更新:2018/05/24

中央道境川PAそばの残土置場

 山梨県笛吹市にリニア関連の残土の最大の埋立地があります。160万立米(m3)を埋めてあります。場所は中央自動車道境川PAの南側の2つの谷。現在は基本的に空き地で、一部をJR東海がリニア建設の資材置き場として使っているほか、近くのゴミの最終処分場の覆土の仮置場になっているようです。

 JR東海は建設残土は有用な建設資材と説明しています。しかし実際は実験線程度の残土の量でも社会的に使い切れる量ではなかったのです。つまり、リニアの建設残土は資材ではなく大半はゴミなのです。(関連:山梨実験線の社会的実験結果トンネル残土は伊那谷には置けない)

笛吹川の方から見たところ。左が東。

(撮影:2018/5/16)


左が東(上の写真に合わせて、航空写真の上下を逆にしてあります)
数字は番号のついた写真の撮影位置

東側の谷

[写真1] 東側の残土盛土の最下部
(写真1~9、撮影:2018/5/16)

[写真2]

[写真3] JR東海が資材置き場として使っている部分

[写真4] その上部は空き地

[写真5] さらにその上の段。左の森は諏訪神社。

[写真6] 諏訪神社の東側から高速道路の方向を見たところ。ここも空き地。

手前に谷の最上部が残っている。

西側の谷

[写真7] 西側の谷の最上部。ゴミ捨て禁止の立て看板が。

[写真8] ハウスのあるところは、東側と西側の埋立地の中間の尾根。
ガードマンはJR東海の資材置き場へ出入りする車のために立っているらしい。

[写真9] 西の埋立地も空き地

あてが外れた理由

 もとは2つの谷がありました。


地理院地図

 地理院地図に活断層図を重ねると。


(凡例)

 曽根丘陵側が上に、笛吹川側が下にずれる活断層が谷の出口を通っています。尾根になる部分では地表が断層のために撓(たわ)んでいます。

 開発期間の間の1995年1月に阪神大震災があって、山梨県は住宅地として売り出すことはしなかったようです。

参考
神戸新聞≫1995・1・17から1:埋もれた記憶 西宮・仁川の地滑り

(補足 2018/07/24) 西宮・仁川の災害は、斜面が崩壊して周辺の住宅地に被害を及ぼしました。崩れた斜面には浄水場の工事で生じた残土が積まれておりこの残土が崩壊したものです。盛土造成した場所に住宅があったわけではありません。もちろん谷や斜面に盛土で造成した土地に住宅を建てても危険です。当たり前ですね。

 現在、下條村の道の駅の下にリニアのトンネル残土を置く計画があります。金田村長が非常に乗り気(『信毎』2017年6月29日)で、土地は村が買い上げるそうです。下條村の場合も活断層が近くにあります。造成した土地は住宅や事業所の用地とすれば災害時に村の責任が出てきますから、常識的にいって、それ以外の用途で使うことになるでしょう。崩れても問題ない施設の用地としての利用に限られます。有効利用は難しい。


補足 2018/05/28

 ジャーナリスト樫田秀樹さんのブログに関連記事がありました。

リニア、山梨実験線の残土の有効利用率が9割だって?(2017/04/13)