飯田市議会記事 ~ 何に同意したんですか?

 昨日、飯田市議会を見て来た話しを書きました(参考)。今朝の『南信州』の1面トップ記事の見出しは「下久堅は地権者同意 飯田市内の残土置場」です。

 この記事を読んで、残土の置き場は決まったと思う人がいるのではないでしょうか? 地権者が同意したのは現地の測量や調査です。下流域の住民が反対した場合、地権者は実際に残土の埋め立て工事を認めるでしょうか? JR東海と土地を貸す契約を結ぶでしょうか?

 言い換えると「地権者は将来の下流域への土石災害について同意する」でしょうか?

 リニアトンネルの残土置場(処分場)は土地収用の対象ではありません。JR東海と地権者の間の自由な話し合いだけで決まることです。地権者は嫌だといえるし、JR東海や行政が地権者に強制することはできません。

 小園で残土埋め立てを断念した理由について、JR東海は一部の地権者の同意を得られなかったためといっていますが、実は下流域の小園集落の住民が反対したためです。本山森林組合のように地権者が一つの組織なら話は比較的簡単ですが、地権者が何人もいる場合、中には将来の孫子の代に対する責任を感じる人もいるはずです。

 松川町生田でも寺沢川上流の中山に候補地があって、測量や設計をしましたが、下流の福与区のリニア工事対策委員会が町へ残土置場としないように要望を出すとともに、受け入れを申請した生東(いくとう)区に受け入れ申請に至った経緯について説明するように質問書を出しています。谷の下流に済む住民は地権者に土石流災害が心配だというべきです。

 北沢リニア推進部長の説明もいい加減なものですが『南信州』の表現もいい加減です。いい加減なだけでなく騙そうとする意図が感じられます。

(2017/06/15)