リニアガイドウェイヤード候補地に関する説明会

やる気のあるのは葛西さんだけ?

 高森町(長野県下伊那郡)には、リニア新幹線の「ガイドウェイ制作・保管ヤード」の候補地があります。7月19日夜、地元である下市田地区の区民会館で下市田地区全体に対する初めての説明会がありました。

町からの報告

 町の経営企画課長から昨年(平成29年=2016年)8月7日以降の経過説明がありました。本当はそれ以前の話もあるわけですが、それは省いてありました。省いてあっても疑問を感ずる人はほとんどなかったようです。私も疑問は感じませんでした、いつものことだから・・・。

経過説明のレジメ

 経過説明のレジメを見て、面白いなと思ったのは、JR東海とやり方が逆なこと。JR東海は、市町村の住民全体対象 ⇒ 関係地区 ⇒ さらに小さい関係地区 ⇒ 地権者など直接の関係者と対象範囲を狭めていくのに、高森町は、この件では、地権者 ⇒ 地権者、耕作者 ⇒ 下市田2区 ⇒ 下市田区全体となっています。だから、何をこそこそやってるんだという感じがするんです。

 レジメ最後の協議窓口についてのところ。「今案件については、地権者が多いため、地権者代表者による協議会などとの設立を依頼。但し、必要に応じ地権者・耕作者全員の皆さんへの説明はきちんと行います。」となっていますが、やや理解しにくい。タイトルは「協議窓口について」ですが、「今案件については、地権者が多いため、地権者による協議会を作っていただいて、その協議会を窓口にさせていただきたいと考えております。但し、必要に応じ地権者・耕作者全員の皆さんへの説明はきちんと行います。」とすべきでしょうね。

 28年8月7日に「下市田河原地権者会議」という組織があるのか、「下市田河原の地権者に集まっていただいて」という意味なのか不明ですが、その席で「概ね了解を得た」という部分があります。丸1の土地利用計画は3月に「決まった」ことなので了解を得る必要はない。問題は丸2について「概ね了解を得た」。この会に出た方によれば実はまさに「概ね」だったようです。

現地の航空写真

 写真は下が南。赤線で囲った候補地の一番南の部分東西の幅で正方形になる範囲は、町内の生コン業者さんが新しいプラントを作る予定で、しばらく前に回覧文書で告知があった部分です。この点については何の説明もありませんでした。

 大型車両が1日約110台出入りするそうです。候補地西側の道路を北の方から出入りするとのこと。黄色い枠は私が書き込みました。この部分は住宅密集地で、ここを大型車両が1日約110台通過することになります。町からは、この部分の道路を「JR東海さん」のご期待に沿えるように改良するつもりだが、移転が2軒ほどあるので・・・という説明はありました。が、騒音振動についての話はありませんでした。この集落に町長が住んでいるのにね。来年1月の町長選は大丈夫かな? 現在でも振動はかなり気になるんです。この道路は堤防の取り付け部分があって、そこは峠状態になっています。そこを削れば平たんになりますが、航空写真でわかるようにこの部分は堤防の切れ目、遊水地の入り口ですから、そんなことをしたら水害の時に下市田河原の水田が水浸しになります。江戸時代の先人たちの努力が水の泡です。道路全体を嵩上げすれば道路東側の住宅地から車が出られなくなります。簡単に、大型車の走行に都合よいように改良できる道じゃないと思います。

 耕作者の一人は、出入りする車が農耕車両を無視しないこと、ゴミのポイ捨てを無くすことを要望しました。本来、この道路の道幅が広いのは、農作業に使う車の便利のためです。工業団地が造成された当時この道路は普通車のすれ違いができない未舗装道路でした。工業団地へは工業団地の北の端の東西方向の道路から出入りするという話で、飯田線を渡る踏切付近も大型車両が通過しやすいようになっています。しかし、おかしなことに、こちらのルートはトレーラーや大型車が通れないと思っている人が多い。また、数十年以上前になりますが、工業団地を作った当時の高森町の理事者がそこまで考えていなかった。本来、工業団地を作るには適さない土地だったのではとも思いますね。ともかく「経営企画課みらい創生係」と名乗っているのに、過去も未来もなにも考えていないね。質問するのを忘れちゃったのですが、ヤードの入り口はどこなのでしょうか?

