう技術的な点について、あるいは、各自治体が景観計画のようなものを持っているのですが、複数の自治体を視覚上連続的に横断するようなこういう規模の大きな構造物がこのような安易なアセスでOKということになれば地域の自主性などは無意味ということになってしまうという制度的な面について、われわれもハッキリした考えをもっていないように思いました(※)。景観学というものがあるようです。シンポジウムのプログラムを見ると、リニアに反対の立場の方の発表もあるようです。

※ 伊那谷では連続した高さ20mから30mの高架部、橋梁、駅部分が谷間を二つの村と一つの市に渡って横切ります(参考画像 評価書より、撮影場所は虚空蔵山山頂より約500m東)。川岸から天竜川の東西を結ぶ橋はありますが、東側の段丘と西側の段丘とを結ぶような構造物はたとえば中川村の牧ヶ原橋(全長137m、水面から約43m、昭和53年竣工。『中川村50年のあゆみ』)のように谷が狭隘になった部分以外にはありませんでした。伊那谷の景観は激変するはずです。

(2014/09/02)