更新:2018/03/31

釜沢で発破の騒音・震動テスト、3月28日

 3月28日、大鹿村の釜沢でリニアトンネル工事の発破が、集落でどんな騒音や震動がでるのかのテストがあったので行ってきました。


テストは、釜沢集会所で行われました。建物の向こう側に測定する機械が設置してありました。この写真はほぼ東を向いて撮ってあります。背後手前の山で現在作業用トンネルが掘削中。発破の行われたのは110m掘り進んだ作業用トンネルの先端。地図参照 ⇒ 釜沢集落付近の地図(JR東海、環境影響評価書の環境図より)


騒音を測る機械


震動を測る機械


測定結果を記録する装置。「日本油脂」なんて書いてありますね。調べたら日本油脂ではトンネル掘削に使う火薬を製造しています(日本油脂>化薬事業)。

 リニアについて調べているジャーナリストが数名と新聞では信濃毎日だけだったと思いますが取材に来ていました。⇒ 信毎の記事。⇒ ジャーナリスト樫田秀樹さんのブログ(2018/03/30 14:38)


テスト開始を静かにしてまっているところです。9時57分撮影。

 録音したので書き起こしてみました。時間は録音開始からの経過時間です。

 オルゴールが鳴り出して、集会所前の担当者が無線で発破現場に発破はしましたかと確認していましたから、担当者もあれっと思ったのかも知れません。実は私は爆音は全く聞き取れませんでした。参加した住民の中には聞こえたかたもいたようです。録音を聞き直したらともかく予定時刻に「カシャ」という音が採れていたのは確かです。タブレットの騒音計プログラムでは、静かにしているときは、42~44デシベル、オルゴールの音が69~71デシベル程度でした。JR東海が測定限界以下と説明しているのはそのとおりだと思います。

 ただし。

 鹿島の担当者は、今掘っているところは粘土で、機械ではがして掘っているが、堅い部分が少し残っていて、今回のテストでは、発破はその部分に仕掛けたと言っていましたから、爆薬は恐らく少量で、爆発の衝撃波が周囲の軟らかい粘土層で弱まってしまったでしょうから、こういう結果もあるはず。オルゴールの鳴り出す時間を避けなかったことも含め、JR東海さんにとって「甘め」の実験だったと思います。最後に掲載しておきますが、釜沢の住民の方は「去年年末に一回目の発破が行われた時、釜沢地区にものすごい振動があり、上の方に住む住民が山が崩れたかと思うほどの振動があった」と言っているので、なんかいかにもわざとらしい、また間の悪い感じのテストだったと思います。



実験後に集会所の中で説明会がありましが、地元住民以外は参加不可。周辺を見てあるきました。まあ不便と言えば不便なのですが、といって「豊かではない」とは言い切れないだろうなと思いました。

 釜沢集落は地滑りの結果できた土地です。相当長い間安定していて、人の暮らせる場所なのですが、山自体は変動しています。時間がたって山が高くなれば、また地滑りが起こる可能性はあります。大鹿村のハザードマップでは地滑り地域とされています。近くに住む釜沢生まれの住民の方は、ちょっとのことでもで地滑りが起きるのではと心配していました。住むにはいい所なので本当は工事はやって欲しくないと言っていました。これまでも簡単な水抜きなどの地滑り対策は行われてきたようです。こうやって、住民が小河内沢を挟んで対岸の作業トンネルの発破に心配するのは当然なのですが、リニアの本線のトンネルは集落のある山の中を通過するので、工事がそこまで進んだ時の方が危険性は増すのではないかと思いました。JR東海は付近5か所に地滑り計を設置したそうです。