花火が打てんぞ

 航空写真のオレンジ色の四角い書き込みは、尺玉を含む花火大会の打ち上げが行われる可能性がある場所。現在は天竜川左岸で打ち上げていますが、増水で左岸が使用できない場合の予備として確保するときがあったし、実際にここで打った時期もありました。現在左岸の打ち上げ場所の堤防の内側にショッピングセンターを合わせた「道の駅」が建設中です。今年は打てますが、完成後の来年はわかりません。花火の打ち上げに支障がないかという点。この質問に対して担当課長は「それは考えていなかった、まだ決まったわけではないので・・・」。町長は花火を打っている出砂原(下市田6区)に住んでいるのにね。来年1月は町長選だよ。

 この辺りは常に南風が吹いています。出砂原は風下。ヤードは全部舗装するそうです。出砂原の夏の気温はどれぐらい変化するのでしょうか。というようなアセスメントしてねという要望をしました。

ヤードの規模

 JR東海の説明では、リニア全線で各県(東京も多分含んで)に10~12ヘクタール規模のガイドウェイヤードが必要だそうです。全体で60~70ヘクタール。やっぱりリニアは無駄が多いです。

JR東海の配布資料(PDF)


画面クリックで拡大。クレーンの足の下にレールがあって、レールはテント式の建物部分まで延びています。建物は一部が蛇腹になっていて開口部がありそこからクレーンで製品を出し入れするそうです。建物の高さは約10m。周囲の塀は3m。

 これは、「ヤードのイメージ」だそうです。実際の候補地の敷地の形は長細いですから、建物の配置に関連した質問が出ました。候補地の形は分かっているのだから、この形に合わせて図を作ればよかったのにという指摘に、新しい工事事務所長はあいずちをうっていましたが、なんかこのごろ、JR東海の職員さんはいぜんより緩んだ感じの人がいますね。気が利かないのは相変わらずですが。

 従業員として地元の人を雇うのかどうかという質問が出ました。専門的な仕事以外で下請け業者に任せた部分であるかもしれない程度の説明でした。

 責任は町の担当課だと思います。部屋が小さいとは言っても、拡声装置を使わないのはどうなのか。4000人以上いる下市田区ですが、こういう説明会は自治会役員などの動員がほとんどで、一般区民は少ないです。それを見越して小さい部屋を借りたのでしょう。たいていは爺さんですから、耳が遠い、どうせ聞く気もないからそれでいいんですか?

 町長も、経営企画課長もヤードが必要になるまで工事が進むかどうか考えた方がいいよ。今回の説明会とは関係ないですが、残土の置き場がないことはJR東海も認めました。トンネルが掘れなければガイドウェイも必要ない。隣にいた爺さんがガイドウェイの説明会なんだから残土のことなんか聞くなと言いました。区民会館の前の道の石垣の下に蹴落としてやろうかと思いました。

 で、ガイドウェイ関連なので聞きました。リニアの車体で一番出っ張っている台車の超電導磁石の端面とガイドウェイのコイルとのギャップは何センチですか。JR東海の社員さんは5名来ていましたが、誰も即座に答えれず、後日回答になりました。新幹線の線路幅は何センチ?って聞いたのと同じ程度の質問だと思いますが、JR東海さん大丈夫ですか? やる気があるんですか。やる気のあるのは葛西さんだけじゃないんですか?

 そういえば、「ガイドウェイ」って普通は「ガイドウェイ→」って読むと思うんですが、JR東海の一人の若い社員さんは「ガイドウェイ↓」っていってましたね。右下がりに・・・。

(2017/07/20)


関連ページ

 経過説明のレジメの中に書いてあるようにヤードの候補地が東側に移動しました。

(2017/07/20 補足)