北条でリニア新幹線の幅杭の設置

 上郷飯沼北条でリニア新幹線の幅杭の設置が9日から始まりました。本日10日は2日目、報道関係者もおらず、JRコンサルタンツの社員1名と測量会社の社員3名だけで作業が行われていました。

 パチンコ・ダイナムの駐車場。一番奥に三脚にのった測量機があってそれで杭の位置を決めていました。一番手前にいる人が右手に持っている器具でレーザー光線を反射して距離を測るのでしょう。


 舗装面やコンクリート面ではこういうピンを打ち込みます。


 左の作業員さんの足元にあるドリルで下穴をあけてからピンを打ち込みます。


 打ち込む途中でピンのセンターに器具をあてながら位置が正しいか確認しています。ミリ単位で位置決めをしていました。ピンをハンマーで横から叩いて位置の調整をします。測量機担当の人とはハンズフリーのトランシーバーで会話します。


 仕上がりはこんな感じです。「JR」はJR東海、「Sta.」は「駅」、「右」は名古屋方面を向いて右、「15」は図面上の番号なのでしょう。


 次はこのお宅の前の畑の中です。JRコンサルタンツの社員が玄関先で声をかけています。


 フェルトペンで杭に記号や番号を書き込んでいます。


 カケヤで杭を打っています。


 参考に:2015年に座光寺地区で設置された中心杭。ハンマーで叩いてピンをミリ単位で位置の調整をする代わりに、木製の杭では杭の上にさらに青いピンを打ってミリ単位で位置を出します。


(2015年5月撮影)

 応対に出てきたこのお宅の奥さんは、測量のあることを連絡に来た自治会の人にお茶を出さんでも良いのかと聞いたら、出さんでも良いと言われたので出さんがと測量屋さんにいっていました。庭にちょっと変わったボタンの花が咲いていました。シャクナゲではなくボタンだそうです。アジサイもあるけど移転先へ持っていけないなあといっていました。


 県道市場桜町線。赤丸の中に名古屋方面に向いて右側の幅杭(ピン)。ここでは路線と道路はほとんど直角に交差しますが、ここ以外の場所では「ななめ」に通るという印象が強いです。


 県道市場桜町線の道端に、馬頭観音が古いのと新しいのと二つ並んでいます。新しいといっても天保11年、古い方も建立したのは同じ家の名前です。歴史の古い地区です。


 この2軒のお宅の間にも杭を打ったようです。


 県道から上は夏までにやる予定だが、市道33号線の付け替えの問題があるのでその部分だけは昨日やったというので見てきました。探したけれど見つからないので、畑仕事をしている人に聞いたら教えてくれました。赤丸に幅杭。赤線が杭を結んだ線。近隣の人のお話を聞いた限りは、この線が「鉄道施設の外側の線」という意味なのか、「付け替え道路の北側(写真では右側が北)」なのか住民にきちんと知らせがいっていないという印象を受けました。鉄道施設の外側の線であれば、赤い屋根のお宅の場合その外側にさらに市道33号線の迂回路ができるので大問題です。JR東海はJR東海の関係する部分だけ、飯田市は飯田市に関係する部分の説明しかしていないというのが現状のようです。飯田市役所が市民の側に立っていないからだと思います。


 このあたりの杭はこんな感じですが、「Ro」は「Rord」ですから「Ro33」は「市道33号線」で、「L17」の「L」は左側で、リニアルートと同じ基準で言えば道路の左端ですから、鉄道の敷地から言えば外側のように思えます。杭の頭の一番奥のほうに青いピンが見えています。


 さらに上の方は・・・(画面をクリックすると拡大)。


(赤丸内に杭。杭は左から右に走っている道路とあぜ道より向こう側にあります。)



 「Ro33--L17」という杭は画面真ん中にあります。ということは左のお宅や一貫水路の配水施設も市道33号付け替え工事の影響を受けるのでしょうか。JRコンサルタンツの社員さんは市道33号の付け替えの関係があるので県道上でもこの部分だけは9日に設置したといっていたので市道33号は杭を結んだ線はリニアの用地の外側と考えるのが普通かなと思います。これまで見せていただいた計画図面では付け替え道路は左に見えるお宅よりは手前のわけだったと思います。

(補足 2017/05/17) 飯田市役所に確認したところ、今回打った杭は付け替える市道33号線の用地まで含んでいるとのことでした。石垣の上にあるお宅も工事の影響を受けるとのことでした。市道の幅はセンターラインの引ける幅とするために用地が拡大したわけです。JR東海は現状の道路幅といっていたのに市の要求で市民が迷惑を被るような話だと思うのですが、本当に地元の住民ときちんとした話し合いをしているのでしょうか。

 新戸川は付け替え工事が必要です。杭の場所を教えてくれた方は、トンネルの掘削方法が変更になったことや、新戸川の付け替えなどで、自分の土地が関係あるのは確かなのだけれど、どの程度なのかはっきり示されていないことについて、心配しているというよりは怒っているといっていました。また、アパートに住んでいる高齢で病気の方は、移転先について本当に困っているので、そういう人たちが今と同じ条件で暮らせる移転先を何とかしてほしいといっていました。

 なぜ1日の利用客が6800人なのか?なぜ駅周辺整備の面積が6.5ヘクタールなのか? 駅周辺整備計画の6.5ヘクタールは国から補助金が出るからその面積に決めたのだろうという声も聞きました。北条が散々な目にあうのは自分の手柄のために牧野市長が路線を動かしたからという声も。飯田市が「寄り添う」といいながら、市民の立場に本当に立っているかどうかといえば、そんなことはまったく考えていないのではないかという印象を受けました。

(2017/05/10)