路線の位置が違うフォトモンタージュ
下の写真はリニアアセス評価書の長野県の景観の変化予測、風越山中腹からの眺望の中心部を拡大したものです。最初に結論をいうと、書き込まれている路線と変電施設の位置はより左(北)になるはず。赤線で書いた位置です。
写真1
次は上の写真1より500mほど西の虚空蔵山の山頂からのフォトモンタージュです。写真の中の「伊藤製菓、ふくやま、宮沢鉄工所」のある位置と路線の重なり具合は写真1とは違っています。また2つの白い矢印や「マツザワ喬木工場」と路線との位置関係もずいぶんちがうことがわかると思います。
写真2
写真2の撮影位置と変電施設までの地図は次のとおりです。評価書の環境図を参考にしました。虚空蔵山から見ると変電施設は「マツザワ喬木工場」より左に見えるはずですから(赤い直線)、写真2のこの2つの位置関係はほぼあっています。
写真1では「マツザワ喬木工場」と変電施設が重なっています。上の地図で撮影位置が青い直線より下=南に行けば重なるはずです。写真1の実際の撮影位置は地図のオレンジ色の丸印(蚕種石[こだねいし]より少し上)ですから、こんなに南ではありません。
『自然環境アセスメント技術マニュアル』には、「撮影日としては、十分な視程の得られる晴れの日を選んで、撮影方向に対して順光または側光となる時刻に撮影する必要がある。」(p369)と書かれています。写真1も写真2もモヤがかかって遠景がハッキリしない条件で撮影されています。正確に鉄道構造物が合成できなかった原因のひとつだろうと思います。これでは、景観変化の予測の参考にはならないと思います。
(2014/09/15)