集会所前の地滑り計


集会所の北東の地滑り計


集会所近くから。三正坊の残土仮置き場に囲いの塀が出来ていました。この仮置き場はまだ空いているようです。


これは、中川村の天竜川にかかる渡場の天竜橋から眺めた中央アルプス。大鹿からのトンネル残土を載せたダンプカーはこの橋の上を通る予定。


近くにある、南向(みなかた)発電所

◆       ◆       ◆

 FaceBook からひろった、住民の方たちの発破のテストについてのやり取りです。

Nobi Taniguchi
3月25日 10:46

 去年年末に一回目の発破が行われた時、釜沢地区にものすごい振動があり、上の方に住む住民が山が崩れたかと思うほどの振動があったと報告を受けました。

 その後、うちでは大きな雨漏りが始まり、風呂場のコンクリートが真っ二つに割れてしまった。 この後のJRとの懇談会で訴えたところ、 因果関係が…と案の定言われました。

 釜沢の集落はすべて地すべり地帯に指定されています。 発破の振動が地すべりにどれだけ影響するかはだれにもわかりません。だからこそ住民はそうとうな不安をもっています。しかしJR側はどうしても発破作業をやりたいということでこの騒音テストにいたりました

 時間のある方は実際に聞きに来て、感想を教えてもらえたらと思っています。村内でも地域分断が進み、釜沢地区の住民への負担がますます大きくなっています。現在の釜沢の実情を知ってもらうためにも、来れそうだったら来て、もし自分の家の地区だったらという視点で見てほしい

Midori Tohno
3月29日 13:02

昨日、釜沢にてリニア非常口発破掘削作業の騒音、振動の確認が行われた。昨年末以来の一回の発破作業で行われていなくて、以来の、住民も考慮して、ということだったが。前回30m位の掘削地点で、行われたが、かなりの揺れを感じ、私は、一時、地震と思ったくらいで、実際、地滑り地域であるこの集落に、地滑りを加速していく不安を拭えなかった。以後、機械掘削で、この日は、110m地点くらいで、この日の発破が行われた。火薬は3kg、前回と同じだそうだ。確かに距離が遠くなった分、振動、騒音は、体感できなかった。これは、きっと、場所によっても違うと思うのだが。数値データでしか判断できない人たちだ。これで良し、という雰囲気が漂っていた。

しかし、と私は思う。掘られていく現場の生態系にどう影響していくのか、そんなことは考えていないだろう。遠くになったから、聞こえないだけだろう集落に聞こえなきゃいいのか、揺れなきゃいいのか~

そして、今日、さっそく、発破作業が午前、午後2回、開始された。問題ないでしょと言わんばかり。

河本 明代

さっそく今日2回あったんだ。昨日と同じような騒音・振動でしたか?

Midori Tohno

昨日と同じく、という感じでした。装薬量 午前3.2kg、午後4.8㎏。午後は出かけてたのでわかりませんが。集落でどう感じるかということも大事かもしれないけど、実際現場に於いては、その測定量はもっと、すごいわけだよね。これからも距離が離れて行くということで、今後、連続的に行うことを思えば、増々、問題なしにされていく危惧感を持ちます。昨日は昨日のケースでしかなく、日々のケースは変わってくるように思います。当初、10年間、毎日なんて言ってたけど、そうなれば、騒音、振動だけの問題じゃない。その積み重ねが、どう影響していくのか。昨日の立会いは、また一つ、既成事実を作ったにしか過ぎないように思える。明日は朝8時30分の予定で発破作業するようです。これを機にいよいよ、って感じですね。しばらくは、夜間発破はしないようだけど。

Nobi Taniguchi
3月29日 21:45

昨日、大鹿村釜沢の発破テストは、正直すごく小さく聞こえました。

深さは約110メーター、火薬3㎏。

そしてさっそく本日発破作業開始しました。

2発ありました。
一発目は午前11時ごろ
二発目は午後5時ごろ

一発目は昨日のテストよりはるかにはっきりきこえました。場所は自宅。この時火薬は3.2㎏

二発目は自宅で音楽を聴いていましたが、はっきりボーンと感じました。 火薬はなんと4.8㎏!!!!

昨日のテストで失敗したのが、場所です

この地区はけっこうぼこぼこの斜面に家が乗ってるという場所なので、場所によって響き方が全然違うっていうことを提案しそこなってしまったことです

どうも、うちはかなり響く場所のようです。

今日ちょうど大鹿村リニア連絡協議会があったので、今日の大きさに関して抗議