補足説明1:諏訪を経て伊那谷へ入る「Bルート」でなく、南アルプスを貫く「Cルート」になったのは、経済効果や建設費が理由と言われましたが、諏訪を通過した方が乗客は倍もいるとの予測があったのですから(※1)、そのような理由はちょっと理解できないなと思います。超電導リニアのカーブが苦手、またはカーブで著しく安全性に劣るという「技術的制約条件」があるとすれば、おおいに納得できると思います。カーブが得意のトランスラピッドなら超危険な南アルプストンネルを掘らなくても良かったのに・・・。
補足説明2: 超伝導リニアの路線の平面図(※2)によれば、浮上して高速で走る部分で一番急なカーブは半径8000m。品川駅を出たすぐに半径900m、名古屋駅のそばにも半径900m、半径2000mのカーブがありますが、2つの駅はすべての列車が必ず停車するので、この部分はゴロゴロと低速でゴムタイヤで走行するはずです。
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上海のリニア、上海トランスラピッド(SMT)と超電導リニアを比べて見ました 上海リニアは、2004年1月から正式に営業運転をしています。時速500㎞/hも可能な磁気浮上式鉄道です。 先行例として審議会で検討すべきだったのですが… 違いは、実験線や路線のカーブ | ||
(トランスラピッドインターナショナルのHP [ web.archive.orgのキャッシュ ]より) | (googleマップに加工) | |
ミュンヘンのS字コースを走るトランスラピッドTR-02。1971年。(『磁気浮上式鉄道の時代が来る?』より) | トランスラピッドTR-04(1973年~)。1977年に253.2km/hを記録。(『磁気浮上式鉄道の時代が来る?』より) | (ウィキペディアより) |
トランスラピッドは、早くからカーブのあるテストコースを使ってきました。ドイツは超電導方式の実験コースも円形でした。 日本の超電導リニアは一貫してほぼ直線、もっとも急なカーブで半径8000mです。浮上走行でもっと急なカーブや長いカーブを走行した実績がありません。 | ||
ドイツの超電導実験車 EET。1973年。(SYND 4 11 76 TRIAL OF PROTOTYPE SIEMENS ELECTROMAGNETIC TRAIN IN ERLANGENより) | (写真は『磁気浮上式鉄道の時代が来る?』より) | |
(google航空写真に加工) | (鉄道総合技術研究所のHPより) | (山梨県立リニア見学センターのHPより) |
(地理院地図に加工) | (JR東海のHPより) |
通過速度 | カーブの最少半径 |
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500km/h | 6200m |
400km/h | 4000m |
300km/h | 2250m |
200km/h | 1000m |
低速 | 400m |
(トランスラピッドのデータは『西独トランスラピッドMaglev』より)
参考:新幹線の最少曲線半径は、東海道2500m、山陽4000m
JR東海の主張:「時速500㎞/hという高速特性を活かすために
路線は直線のルートを選んでいる」
Ralf Roman Rossberg 著、須田忠治 訳『磁気浮上式鉄道の時代が来る?―世界の超電導・常電導・空気浮上技術』(電気車研究会、1990年)
大塚邦夫著『西独トランスラピッドMaglev―世界のリニアモーターカー』(公共投資ジャーナル社、1989年)
※1 国土交通省のHPの、中央新幹線小委員会 過去の開催状況 の 第4回(2010年6月4日)の 議事録 と 長野県が配布した資料。
※2 JR東海のHPの、中央新幹線品川・名古屋間の工事実施計画(その1)の認可申請について(平成26年8月26日) の 全幹法第9条第2項に基づく添附図書 の 線路平面図 (PDF 103.6MB) (注意!ファイルがものすごく重いです)