【分解】 豊丘村・小園こども広場からの景観
豊丘村の小園こども広場です。手前の川は壬生沢川。
撮影時期: 2013年10月
この広場の中からの景観を準備書がとりあげています。
本視点は、県道 18 号沿いの小園こども広場から南西を見たものであり、周辺の住居及び田畑等が視認できる。
本視点場では、視界中央付近に鉄道施設(高架橋)を視認することとなるものの、鉄道施設(高架橋)は住居の背面に位置していること、またコントラストを持つ水平線の構成がなされていることから圧迫感は軽減され、供用時において日常的な視点場からの景観への影響は小さいと予測する。
(準備書より)
予測のなかに「鉄道施設(高架橋)は住居の背面に位置していること、またコントラストを持つ水平線の構成がなされていることから圧迫感は軽減され」と書いてあります。これは、この写真のタネあかしのヒントです。
まず、画面のほぼ中央にある二階建ての家がないとしたら高架橋はもっと大きく見えるかも知れません。また、この写真は広角レンズ(※1)で撮影されているので、後のものは前のものより実際に目でみた感じよりは小さめに表現されます。圧迫感のあるものでも存在感は弱められます。
次に色合い。明るい空と高架橋の部分と暗い中間部分と一番手前のグランドの中間の明るさの部分に画面が分かれています。中間部分が一様に暗いのはフェンスの網があるからです。そして中間部の上の端にはフェンスの枠が水平に走っています。明るい空と高架橋の部分と暗い中間部の対比によって、高架橋の印象は弱まるはずです。
そしてもし、このような画面の構成ができない位置や別の景観ポイントで撮影したら別の印象になったはずです。何故フェンスの外で撮影しなかったのでしょう。この広場を利用する人はフェンスの外でもこの景色を眺めると思います。
撮影時期: 2013年11月
さて、画面の右の方に橋脚が7本ぐらい並んでいる部分があります、この部分を切り出してみました。やはり、かなり巨大なコンクリートの塊と見えるのではないでしょうか。(※2)
(準備書より)
さて、鉄棒の前方約3m、フェンスの外側から90度左を向いて撮影したのが下の写真。
撮影時期: 2013年10月
手前右の山の後から左の山の後方にむかって斜めにリニアの橋梁がかけられます。距離は上の切り出した部分と同じくらいの距離になるはずです。準備書ではこの景観について検討していません。これも公園を利用する人が目にする風景です。この写真に写っている範囲の大半が準備書で自然景観資源の区域とされています。
※1:準備書の写真は35mm判換算で28〜29mm程度の広角レンズまたは、ズームレンズの同程度の焦点距離を使っていると思われます。目印となるタテの柱が多数あるので確認は容易です。
※2:広角レンズで撮影した写真でも、狭い範囲で切り取ると望遠レンズと同じような効果が出せます(この場合約85mm程度)。
このページにレンズの焦点距離によって前後にあるものの大きさの関係が変化する様子を示した写真があります(望遠レンズの使い方 川野敏昭)。
(2013/11/10)
[補足] 元の画面の左から60%程度の幅で高架橋の足(橋脚)がみえないことも視覚を惑わせる原因かも知れません。(2013/11/15)