レールと車輪 (2)
レールと車輪について面白い動画を見つけたので紹介します。
まず次の3つは大宮の鉄道博物館(JR東日本)で見学者が撮影したもののようです。
最初のフラットな車輪の場合。まあ当然という感じです。レールから落ちてしまいます。
次の両端が広がった車輪の場合(カーブをうまく曲がる工夫)。これなら、うまくいきそうですが、やっぱり落ちてしまいます。
最後の両端が細くなった車輪の場合(カーブをうまく曲がる工夫)。これはうまくレールに乗って最後まで行きました。とくに出っ張った部分がなくてもレールに乗って走るのがわかりますね。よく見ると右が先に行くと次には左が先にという動きを繰り返しています。これはこの動画の最後の方でもわかります。
これは、英語の動画ですが新幹線に関連して同じような、さらに大規模な実験を見せてくれます。車輪のレールにあたる部分の傾斜の具合が緩いほど高速では横ぶれ(蛇行動)が起きにくいといっています。また車軸を支えるサスペンションもこの横ぶれを抑える役目をしているといっています。
- The Japanese Bullet Train - Wheel and Suspension Technology (BBCの科学番組「リチャード・ハモンドのエンジニアリング。コネクションズ : 弾丸列車」の1部分)
さてこれは山梨リニア実験線の試乗会で撮影されたもの。窓ガラスに映ったビデオカメラの動きに注目。なにか決まった周期で進行方向と直角の方向に揺れているように見えませんか。
こちらは、同じくリニアの試乗会で撮影されたちょっと不思議な現象です。コンパスの針が時々左右に周期的な揺れ方をしています。地図から見ても列車は東西方向に走っているはずで、磁針の向きはだいたい正確になっていると思うのですが、ときどき奇妙な振れかたをしています。車内のテレビ画面を映してる部分をみるとかなり揺れているのがわかりますね。
(2016/06/13)
(補足 2016/06/14)これは地元紙『南信州』の1面のコラムの一部。ご招待を受けて試乗した人でも揺れのひどさは気になっているようです。開業まで10数年あるからなんとかなるだろうという、なんともお気楽な話です。零戦の開発当時、振動から空中分解を起こしてテストパイロットがなくなっています。リニアは零戦と同じ「速度域」の乗り物。しかもより空気の密度が高い地表やトンネル内を走ります。参考⇒ 松平精の零戦から新幹線まで