2014年(平成26年) 月 日
国土交通大臣殿
申し立て人 ○○ ○○ 印
1.異議申し立て人の氏名・年齢・住所
氏名:○○ ○○
年齢:○○歳
住所:○○県○○郡○○町○○・・・
2.異議申し立てに係る処分
国土交通省が行った、2014年(平成26年)10月17日付けの国鉄施第75号、全国新幹線鉄道整備法第9条第1項に基づき、平成26年8月26日付け第33号で申請のあった中央新幹線品川・名古屋間工事実施計画(その1)を認可した処分。
3.意義申し立てに係る処分を知った日
2014年(平成26年)10月17日
4.異議申し立ての趣旨
「2項の処分を取り消す」との決定を求める。
5.異議申し立ての理由
(1)日本の国土の地形的な特性から、リニア中央新幹線のような直線状の長大な構造物を構築することは、地域の風土に根ざし、歴史的に形成されてきたそれぞれの地域の景観を著しく損壊する可能性がきわめて高いこと。
(2)気候変動対策等、これからの社会は常に省エネルギーを考えなくてはならないのに、従来の新幹線より2倍弱のスピードであるのに4.5倍もの電力を必要とする交通機関は無駄である。
(3)新幹線より以上の時間短縮の要望には、中間の路線を建設する必要のない航空機があり、鉄道は時速約300km以上を求める必要はない。
(4)リニア中央新幹線の採用しているガイドウェイ方式は、鉄道と同様の柔軟な運行に適していないこと。
(5)超電導リニアのリニアモーターは地上の長大なインフラとして建設されるため、容易に更新ができず、従来方式の鉄道が成し得たような部分的な改善の積み重ねによる技術的な向上が望めないこと。
(6)JR東海の行った環境アセスメントは十分なものとはいえず、また事業説明会においてもJR東海は表面的な言葉遣いは丁寧であっても実質は住民の要望を聞き入れないという点で歩み寄りはなく地域住民の一員としてこの事業には到底理解も同意もできない。
(7)長大なトンネルから出される廃土の捨て場の近場の候補地はいずれも土砂災害の懸念があって、廃土の処理先は坑口の近場には事実上存在しないこと。長距離を運搬する場合は運搬車の排出ガスの増大など環境負荷が高いこと。また零細な地方経済のなかで比重の大きな観光に深刻な影響を与える可能性が高いこと。また生活道路を工事車両が多数走ることで住民の生活にも深刻な影響が生じること。
(8)地方にとっては、経済的にも社会的にもメリットがないこと。この点はJR東海が事業説明会の説明でも認めている。一方で、工事中の生活環境破壊や、完成後においても日照権、騒音、振動、工事結果にともなう自然災害などデメリットのほうが大きいこと。
(9)交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会中央新幹線小委員会の答申に際して行われたパブリックコメントにおいても意見のほとんどは反対であったのに顧みられなかったなど、大規模な事業であるにも関わらず十分な国民的な論議を経ておらず、かつ合理的な目的もない事業について、国民の土地を収容しようとするのは憲法に認められてる居住の自由を侵害するものである。
(10)JR東海はリニア中央新幹線が災害時のバイパスの役目を果すというが、路線予定地も東海地震の予測震源域内に設定されている。単に東京と名古屋の最短距離を結んだものであって、地震による被害を考慮しているとは思えない。
(11)JR東海は国民が利用する可能性のある補正版評価書のPDF版に随時訂正を加えており、縦覧期間後においても訂正を加えている。国土交通省に提出した時点の補正版評価書との整合性がない。このような行為をするJR東海を住民は信頼するわけにはいかない。
(12)JR東海は現状の路線配置の体制のなかで、運賃の引き下げ、十分な駅員や保安要員の配置、踏み切りの改良、ホームドアなど乗客へのサービス向上や安全を図るべきであって、鉄道事業者として無駄なリニア事業に人的、経済的な資源を振り向けるべきではない。
(13)トンネルの安全性を保つには区分地上権を設定し土地の使用に制限を加えることは必要と考えられるのに、JR東海はトンネル上部の土地について30mより深い部分は区分地上権を設定せず、地権者の了解のみで施工しようとしているなど、路線の安全確保について配慮を欠いている。また、時速500kmという非常に大きな運動エネルギーを持つ列車が運行する以上は万一を考えて緩衝帯はドイツ、上海の例をみても少なくとも片側30m以上は必要と思われるのに4mで可とするJR東海の姿勢は周辺地域への安全の点でも配慮を欠いている。
6.処分庁の教示:なし
7.その他
口頭での意見陳述を申しでない。
以上