更新:2018/01/17

喬木村の残土置場

 喬木村はリニアの残土については、村内で発生する約8万5千立米しか受け入れないといっています。その背景には、三遠南信道路の建設残土の受け入れをしなくてはならないという事情があります。


信濃毎日 2018年1月13日、29面

 記事によれば、関係地区で説明会をして、これから個別の用地交渉に入るというのですから、リニアの工事の残土置場とほとんど同じ段取りで計画が進んでいることがわかります。


胡桃沢(35°29'09.0"N 137°54'31.5"E)

 このような谷に約50万立米の残土を置くというのは、それぞれの谷とその下流域にしてみれば、リニアのトンネル残土と同じ問題が起きる可能性があるのですから、喬木村がリニアの工事の残土を8万5千立米しか受け入れないというのは無理はないと思います。

 地図の中央下から左上に流れるのは小川川で下流に役場、農協などのある喬木村の南部の中心の小川地区があります。今回は基準値を超えるヒ素などを含む要対策土も置くということなので、土石流災害以外にも心配があります。北の中心部の阿島地区はリニアの地上部分が建設されます。

 それに引き換え、リニアで一番利益を得るはずの飯田市が、たった60万立米しか受け入れないというのはどういうことなのでしょうか?

 飯田市は埋め立てゴミの収集について、一袋につき60円の処理料金を徴収しています。高森町は焼却ゴミについて飯田市と同じ処分場を使っています。しかし埋め立てゴミについて処理料金を取っていません。町内に埋め立てしているからです。飯田市がどのような処分をしているのかは分かりません。しかし、市民の日常生活で生じる埋めてゴミの処分についてさえ周辺の他の自治体に比べ困っているのだろうと思います。そんな飯田市がリニア、リニアと騒ぐのはおかしい。市民の生活の基本的な部分のことですらきちんとできていないのに何をいっているのかと言いたいです。

 道路建設とか鉄道建設とかいうとなにか期待感を持つのですが、なにしろ「建設的」なのですからね。しかし、やっぱりこういうゴミ処理の問題があるわけです。現在の日本の産業社会は「ものづくり」というよりは「ゴミづくり」の比重のほうが大きいのではないかと思います。

 東京のゴミを田舎の人たちが買って田舎で処理している、そういう図式がみえるような気がします。