JR東海トップ人事異動
JR東海の首脳部の人事が発表されました。
2014年4月1日付けということで、山田社長が会長に、副社長の一人、柘植康英氏が社長に就任し、葛西会長は代表権のある名誉会長になるそうです。東京新聞(12月17日)は「柘植氏は人事・労務に詳しく、民営化作業でも手腕をふるった」と書いています。北山敏和氏の「山梨リニアの超電導磁石」というページによれば、リニアの第一人者の京谷好泰氏は55歳定年のところを「前例のない定年延長制度の適用を受け、その後も長くリニア本部長を務め」て「国鉄内に京谷氏独裁のリニア村ができてい」ったといいます。
リニア中央新幹線のような国家的な規模の事業は、一握りの人々の考えだけで決定して推進するのは無謀といえます。衆知を尽くして、国民的な論議を経て決定されるべきものでしたが、現状ではそれはなされていません。JR東海は一民間企業ですが、国家的な事業をやるのであれば、組織としての論理に従って判断をしなくてはならないと思います。とすれば、葛西氏が異例のポストを作って社内にとどまることは、資本主義的な企業としての「組織としての判断」を誤らせることになると思います。人事が効力を持つのは、年が明けて4月ですが、葛西氏がリーダーシップを取り続けることは、彼の74歳という年齢から考えても、経営の安定が重要である公共交通を担う鉄道会社としては異常といえるのではないでしょうか。
リニアの開発に手を染めた世界各国どこも既に開発を止めています。非常に長い間かかって開発してきたのにいまだに実現できていないということ、ある一定の年限の内にできなかったという事実、「時間切れ」というのも、その事業を中止する正しい理由だと思います。JR東海には、「時間切れ」という考え方が人事面でもないように思います。
(2013/12/18)