更新:2020/07/06
「龍江の盛土を考える会」の学習会、7月3日
飯田市の龍江地区の清水沢川の中流にリニアのトンネル残土20万立米を埋め立てる計画の候補地があります。土石災害を心配する周辺の住民が数年前「龍江の盛土を考える会」を結成しています。
7月3日、「龍江の盛土を考える会」が会員対象に残土置場候補地の清水沢川流域の地質などに関する学習会を開きました。「龍江の盛土を考える会」は、3月19日に龍江地域づくり委員会に、安全性などの観点から候補地計画の取下げを求める要望書を提出しましたが、以降、進展はないようです。
学習会では、土木の仕事をされている会員の方の話を聞きました。清水沢川を、残土置き場候補地の上流、下流にわたり見分した結果としての話でした。話の主な項目は:
- 龍江の地形・地質の概要
- 土石流危険渓流とは
- 龍江の災害の記録から
- 清水沢の状況
- 盛土の造成例
- 龍江小学校4年生の総合学習「明日に伝える三六災害」から
候補地より下流部分の清水沢川には以下の問題点があると話されました:
- 計画的に管理されておらず治水安全度は低い
- いつ崩れてもおかしくない護岸が多く存在する
- 道路下の函渠(コンクリート製の四角い構造物)の断面積が今後の集中豪雨に対応できるか再検討が必要。特に中原(地名)の函渠は疑問
- 三遠南信道路の路面排水が清水沢川に落とされているので、実際の集水面積は増える
- 屈曲した狭窄部が多く災害が増幅される
- 現状で大災害は発生していないが、上流の環境が変われば災害が誘発される
盛土造成の例としては、一つは、川や水路がない谷に埋めた例として、最初、コンクリートの瓦礫をふくむ建設残土を埋めた(規制がなかった頃)上に、粘度質の建設残土を置いたところ、崩落が続いている。粒の揃った土は崩れやすいとの話でした。
今回の盛土計画については:
- 関係者のかかわり方があいまいである
- すべてに公平にまとめて動いている人がいない
- 川をどうするのか、支流をどうするかの視点がない
- 盛土した川に工場を建てる人はいない(利活用は難しい)
想定外ということに備え地域が協力することが必要であり、防災の考え方に逆行するようなことはしない方が良いとのことでした。