砂払の県道拡幅箇所について

 飯田市では松川の坑口(妙琴原)からのトンネル残土搬出につかう予定の道路に拡幅を邪魔している土地があり、地権者が107人いて連絡が取れない状況というニュースがありました。少し前のことです。調べてみました。場所は飯田市の旧市内では郊外で、以前は全体に狭い道路でした。大平を経て南木曽に向かう街道に面した場所です。


12月7日撮影。前方のガードは中央自動車道。右に見えるクリーム色の建物は砂払温泉

 場所は飯田市砂払町1丁目。JAみなみ信州砂払支店まえの県道8号線(飯田南木曽線、大平街道)。道路幅の半分に長さ約20mにわたって張り出した形になっている空き地があります。


写真中央はJAみなみ信州砂払支店。

 12月7日、飯田市役所の国県リニア事業課を訪ね質問しました。この土地はもともとは10~20名程度の共有地で、相続手続きの未了などで現在は権利関係のある人が約100名余存在するそうです。改良対象が県道なので県が調査をして確認をしており、残りはあと数人とのことでした。朝日の記事以上のことは分かりませんでした。近くに住む親戚によれば、10数件の共有地で何か神様が祭ってあったという話です。

 以下のアドレスが問題の場所です。 https://www.google.co.jp/maps/@35.5218424,137.807786,19.25z

 この部分は普通車同士なら何とかすれ違いができますが、大型車は無理な状況。以前は全線がこの幅だったはず。木曽方面に行った所に多摩川精機があります。多摩川精機は戦争中からありました。ここ10数年間に改良を進めて来た道路ですが、地権者の関係でここだけが工事が遅れていた場所です。

 リニアの残土運搬の関係で現在長野県が一所懸命に権利者と交渉しているのですが、比較的短期間で長野県は残り数人の段階まで権利者との交渉を済ましています。これまでは何もしてこなかったのだと思います。とすれば、大平街道の全体の拡幅工事も喫緊のものじゃなくて、なんとなくの雰囲気と惰性で行われてきたものだと思います。そしてそれでもそんなに差支えはなかった。道路に狭いところがあれば車も遠慮するわけです。

 この道路を下って来てフルーツライン、153号線経由で飯田インターから、中央高速、三遠南信道路をつかって、まだに決まっていないどこかに残土を運ぶのだそうです。牧野飯田市長はそういっていますよ。バカみたいな話です。

 朝日記事では119平米となっていますが、拡幅で必要な面積は60平米ほどと思われます。

 なお、残土埋め立て候補地の、飯田市内龍江地区の番入寺西の谷の地権者の総数は約40名ですが、地権者不明の土地があるとのことでした。こちらは、地権者が候補地として検討することについて承認をしたという段階で設計はまだ提示されていないとのことでした。

 最近、所有者不明の土地をどうするかという話題が新聞によく載りますが、東濃リニア通信さんが言うように、「このタイミングは、リニア新幹線建設に伴う土地取得を容易にするための施策と考えるのが妥当」かもしれません。

(2017/12/30)