どっちが楽だかよーく考えてみよう (車輪の再発明)

 ここにちょっとした荷物があるとします。1個8kgで10個。平らな場所で運ぶとしてどうやって運びますか。元気な人なら2個ず持ちあげて5回にわけて運ぶかもしれません。もし台車があれば10個全部を載せて一回で運べます。

 リニアと普通の鉄道と比べると、リニアは持ち上げて運ぶやり方で、鉄道は台車を使う方です。

 歴史的には車輪の発見(発明)はものすごく大きなことだったと思います。リニアは歴史を逆に戻すものじゃないでしょうか。

 リニアがエネルギー効率が非常に悪いといわれる原因のおおもとはここにあると思います。

 でもスピードがずっと速いじゃないかという人もいるでしょう。飛行機はもっと速いです。そして、途中に路線をコンクリートで作る必要もありません。飛行機は空気の中に翼を突き出して浮かんでいくので、自然にあるものを利用しています。リニアは飛行機を浮かす空気にかわるものとしてコンクリートとプラスティックと銅線でできたガイドウェイが必要ですから多くの土地をつぶしたりトンネルがいります。

鉄道は、基本的には、しっかりした地面に砂利を撒きその上に枕木を置いて鉄のレールを固定するだけです。

 結局、リニアは無駄の塊。技術の粋(すい)ではなくて技術の堕落だと思います。だから日本以外の世界各国は開発をしなかったり開発をすでに止めています。超伝導リニアのアイデアの発祥の地のアメリカは、しかも平坦で広大な土地もあるのに、開発はしませんでした。

 なんでそんな無駄にこだわるのか。JR東海は誤った判断で無駄を開発し続け多額のお金をかけた。国はそういう無駄を指摘できなかった。結局、沽券にかかわるからという理由しか思い当たりません。そんなことで、立ち退きとか、騒音、日照被害とか、工事中の環境破壊、自然破壊に甘んじることは出来るもんじゃありません。