更新:2018/02/01

高森町がアリーナ候補地に名乗り

 2月1日午前開かれた、高森町議会の全体協議会の席上、町側は、下市田河原の一部を、南信州広域連合が計画しているアリーナの候補地として、南信州広域連合に報告したと説明。地権者の了承は得たといっていますが、河原耕作者組合や地元(下市田区や下市田2など周辺の自治会)にはまだ何も話していないとのことです。残土処分地やガイドウェイ組立ヤード候補地は県に情報提供するだけですからいい加減なやり方もあり得るのですが、相手は高森町も属している南信州広域連合ですから、報告する前に、耕作者組合や地元と協議すべきだったといえます。明日の朝刊をみて寝耳に水と思う高森町民は多いはずです。

 具体的な場所は示さなかったのですが、リニアを見据えてあわてて作った土地利用計画で、下市田河原で工業用途と指定されているうちのガイドウェイ組立ヤードの西側ではないかという人もいます。であれば、江戸時代以来数百年の美田が一挙に失われることになります。

 高森町町長が農地転用の許可の権限を付与されたことを見ても高森はこれからも農業を第一のものとして守っていく方針のはずです。一方では、これからは給与所得が主流になるので事業所を誘致することが第一と説明する高森町の説明は矛盾に満ちています。また、ガイドウェイ組立ヤードは一時的なものであるのに、6.7ヘクタールも占有するので、進出を希望する企業の希望に沿えないという矛盾。さらに、これからの時代は以前のように工業団地を造成して用意しても企業が進出するかどうかは分からないという認識も持っていると説明するのですから、結局はなにも明確な指針を持っていないということではないのか。実は以前に80年代半ばから工業団地化した下市田河原の南部も全区画が埋まるのにかなりの年数を要したのです。いまでも空いている土地があります。地権者の高齢化、後継者がいないなどの理由で農地を手放したいという希望を持っている農家もあるようですが、農地として保全する方法はあるはずです。

 2月15日に予算の理事者査定が行われる予定で、今回はじめて町民の見学を許可するとの説明があったそうです。これは農産品加工所のことで関心のある町民が多いからということで、関係者には個別に連絡をするそうですが、一般町民については見学はOKというものの、時間は未定。

 子育て支援センター関連では、高森町は駒ヶ根市の法人「ゆりかご会」を指定管理者と心づもりしているようなのですが、4月のオープンからしばらくは町が直接管理運営して、7月に指定管理者を公募する予定と説明。町が予定している「ゆりかご会」については、財務状況などについて調査を町が全くしていなかったなどの問題があり、また工事を請け負った町内に営業所のあるといわれる駒ヶ根市内の建設業者についても、実は町内在住の従業員の自宅が営業所であったなどの疑問もでています。

 壬生町長は、経営企画課長時代から相談なしに自分勝手にことを運ぶとの批判の声が聞かれました。今回、予算査定を公開するといって、開かれた町政、町民目線をアピールしようとしているようですが、アリーナのフライングは、やっぱりねと思わせるものです。また子育て支援センターについてもなにか腑に落ちないところもあり、実質がなければ、公開、町民目線などと気楽に言ってもらいたくないですね。

 これらの事業が失敗しても町長や役場職員は責任を絶対に負いませんが、将来さまざまの負担や不利を背負うのは町民です。