【分解】加々須川出口からの景観
準備書の資料編にある天竜川橋梁の写真です。カメラから橋梁までの距離は堤防の上で推定約90m。画面の端から端まで約140度あります。この範囲で橋梁が隠す風景は、
準備書より
風越山、座光寺冨士など、
撮影時期:2013年11月
中央アルプス、
撮影時期:2013年11月
橋梁の桁の下に見える陣馬形。
撮影時期:2013年11月
この場所は景観の変化の予測地点には含まれていません。なお、この天竜川橋梁の見え方については、JR東海は「写真ではお分かりいただけないが、1本の柱自体がかなり大きくなっていくとか、長いスパンを桁で飛ばすので桁自体が断面が非常に分厚い厚さになってしまう」と説明しています(参考)。
(2013/11/19)
補足 2014/03/25
長野県の環境影響評価の平成25年度第7回技術委員会のページの「会議資料」の「資料1補足資料」の「資料2 準備書についての技術委員会等集約表(第3回審議分まで)(案)(PDF:653KB)」というファイル。39ページの亀山委員長の「第2回審議後追加意見」の「139」番。
・資料編 環13-1-7ページに掲載される図13-1-2-12の天竜川橋梁のモンタージュ写真は準備書にないが、このような重要な視点場からの写真が準備書に掲載 されていないのは不適切である。(第2回資料1 No.68)
このページで扱っている天竜川橋梁の写真のことです。それに対するJR東海の回答は次のとおり。
・主要な眺望点の抽出範囲については、計画路線や構造物から、熟視角(対象をハッキリと視認できる角度:約1度)による距離の範囲を基本に俯瞰・仰望の別及び、高さ等のスケールを考慮し、視点場の選定のフロー(資料編 環13-1-8ページ図13-1-2-16視点場の選定のフロー)に基づき、有識者の意見を踏まえつつ、眺望点を選定しております。
・資料編 環13-1-7ページにお示ししている天竜川橋梁のフォトモンタージュ地点は天竜川左岸堤防道路の突当りに位置しており、主要な眺望点としては選定しておりません。当該地点は主要な眺望点ではありませんが、天竜川橋梁の全景を見渡せる視点場であり、参考として資料編に記載しました。
第1段でJR東海が意図するところはよくわからないのですが、「対象をハッキリと視認できる角度」という条件は、この場所にピッタリのはず。つまり有識者が問題なのか?
第2段。「フォトモンタージュ地点は天竜川左岸堤防道路の突当りに位置して」いるということは、たとえば阿島の住宅地から散歩に出かけた人が堤防の突き当りまで行って折り返すような地点でもあるわけで、「主要な眺望点」ではないとしても、「地域住民にとり身近な箇所」である調査項目にあがっている「日常的な視点場」であるはずです。事実、この付近を散歩される方を多数みかけています。準備書が取り上げている「天竜川右岸の堤防」と同様に散歩に好適な場所です。亀山委員長がいう「重要な視点場」とは、「主要な眺望点」も「日常的な視点場」も含めてのことでしょうから、JR東海の回答はきわめて不誠実なものと思います。このことを問い詰められたとして、JR東海は亀山委員長が「主要」を「重要」といい間違えたと解釈したとでも釈明するつもりだったのでしょうか。
(補足 2014/03/29) この場所と、「天竜川右岸」の「日常的な視点場」とは、天竜川橋梁の中央を中心にしてだいたい点対称の位置関係になります。