更新:2019/04/04
NHKのあやふやニュース
次の写真は、喬木村堰下のリニアのガイドウェイ組立・保管ヤード予定地の様子です。
画面クリックで拡大。2019年2月4日に撮影。グリーンのネットはゴルフ練習場で、安全祈願祭はこの近くで行われたようです。拡大画像の中央、敷地の水田の背後には長野県飯田養郷学校があります。水田の土は掘り出してどこかに廃棄する計画。どこに捨てるのか? これは高森町下市田も水田なので同じです。JR東海は約8年間借用するだけで、ガイドウェイとして使用した後は、喬木村として計画があるようですが、約10年後の話です。どうなることやら分かりません。
4月3日夕方のNHKのラジオが次のようなニュースを流しました(『NHK長野』)。
リニア工事前に安全祈願 喬木村
8年後の開業を目指すリニア中央新幹線の工事が各地で進む中、喬木村では初めてとなる工事が、今月から始まるのを前に安全祈願式が行われました。
喬木村には、リニア中央新幹線の本線の工事に先立って、村内の5.5ヘクタールの土地に資材を作ったり、資材を保管したりする場所が造られることになっています。
この場所を造る準備のための工事が今月中旬から始まるのを前に、3日、村や、JR東海、それに建設会社の関係者など30人余りが集まって安全祈願式が行われました。
式では神社の神職が工事の予定地に塩をまいて清めたあと、出席した人たちが、土にくわを入れて工事の安全を祈りました。
この工事は、喬木村で行われるリニア関連工事としては初めてとなり、村やJR東海によりますと、排水の設備などを整えたあと、ことし秋以降に土砂を運び入れて造成を進めるということです。
喬木村の市瀬直史村長は「リニア中央新幹線の開通で多くの人に足を運んでもらうような地域作りをしていきたいです」と話していました。
ニュースの中で、「資材」といっているのは、「ガイドウェイ」です。ガイドウェイの組立・保管をする場所(ヤード)としては、他に高森町下市田があり、松川町の上片桐には予定したものの長野県の指摘によって設置を断念せざるを得ませんでした。ガイドウェイの組立・保管ヤードは、工事認可のあとになって必要だといいだした施設で、リニアの本体工事ではありません。
「資材を作ったり、資材を保管したりする場所」とぼやかしているのは、「喬木村で行われるリニア関連工事としては初めて」というためのものであって、事実を伝えるニュースとしては大変に疑問です。
長野県議選が現在論戦中です。ほとんどの候補が「リニアを見据えて」的なリニアへの夢を語っています。リニアの工事によっておきている被害に直接向き合っている候補は一人きりのように思えます。この候補の属する政党は、消費増税反対など、安倍政権に対して非常に厳しい批判的な態度をとっています。リニアの工事は遅れているし、非常に困難な問題も山積しています。リニアの工事が順調に進んでいると印象付けるためのフェイク報道と言えます。
リニアの先行きへの暗雲を感じ取れない、大多数の立候補者を支援するものであって、公共放送であるNHKが行うべきことではないと思います。第一に、「5W1H」を明確にするというニュース報道の大原則に照らしても落第です。
NHKの職員の方のために
- ウィキペディアによれば、「5W1Hは、一番重要なことを先頭にもってくるニュース記事を書くときの慣行である。欧米ではふつう「Five Ws」、「Five W's and One H」[1]、または略して単に「Six Ws」と呼ばれるが、日本では更に「1H」を足して「5W1H」(ご・ダブリュ・いち・エイチ)とし「六何の法則」とも呼ばれる。」
- 大辞林 第三版の解説は「物事を計画的に進める際、あるいは物事を正確に伝える際に用いられる確認事項。who(誰が)、what(何を)、when(いつ)、where(どこで)、why(どんな目的で)、how(どのように)。」。
補足:ほかの報道機関は
補足:2019/04/05
地元紙の『南信州』と『信毎』が記事を書いています。どちらも「施設」が一体何なのか具体的に書いています。NHKの報道の仕方の異常さが際立っています。
- 『南信州』4月4日16時02分:喬木村の堰下ガイドウェイ関連施設の安全祈願祭
- 『信毎』4月4日7時59分:リニア ガイドウェイヤード付帯工事 着工へ 本線除く関連施設で初 喬木