リニア未来シンポジウム
「リニア未来シンポジウム&特別講演会〜IIDA2027〜」というイベントがあって飯田市鼎(かなえ)にある鼎文化センターに行ってきました。
駐車場が狭いので、案内には乗り合わせか公共交通機関を利用して欲しいと注意書きがありました。その公共交通機関のひとつJR東海の鼎駅。リニアを先取りして最近、無人駅になりました。
テーマは "リニア中央新幹線開通。どうなる?地域の未来"。講演開始前の待ちうけ画面。青と白の安上がりのデザインはLO系と同じ。
最初に、テレビキャスターの小宮悦子氏が講演。名古屋まで新幹線で来て、おそらく飯田市の公用車で飯田に入ったのでしょう。飯田にははじめて来たということで、飯田に関する知識は「ザザムシを食べる人」、「飯田線の秘境駅」だけだそうです。渡された資料はよく勉強されたそうです。その結果、飯田の人は勉強熱心なので「私が教えることなどない」と思ったそうです。三穂(みほ)の立石寺(りっしゃくじ)など見たとき感覚がおかしくなってきたという。飯田に来て感じた感覚は特異なものでこれは守って欲しいとのこと。それは、ここに来てもらえば、分るということ。来てもらえる工夫をすればよいとのこと。しかし頑張らないで欲しいとも。結局、リニアの存在には関係ない話なのです。小宮氏の感じた感覚はリニアのない飯田の印象なのです。
そのあと、飯田市長の牧野光朗氏と金沢工業大学客員教授の竹内宏彰氏と3人でシンポジウムがありました。
竹内宏彰氏という方、若く見えますが、53歳だそうです。全盛期の堀江貴文氏と感じが似ています。
話の内容を聞いていると、飯田市長は、地域のブランド化だとか、外国人を招きいれるとか、地域の産業を振興させるとか、リニアがあってもなくても考えなければならないような課題について話しているようでした。
小宮悦子氏は、今の若者は昔と変わって来ていて、右肩下がりの時代に生きてきて、堅実でそんなにたくさん欲しがらないと指摘しています。車も乗らないし、海外旅行もいったことがない、それでも不幸せそうではない。1980年台までの右肩上がりのチャラチャラした時代を過ごしてきた世代とは違ったものが見えているのではないかといっています。
こういうことは、これからの時代が、リニアのようなスピードを求める時代ではないということを示しているといえるでしょう。一方、市長から具体的に出された話題は、リニア開通を待たずとも考えなければならない問題だという。だったら、リニアを見据える必要はないし、リニアの工事と開業は、都会から近くて遠い桃源郷、伊那谷の魅力を減ずるかもしれない。飯田市としては、市民や近隣市町村民を困らせてまで、リニアに固執する意味はないはず。
竹内宏彰氏という人は、モデレーターというのは調停者とか仲裁者ということらしいのですが、ようするによくしゃべる司会者。質疑応答のとき挙手を求めておきながら一般参加者が挙手しているのに、素早く挙手をするのを忘れたサクラに発言を許していました。それが唯一の質疑です。お義理であつまった聴衆の一部から失笑が出ました。こういうイベントが無意味なことは、みな、だいたいわかっているんだと思います。
竹内氏や小宮氏のような方々に匹敵するようなアイデアの持ち主が飯田市役所職員や飯田市民にいないのでしょうか。よその自治体のことですが税金の無駄遣いのように思えます。リニアの必要性が理解できるような内容でなかったことは確かです。
「政治で一番大事なことは方針を示すことだ」とは小泉元首相が原発についていっていることですが、まあ、飯田市は無理でしょうが、大鹿村や喬木村、豊丘村、阿智村、南木曾町、松川町、中川村などは、迷惑を被るだけなのですから村長さん町長さんはリニアはお断りと方針を示せばいいのではないかと思います。住民を守るというのはそういうことだと思います。
(2013/11/25)
新聞報道です。
(2013/11/26)