変電施設は戦艦大和3隻分
長野県内では、リニアの変電所は、大鹿村の上蔵と豊丘村の柏原の2か所にできる予定です。大鹿村の変電所については景観について問題があるという声が準備書の説明会で出ていました。しかし、豊丘については、景観の点では何も話題にならなかったように思います。最近ネットで次のようなページをみつけました。
準備書に変電所の景観についての説明はないけれど、景観予測の写真のなかに、豊丘の変電所の予想図が書き込まれているというのです。
左から、月夜平、虚空蔵山頂、風越山中腹から(準備書より)
山の中腹の赤丸で囲った部分です。かなり大きなものですが、この位置はだいたい豊丘の変電所の予定地にあたります。変電所の大きさは3ヘクタール(ha)ですから、長方形なら、幅100mで、長さは300mにもなります。小中学校のグランドでもだいたい2.3ha(150m×150m)程度です。たしかに目立ちます。現在この付近一帯にはりんご柿などの果樹園があります。景観としては問題ないというか、良いです。遠くから見た場合はほとんど気にならないはずです。もし予測図のような構造物ができるとするなら、景観上は非常に問題だと思います。
飯田市座光寺の路線そばにある中部電力の飯田変電所が約0.9ha、飯田線の山吹駅近くの変電所が約0.3haですから、機能が異なるとしても、電力施設としてもかなりの面積です。
ただし、地上を走る部分の景観について許してしまうなら、気にならないものかも知れません。だから環境評価では扱っていない。とすれば、住民としてはちょっと舐められた感じがしないでもありません。
意地悪く言い換えると。写真では地上部分にばかりに目が行くから、どうせ変電施設になんかに気がつくはずはない。だから説明は省いてしまおう。あとで文句をいわれても、「準備書のなかできちんと変電施設の予想図をお示ししました」という感じですね。写真でウソをつく一つの方法かも知れません。
「どんぶらこDESIGN」さんは、リニアに反対しているわけではありません。誤解のないように。ルートが確定された現在、この方のリニア関連のページを読むと、この方もふくめて建設期成同盟会を中心とする地元の方々がいかにかってな妄想で、駅位置がどうのこうのと騒いでいたかがわかります。といって悪いなら、オモテナシの社会ですからJR東海さんはこれらの人々と裏側ではすったもんだしていたのかも知れません。
地上部分(明かり部)を隠した場合にどれぐらい目障りか。次の写真は、比較的有名な元善光寺のそばの旧座光寺小学校の舞台校舎の前から撮影したものです。変電所の大きさはだいたいのところです。
近くの尾根から撮影したもの。遠景に陣馬形がみえています。右手前の鉄塔から3番目の鉄塔の根元付近から左の方に変電所ができる予定です。
なだらかな丘で気持ちの良い場所です。現地はこんな感じ。
戦艦大和は全長263m、最大幅38.9mですから3隻でほぼ3haです。
(2013/10/31)