リニアの空気抵抗 ― 知恵の無い先端技術

 ソースはあとで調べて書くつもりです。ちょっと思いついたことを覚えとして書きます。

 最近、山梨実験線でマスコミ対象に試乗会があったとき、最高速に近くなるとひどい騒音が聞こえたという話があって、それについて専門家が車体とガイドウェイの両方に凸凹があるので乱流が生じて騒音を出すのだと解説していた記事がありました。それは空気抵抗を増すようです。

(10月19日追加=ソース)・・・時速400キロを超えたあたりから、「ゴーッ」と低い音が車内に響いてきた・・・、「ゴーッ」という音の正体は何なのか・・・浮上式の超高速列車「エアロトレイン」の研究で知られる東北大学の小濱(こはま)泰昭名誉教授にたずねると、空気の流れの激しい乱れが原因だと指摘する。「ガイドウェイとリニアの車体面はいずれも凸凹状態の上、両者間の間隔が10センチ程度と狭い。その間に存在する空気が、一方では500キロ近くで引っ張られ、もう一方は0キロで止められ、激しい乱流状態になって乱流騒音が発生してしまう。さらに空気は止まったり、急に動いたりを繰り返すので、巨大な空気抵抗を生む」・・・(dot.:「リニア試乗体験『衝撃』ルポ 車内では何が…」 =『アエラ』2014年10月6日号)

 確かに車体の下のほうガイドウェイに隠れる部分では超伝導磁石の部分が一番外側に飛び出ています。車体の中間部は磁石より内側に引っ込んだ形になっています。


画面クリックで拡大。赤い矢印の超伝導磁石が飛び出ている。自販機の写真ですみません。こちらこちらのほうがイメージは理解しやすいかも知れません。

 上の写真で見えている部分だけでなく、その下方にガイドウェイに隠れて見えない部分も相当の長さ(深さ)があります。このページ(マイナビニュース)の画像と比べると自販機の写真は車体の高さの約半分しか見えていないことが分かります。車体の半分はガイドウェイに隠れるわけです。

従来の新幹線では車体の端から端まで出っ張った部分も引っ込んだ部分もありません。まったいらです。空気抵抗や騒音を減らすためです。


画面クリックで拡大。N700系(Wikipedia)。台車の切り欠き部分に少しひさしが出ていますが、連結部の継ぎ目なども車体の幅にそろえてあります。

 超伝導磁石がなぜ飛び出しているのか考えてみました。思いついたのは、そうしておかないと分岐器、ポイントを通過するとき横っ腹がぶつかってしまうからではないかということ。


本線のカーブは半径8000mでほとんど直線に近いですがポイント部のカーブはかなり急です。

 鉄の車輪とレールを使う鉄道車両は車体の幅がレールの幅より大であっても、車体の下に車輪とレールが配置されているので、リニアのようにレールに横っ腹を擦るようなことはありえません。

 トランスラピッドも軌条は車体より細くて車体が抱え込む設計ですから車体の外側が軌条に擦れるようなことはありません。もちろん、トランスラピッドも車体内部の軌条に沿った部分に凸凹があるはずですから、そこでは高速時には空気抵抗が生じるはずですが、下の図と写真のように車体全体の大きさに比べると小さいでしょう。ともかく車体の外側は先端から最後まで滑らかな形になっています。



(Wikipedia)

 とすれば、リニアは、ゆっくり通過するポイントのために、高速時に空気抵抗が増していることになります。頭隠して尻隠さず、50年も時間をかけたのに、なにか、マヌケなメカニズム、知恵の無い、まだまだ実験段階、おもちゃのようなものに思えます。それは良く言ってのことで、やはり産業技術総合研究所の阿部修治さんがいっているように「筋の悪い技術」なのだろうと思います。いくら改善を重ねても完璧なものにならない技術、手をかけるのが無駄な技術という意味だと思います。

(2014/10/18、19日写真やソースの引用を追加・加筆)


(2014/10/22) リニアの分岐装置について参考リンク


(2014/10/26) 空気抵抗の話の関連で参考になるページがありました。

 まず第一に、リニアが安全な技術かどうかということである。
 リニアはまだ完成された技術ではなく、特に強い磁気が人体に短期的あるいは長期的にどのような影響を与えるのか未知の部分が大きい。それは磁気遮蔽の技術の進歩が今後斯待できるとしてもかなり障害となりそうである。
 また、速度が大きく出せることは望ましいことではあるが、超高速の物体が空気中、それも地表付近の濃い大気中を移動するとき生じる周辺への影響や、移動する車に乗る乗客への影響についても未知のところがある。
 マイナスの影響を避けるため、リニア路線のすべてを地下化しないとならないことになる可能性もある。
 篠原武司は語る。(引用者注:ここまでは著者高口氏の文)
― リニアモーターカーの研究は自分が鉄道研究所所長だったとき(昭32年)、所員に研究をやりたいという者がいて始めたものだが、トンネルに出入りするときの風圧の問題をまったく考えていない。
トンネルを出入りするときの衝撃をどうするつもりなのか。
 まさか全線地下化するわけにもいかないだろうし、まったく解せない。
そもそも地上を超高速で走ればすごい風が起こる。リニアでは時速500キロを目指すとしているが、時速500キロは秒速に直せば秒速129メートルということだ。今年の最大級台風だって、最大風速は秒速50メートルなんだ。
トンネルの多い日本では地上を走る輸送機関としては時速250キロから300キロを限度とすべきだ。それ以上の高速度が欲しければ飛行機を使えばいい。鉄道輸送の限度をわきまえるべきだ(引用者注:篠原武司は昭和45年から日本鉄道建設公団総裁)
(高口英茂著『新幹線発案者の独り言―元日本鉄道建設公団総裁・篠原武司のネットワーク型新幹線の構想』石田パンリサーチ出版局、1992年。原著を参照していないのですが、篠原氏の話を高口氏が聞き取って書いたようです。下記、北山敏和さんのページの孫引きです)

(補足) ポイントを通過するときに車体がガイドウェイに接触を避けるために超電導磁石が出っ張っているのではと、より詳しい考察をしているページがありました。