2021年3月10日 飯田市議会 後藤市議壮一議員のリニア関連の一般質問・要旨

(後藤市議)高校の文化祭でリニアモーターカーの模型を作って展示した。そのころからリニアモーターカーというのは、効率が悪いのでそれが課題だと思っていた。地上のコイルと本体との間隔が今のリニアモーターカーは10㎝あるということは、効率の悪さは改善できていないと思う。電力の過大な使用があり、これからの環境には悪い影響があると思っている。そういったこともあり、リニアに対する私のスタンスは、このリニアは凍結を求めるものである。工事は遅れているものの一定の進捗もあって、それに対する現実の対応として、市民にとって環境を壊さず、安全で負担もなく市民の暮らしに役に立つ存在になるようにしていくようにしてもらいたい。

コロナ以降の駅周辺整備について

コロナ以降の利用客数はビジネス、観光、私用等が当初の想定より減少すると考える。それに応じた各広場の活用の想定について説明を求める。目的別の乗降客数を答えていただいた。6800人の内訳だが、観光が3600人、ビジネスが2000人、私用が1200人という答えだった。コロナで観光が減ってコロナ後の予測を問う。ビジネスも、テレワークでリモートが進みコロナ後もそういった働き方になるのではと思う。周辺整備で広場が何か所もあるが、乗降客数の想定から活用の想定をお聞きしたい。

(細田リニア推進部長)コロナの影響で新幹線の乗降客数が減少しているという報道があることは承知している。人の移動が少なくなり、リモートワークやテレワークが普及してきている現状があることも事実だと認識している。その一方で、コロナにおいては社会的価値観が変容してくるといわれており、むしろ顔と顔を突き合わせた関係、フェースツーフェースコミュニケーションという言葉があるが、そういったことの重要性が再認識されたという意見があることもご承知おきかと思う。 そういった意義を考えると、現地に足を運んで実体験として、あるいは感覚として、しっかり受け止める、あるいは、顔と顔を突合せ対面で議論し合い理解をし合うことの大切さが浮き彫りになって来る機会にもなり得るのではなかろうかと考える。このようにかんがえるとリニア新幹線の意義が高まることにもつながるのではないか、そういった可能性も十分にあるのではないかと考えている。コロナの収束を見通せる状況にはないが、現時点ではリニアの予想乗降客数を変更する状況にはないと考えている。ただし駐車場と広場については、防災上の拠点にも活用したり、いろんな多面的な利用を想定していきたいと考える。駅周辺整備については、新たな交通、あるいは次世代のモビリティの対応、こういったものについて、あるいは、地域のコミュニティのためといったそういった面にも配慮して計画している。次世代のモビリティ等、技術革新の著しい分野においては、状況がどんどんかわることも想定されおり、またアフターコロナ、ウィズコロナの社会状況もなかなか見通せない中だが、そういった状況の変化を十分に見据えつつ柔軟に対応する必要があると考えている。いったん整備したらそれでおわりということではなくて、その後もフレキシブルに対応できるようなリニア駅周辺整備を目指して行きたいと考える。

(後藤市議)リモートやテレワークも進むが、対面での対話も重視したいというようなお話だった。広場の用途だが、防災やコミュニティに使いたいと以前から言っているが、5カ所も必要なのかということ、6800人の想定について今後変わるのか変わらないのかという点が今の説明でははっきりしていない再度回答を求める。

(細田リニア推進部長)6800人の数値についてあらためて説明する。これについては長野県の新総合交通状況…(不明瞭な発話で聞き取れず)のなかで、リニア中央新幹線の長野県駅を利用する乗降客数と言うことで想定されている数字を引用している形になります。具体的には飯田市のほうとJR東海のほうでも独特、個別に試算して、飯田市では6900人、あるいはJR東海のほうでは7000人という数字があるなかで、6800人という数字は非常に近似しているということのなかで選ばせていただいた。環境の変化というものは常々おこっており、当然いろいろな形を考えていかなくてはならない。あるいは、とくに、大阪の開業を見据える中では、そういった形のことについても考えていかなければならないし、あるいは、いまにしても、コロナに伴ういわゆる社会的価値観の変容は非常に大きな部分を擁する‥をもっている。そんな中で、とのーまー、そういったものを踏まえる中で、今後実施計画をしっかり詰めていく形になることになるわけだが、そういった具体的ななかでどういった対応をしていくかはなかなか見通せるなかでないなかで、いわゆるさきほど申し上げたように柔軟に対応することそういった体制を整えておくことがなにより重要だと考えている。 そういったフレキシビリティといいますかそういったものを備えた計画にすることが肝要だと考えている。繰り返しになるが、今の段階で乗降利用客数の想定をもう一度検証するというかたちではありませんが状況に応じてそういったフレキシビリティ考える中で考えて行きたいと考えております。

