幽霊特急でGO!

リニア着工に認可

 本日、10月17日午前、太田国土交通大臣はJR東海が申請していたリニア中央新幹線の工事実施計画を認可しました。

 太田さんの会見によれば、経済の活性化が期待されるというのが一番の理由のようです。もちろんこういう見解には反対論もあるのです。「これによって経済が活性化する」というのは、昔の話なんですが、テレビが白黒の真空管だった時代、いや真空管のラジオの時代にテレビやラジオが調子悪くなるとテレビやラジオをひっぱたくという直しかたがありましたが、結局は理屈も分からずに何か刺激を与えると何とかなるかも知れない程度の話なんじゃないかと思います。特に、地方の自治体の首長や議員さん達の大部分が考えていることはそんなことだろと思いますね。真空管のピンとソケット、チャンネルの接点など接触部分の電気の通り方が一時的に改善するという、テレビやラジオの場合はある程度は理屈にあったやり方だったのですが現在の経済はそうは行かないでしょうね。

 リニアは半世紀以上の長い年月をかけて開発してきました。しかし、世界に目を広げると、磁気方式も含め、車両を浮上させて走らせる方式の鉄道は開発直後に世界各国で見通しのない技術として引導を渡された技術だと思います。西ドイツと日本だけが開発を続けてきて、ついにドイツも放棄したわけです。

 『永遠に美しく』という映画がありました。「不死の秘薬」で不死身なった女優(メリル・ストリープ)が副作用で青白くなった皮膚を美容外科医(ブルース・ウィルス)の「技術」で容貌を維持するという話です。リニアはこれと似ています。「不死の秘薬」は国や政治家の無責任な政策、政治判断、JR東海の誤った経営判断で、キャッチフレーズでしかない「超伝導磁石、先端技術」という厚化粧を施して今まで生き続けてきた。つまり、リニアは半世紀も前に死亡が宣告されたのに日本の一角でゾンビとなっていき続けてきたといえると思います。いや、車輪がない、足がないから幽霊。幽霊特急ですね。

 認可が出たとはいっても、住民との合意は出来ていないし、むしろ住民としては合意しがたい環境が出来たのですから、リニアが完成することはないと思います。まあ、これからが勝負でしょう。所詮相手はゾンビ、幽霊なのです。

 ゾンビの好物ってなんだか知ってますか。生きている人間の脳みそだそうです。こころは、国民の多数がリニアについてどう考えるかってことだと思います。

(2014/10/17)