更新:2018/01/29

上海トランスラピッドの路線図

 上海のトランスラピッドの路線にどんな半径のカーブがあるか調べてみました。グーグル地図を利用しました。


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 この路線のうち急な方から3つのカーブの半径を測ってみると、浦東空港に近いカーブは半径2.3km、終点の龍陽路駅手前のカーブが半径1.25km、その南側の大きなカーブが半径4.45kmでした。この3つのカーブでは列車の進行方向がそれぞれ約90度ずつかわります。

 ドイツのエムスランドの実験線には、半径1㎞と半径1.7kmのループがあって、それぞれ時速200㎞、300㎞で走行したそうです(実験線の線型の比較)。

 JR東海のリニアに比べると明らかにカーブが多いです。しかし、この上海の路線でトランスラピッドは試験運行期間中の2003年11月に時速501kmで走りました(参考)。通常は、最高速度430kmまたは300㎞だそうです。

 JR東海はリニアの路線について、時速500㎞の高速特性を活かすために直線を選んでいるといっています。一番の急カーブが半径8㎞です。超電導磁石で10㎝も浮上するのにこんなに緩いカーブしか曲がれないのでしょうか。トランスラピッドは磁石の力が弱いので1㎝しか浮上していないんですよ。

(参考) 超電導リニアの高速特性を発揮させるべく3大都市圏を直線的に結び都市間の到達時間短縮効果を最大とすることにより、日本の経済及び社会活動が大いに活性化することはもとより、東海道新幹線の活用可能性が広がるほか、超電導リニアという最先端技術がインフラの基幹技術として実用化されることにより製造業の活性化への貢献等の効果が期待できると考えています。(JR東海:QA)
(参考) リニアの特性である高速輸送能力を発揮するためには、 現在の新幹線が4,000mの最小曲線半径設定なのに対して8,000mの極めて緩いカーブの設定となるなどルートは概ね直線であることが必要です。(中津川市:夢の実現へ 中央新幹線リニア中央新幹線 4 No.04 次世代の扉を開く輸送システム(PDFファイル/299KB)(2010年5月掲載))

 上海トランスラピッドの路線は出来るだけ既存の道路などに沿って路線を選んでいます。JR東海のように、既存の土地利用のあり方を斜めにぶった切るようなことはしていません。

 どちらの技術の方が社会的にみて優れているのでしょうか。


(参考)[2018/06/21 追加]

※ JR東海の説明資料「超電導リニアによる中央新幹線の実現について」から。直線ルートはトンネルが長くなること、トンネル内は空気抵抗が大きくなるという大きな欠点を隠している。トンネル残土を処分するのに土地がいることも隠している。これらの欠点を隠している事実からも、リニアはカーブが苦手と思えてしまうんです。