【分解】県道251号線の景観
下は準備書に使われた県道251号線(上飯田線)の風景です。横幅は大体28mm相当ですが縦横比がAPS-Cとは違うので、より広角で撮影して左右だけトリミングしているかも知れません。
完成後のイメージについて、次のような評価をしています。
本視点は、県道251号線上から南東方向を見たものであり、左側に樹木等、右側に住居及び田園、奥には鬼面山を含む伊那山地等が眺望できる。
本視点場では、鉄道施設(高架橋)は住居の背面に位置しており、樹木及び建物の隙間から鉄道施設(高架橋)の一部が視認できるようになるものの、鉄道施設(高架橋)は煩雑性の軽減を図ったディテールの工夫、コントラストを持つ水平線の構成により、圧迫感は軽減されており、現在の景観と調和の取れた新たな風景となるものと予測する。
地元の方ならわかることですが、中央の県道は画面奥に向かってじょじょに下り坂になっています。撮影位置から約400mの位置で高架橋が県道を越します。そこは、下の天竜川の高さの平坦部(下の段)へ続く県道が段丘の縁を切り通したところを過ぎたすぐの場所です。次の写真は、その場所を坂の下の信号の手前から撮影したもの。高架橋からは約80mです。
2013年11月撮影。右の角は高森消防署座光寺分署。
準備書の視点は、運転中の運転者が漠然とながめる風景ですが、より近距離のこの風景は信号待ちのあいだじっくりと見る可能性のある、そしてより近い場所です。なぜ、この視点が検討されなかったのか。おそらく高架橋を隠す前景がほとんどないこと、前方が上り坂になっていることからではないかと思います。高架橋より低い位置に保守車両のスロープが道路面との間に見えるはずです。高架橋の見かけ上の高さはは正面の信号と画面上端との中間あたりと思います。この写真は28mmレンズで撮影していますから、目で見た感じに近い56mmレンズによる画像よりは圧迫感は少ないはず。
「運転中に漠然と」と書きましたが、実は進行方向をしっかり見ているとすれば次の写真のようなもっと狭い角度でみているのかもしれません。印象は相当違うと思います。下に見える細い方が保守基地からの保守車両進入用のスロープで、本線より手前になります。
右折すればこんな風景が見えるはずです。
(2013/11/19)