https://www.facebook.com/katsushi.hayashi.9/posts/2761725160620599

林 克

2月10日 14:31 ·

県と中下流域利水者との分断では?

今日は静岡県庁でリニア新幹線にかかる静岡県環境保全連絡会議、久々の開催です。中身的にも意義深いものがありましたが、少し枠組みについて本当に大丈夫か? という私の懸念を表明してみたいと思います。

ご承知の通り静岡県はJR東海と、リニア新幹線にかかる水・環境問題で1年半にわたって環境保全連絡会議を開催し、トンネル工事の湧水を全量大井川に戻せるのかなどの検討をしてきました。ところがそこに国が割って入ったので話が複雑に。

国、県、JR東海の三者で有識者会議を立ち上げて、湧水の全量戻しと中下流域への影響についての2つのテーマを検討すると国が発表して、県が会議の公開や県の委員を入れることなどを要請し、今細かい点で詰めが行われています。今回はその騒動の中で久々の県の組織の開催だったので注目を集めました。

国と県の検討がそれぞれで行われると確認出来てそれはよかったと思いますが、今回の検討で核心的な部分、水量問題と中下流問題が国の差配となることに危惧を感じます。なぜならば今までの県の交渉力は中下流域の自治体や利水者の声が結集していたので強かったといえるわけで、これが国が扱うとなれば目はそちらに向きます。うがった見方ですが、利水者の課題は国で、残りの環境課題は県でというと、わざわざそのテーマを選んで国が設置するのかなと思ってしまいます。自民党が、この時とばかり補償問題を取り上げて窓口を二つつくるのはさらに交渉力をそぐことになります。

残された課題=県の連絡会議で検討される課題は、環境問題が中心で、本来ならばエコパークとの絡みで静岡市が頑張らなければいけない課題ですが、田辺市長は早々と旗を降ろしてしまいました。

その一方今日の議論を聞いてい、突発湧水など全量戻しや中下流域の補償とも絡む問題も多く残されているので、そう簡単一直線ではないなと感じました。

https://www.facebook.com/katsushi.hayashi.9/posts/2761769363949512

林 克

2月10日 15:10 ·

明らかにおかしいJRの説明

長くなるので二つに分けて。今日の静岡県環境保全連絡会議でリニア新幹線にかかわって①突発湧水の対応、②発生土置き場の検討、③監視体制の構築などの論点が議論され、JRの説明でおかしいところはいっぱいありますが代表的ないくつかのポイントで報告します。

①なぜ千石非常口を上から掘るのか?

「畑薙山断層」の破砕帯を山梨側から掘る理由として、JRは「上から掘ったのでは湧水で水浸しになるから」と説明していましたが、今日は千石非常口をなぜ上から掘るのか、これまでの説明と矛盾していないかの意見が塩坂委員、難波副知事から出されました。千石非常口は大井川をまたいで掘り進んでいくが、ここは褶曲の背斜の断層でてきた谷に大井川が流れていると言っていい。しかも破砕帯が確認されている。ここを横切って掘るのは大量の湧水が出ることになるのでこれまでの説明と矛盾する。

②安易に考えている発生土置き場

南アルプスの自然条件が厳しいところに370万立米のトンネル工事に伴う発生土(東京ドーム3杯分)を、都市部と同じ基準で安全を確保したと言うのはいかがなものか。Jrは河川増水による流出は2%といつているが甘いのではないか。そもそも10年に一度の台風しか見込んでおらず、これから発生土を置き続けるのでありば50年に一度、100年に一度あるいはもっと大きな台風災害を想定すべきではないか。

③前提がおかしい大井川をせき止めるダム

燕沢付近の発生土置き場の疑問は、山体崩壊でダムができて水が止まってしまうのではないかということ。JR東海はこれまでのシミュレーションの焼き直しで影響はないと説明。ダムができて決壊しても下流には影響が少ないと。しかし塩坂委員や難波副知事からは、JRの前提では台風で増水した時しか想定していないが、これまでの南アルプスを見ると東海地震などを契機に山体崩壊が起きている。そういうシミレーションになっていないと指摘。

④中下流域の補償

最後のぶら下がりで難波副知事が自民党の中下流域の補償について記者に質問されて、

これまで県は中下流域の補償について次の点が重要とJRに要請してきた。

⑴いつまでに申請できるのか?

⑵期間30年では短い

⑶誰が証明するのか?

いずれもあの交渉の中では明らかになっていないのではないかと答えていた。まあJRは私企業だからいつまでもつづかず、永久には無理だろうなというのは私の感想。

最後のぶら下がりで森下部会長が「JR東海は静岡事務所で少人数で検討しているのではないかという回答。もっとまじめに答えてほしい」という意見。たいへんごもっともです。