「リニア残土No! ○○の会」

 豊丘村議会の本会議で小園の住民から出されていた請願が否決されました。この請願については5人の紹介議員がいましたが審議に入る直前紹介議員の一人平沢議員が紹介議員を辞める理由の説明をするということがあり、委員会では7対5で採択されたのに、本日の採決では平沢議員が退場し、結局6対6で同数となり、議長採決で否決されました。源道地の沢に残土が置かれる可能性はなくなったのですが、討論の過程でこの間の村が住民と議会を全く無視した不誠実な動きをしていたことが明らかになりました。村長が住民からの県に行った報告を取り消すようにという要望にかかわらずJR東海とだけ交渉していたのですが、滝川議員の調査により実は源道地については村は県に対して報告を正式にしていなかったことがわかりました。つまり県に対して報告の取り下げようがないということをずっと黙っていたのです。

 22日の『南信州』、『中日』、『信毎』に記事が載りました。この請願は13日に議会のリニア特別委員会で審査で採択され21日の本会議で審議されました。22日の各紙面は:

 直接見聞きしたことで新聞が書いていないことは、つまりこのページの最初の部分の私の覚えと大きく違うことは、そもそも村は源道地の2つの沢を県に本当に報告していたのかという点。滝川議員が飯田の合同庁舎で県職員に確認したところ、そういう書面はなかったという点。今後の記者さんたちの調査に期待します。

 『南信州』は請願のもともとの3項目を書いています。そのうち2項目目のJR東海に設計を中止させるを除いた2項目が本会議の議題になったのですが、3つ目の「この沢筋の治山防災状況調査の申請を県へ提出する」という点。『中日』と『信毎』が請願書を提出した「リニア残土No!小園の会」の会長さんのコメントを載せています。

『中日』:提出後に候補地から外れたので、止むを得ない。村は住民の思いを受け止め、今後は積極的に情報開示してほしい。地元が残土を防災に生かそうとした源道地の安全対策も、ぜひお願いしたい
『信毎』:報告の手続きや村民への情報開示への姿勢で行政に対する不信感が残る

 沢を埋め立てれば将来防災上の利益があるという主張は、もともとは沢の上流の地域の住民が言い出したことのようです。正確に言えば下流にあたる小園も上流域も含めた伴野区の区長の発言なのですが、請願を出したのは地震や大雨による土石流災害被害を心配した下流域の人たちのはず。『中日』が載せたコメントの後半はちょっと説明不足な感じがします。少なくとも議場での請願採択に賛成する意見、反対する意見の中にも残土を置けば防災に役立つみたいな発言はありませんでした。

 請願に反対する意見で、面白いと思ったのは、いままで山の中の沢にゴミを埋め立ててきたじゃないかというのがありました。だから、残土を沢へおいてもいいじゃないかという意見です。JRはこの沢へは残土を置かないといっているのにね。そのほか2つの沢(本山厚生会、戸中)へ置くのも問題だという一番最後の唐沢啓六議員の発言の出る前の意見です。

 私自身は議会の傍聴はほとんどしたことがない。今回が3回目ですが、なかなか、見ごたえのある会議でした。地方自治がしっかりしてれば、というのは議会がしっかりしていればという意味だと思うのですが、リニアのような無謀な事業は防げるのではないかと思いました。もし録音録画を見れる機会があれば、ぜひおすすめです。

 請願を出した住民団体がそこまで考えているとは思えませんが、「リニア残土No!小園の会」というネーミング。「リニア残土No!○○の会」と言うように沿線のどこでも利用できるスタイルになっていますね。JR東海自身がいっていたことですが、従来の鉄道ではトンネル残土は同じ路線で盛土などにつかって消化できていたそうです。ところがリニアは全線のほとんどがトンネルなのでそういう消化方法がない。残土の処分先が無ければ工事はできないのです。下平村長も答弁中で触れたように、残土の処理地は基本的には土地収用の対象ではないので、海洋投棄でもしない限りは、直接の路線用地、車両基地用地などを強制収容しても建設できません。残土の処分先はほとんど決まっていません。

 付け加えると、リニア問題に対する村役場の対応と、この日議題に上がっていた「村の駅」の問題に関する村役場のやり方には共通点があるように思いました。下平村長は初の「民間出身」村長だそうです。つまり、役人が騙しやすい村長ではちょっと困った笑い話になっちゃいますね。

(2016/06/23)


(2016/07/10) 最近あるところで聞いた話では、賛成の6人の内の一人は病気治療中であるのに数合わせのために無理やりに引っ張り出されたようです。たしかに、議場でも病気で休んでいたが云々という話は出ていました。