共産党はリニアに反対する資格なし?
私はあまり参考にしていませんが、「リニアを考えよう!コミュニティー」というフェイスブックのサイトがあります。沿線住民ネットワークに参加している人たちもあまり見ていないかもしれませんね。さっき見たらとんでもないコメントが掲載されていました。
年の瀬にこんなことを言うのもナンですが、これまでの経過について、よくご存じないようですね。。。
JR東海がゴリ押しできるのは、H23/5/27に、全幹法第九条に基づき、「超電導リニア方式、南アルート、平成39年完成」で建設”指示”が発せられたからです。これについてはご異論ないと思います。その指示の根拠は、同月12日に交通政策審議会中央新幹線小委員会の提出した答申によります。
そして共産党が主張するようにリニア計画の中止を迫るのであれば、国交大臣は第十四条の二に基づき、改めて交通政策審議会に諮問しなければなりません。ということは、裁判を起こそうが国会で追及しようが、どのみちリニア建設指示を出した交通政策審議会の審議にさかのぼって考える必要が出てきます。それについて、共産党が今さら何をいうのだ?という批判が出た場合、それに対処できるのでしょうか?
この小委員会の答申も、その作成に至った審議も、極めてメチャクチャだったわけです。問題は何十点にも及びますが、極端な事例として、南アルプスの保全を巡り、環境省と矛盾した決定を後出ししたことを挙げておきます。
●10年以内に南アルプス国立公園区域を拡張すべきである(環境省:H22/10/4)
●南アルプスの環境保全は二の次で構わない(中央新幹線小委員会第9回委員会:H22/10/20、および同年12/10中間取りまとめ案)
私のホームページにまとめてあるので、リンクを貼っておきます。http://park.geocities.jp/・・・/chuuoushinkansen・・・
このときの環境省の決定が迅速に実現していれば、自然公園法の規定により残土処分が不可能になるから、リニアなんて実現不可能のはずでしたよ。あなたは南アルプスの保全を口にされますが、この矛盾を放置した国会議員の責任は、きわめて重大です。
同じタイミングで矛盾した政策が出された場合、その矛盾を追及するのは、国会議員の役割だと私は認識しております。中間取りまとめ案はその半年後の答申に直接受け継がれたのだから、その段階で批判すべきだったのはなおさら(委員長が一蹴したがパブコメも3度あった)、しかしこの審議当時、共産党は完全に沈黙していました。いくら建設指示後に事業再考を主張しても、審議の最中は沈黙し、国会議員としての役割をサボっていたのは動かしようのない事実です。南アの保全以外にも、事業見通し、耐震対策、走行システム…黙認していた事項はいくつもある。
後出しで批判を始めるのであれば、その姿勢転換について適切な説明が必要です。それをしていない以上、いくら立派なことを主張しても、話の筋が通りません。「この点に目をつむって共産党の主張に耳を傾けろ」というのも、おかしな話だと思いますが。
この意見が正論とすれば、私はリニアに反対することをやめなくてはなりませんね。明確に反対を言い出したのは、準備書以降なのですから。政党は一般国民と立場が違うと反論があるかもしれませんが、たとえばね、自民党の一部の議員がリニア反対のグループをつくって反対を始めたとして、あるいはリニア推進派が反対に変わったとしても、そういう行動について批判するのは他の自民党員なりリニア推進でしょうね。私たちは歓迎はしますが、批判はしません。地方では実際そういう方も出始めています。
共産党について、
共産党が今さら何をいうのだ?・・・この審議当時、共産党は完全に沈黙・・・いくら建設指示後に事業再考を主張しても、審議の最中は沈黙し、国会議員としての役割をサボっていたのは動かしようのない事実
と批判するのも自民党やリニア推進派だと思います。ということは、この意見を書かれたかたは、本当はリニア推進派なのではありませんか。
フェイスブックに参加している善意の方々気になさらないことですね。ああそうそう、共産党さんも、「よくご存じないようですね」と言われた方もね。
「よくご存じないようですね」と言われた方のコメントがつきました。
・・・グループでのやり取りを通じて、あなたがリニア事業を進めてほしいのか、それとも止めてほしいのか、それがはっきりしない、故に私とに限らず議論がかみ合わないことがある。
それと、ブログ記事、コメントにおいても、内容は良いのに誰に何をお訴えになりたいのか、それがイマイチ伝わってこない。
いくら書いても、当該人に読んでもらえなければ意味がないので、来年はその辺りをご認識いただいた上でブログ、コメント等書いていただけたらと存じます。
時には直接問い合わせることも大事ですよ。
そのとおりですね。
(2015/12/31)