(後藤市議) 柔軟に対応するなら、最初から柔軟に対応できるような形に、私はすべきだと思う。だから、6.5ヘクタールについて、最初から見直す必要はあると考える。大阪までの開業を想定しているという話だが、それは十何年、20年とそれくらい先の話なので、そのころにはどうなるのか分からないと思うので、それじゃなくて現実にどうなのかの対応をすべきと思う。そこらの点でわたしとは食い違うのかと思う。

 次に各広場の維持費に関して。乗降客数に応じて維持費が変化して行くと思うので、6800人の見直しというのは、必要だと思う。今の維持費の考え方がどうなっているか聞きたい。

(細田リニア推進部長)維持管理費については、実はリニア駅周辺整備の概算事業費を示すときにあわせて議会側に既に報告した。その説明のさいに、全体で1年間に、平均として6500万円と示した。そのうち施設に関するものについては約5000万円、そして残りは、例えば植栽等の管理といったそういった施設の広場そのものの維持管理費として見込んでいるものである。基本設計においては、さきほどいったように、地域のコミュニティの利用とかも想定する形の中で、出会いや交流の場としても活用しつつ、あるいは混雑時には駐車場としても活用できることを基本設計では想定している。さきほどらいもうしあげているように今後のいろいろな社会的価値観の変化にともない広場については現段階では想定しえない使い方も当然考えられるわけで、そういったものに対して柔軟に対応できるようなシステムにしてもらいたいということを考えている。いずれにしても、さまざまな用途で常に利用されてにぎあう駅となるよう民間のノウハウの活用、あるいは導入等も含めて考え合わせて、実施設計で検討を重ねていきたいと思う。

(後藤市議)各広場の維持費についてだが、施設、広場あわせて6500万円というのは市民の負担になる。こういった負担を極力なくしていくことをお願いしたい。これがのちのち将来負担が増えていく可能性が高いので、そのへんの考え方をどうしていくのか。ちょっとねえ、あたりまえにね、6500万使うというのは考えてもらいたい。その点をどう考えているのか。

(細田リニア推進部長)けっしてあたりまえになどとは考えていない。こうした時勢のなか、行政としても市政運営のために、一つの事業に対してなるべく効率の良いものを追及するのは当然で、リニアのような大きな事業に関してそういう視点を持ち続けるべくという指摘は重要だと思う。その点は議員と同意見と思う。しかし、6500万円についてまるまる市の税金でまかなって行こうと考えているわけではなく、民間のノウハウを活用する中でそういった負担が少なくなるような方向を考えていきたい。(最後のコメントは不明瞭で聞き取れない)。

(後藤市議)駐車場の台数の想定について。自家用車の使用がコロナの影響で増えるとの予想がある。どうでしょうか。駅利用以外で180台入るとの説明があった。そういった点を今どう考えているのか。

(細田リニア推進部長)コロナの影響を勘案しても利用者の予想数は変更は想定していないと話した通りだが、ただし当然ながら、都市計画決定の際に示した考え方等々を踏まえて、根拠に基づいて台数ははじき出している。ただし、繰り返しになるが、コロナの影響をはじめとするいろいろなことの想定の変化は見込まれ、加えて、仮に、駐車場が増えたらどうするのか、その反対にモビリティの進化によって、もしかしたら台数が減ってくるのではないかというような想定もあり、そういったものをどういうふうに的確に捉えるかということはこれからの議論だろうと思います。そういったことも十分踏まえる中で、ただ実際にはそれを確定することがなかなか難しいのではないだろうかと、今後の時代そういったものをなかなか確定してきっちり作り込んでしまうことはなかなか難しいことを考えれば、むしろ、さきほどらい申しているように、柔軟性をもった、余裕をもった作り方をして行くことが、これからの駅の作り方には求められるのではないかいと考える。そうした社会的状況の変化や価値観の変容等踏まえた上で、しっかり対応したいと思う。

(後藤市議)DXとかあり、これから先かなりデジタル化は進むと思う。好むと好まざるとに関わらず、技術革新というのか、増えていくと思うので、10年先の見通しなんてここでは建てられないと思うので、そういうことも踏まえた駅周辺整備の実施設計にあたってもらいたいと思っている。市民の負担が本当に少ない、無い、そういった設計にされるのが、現実的にはお願いしたい。

 飯田市内の残土置場について。昨年の9月議会でも質問した。その後この件が進展していいて、進展に従って改めて聞きたい。住民の皆さんの中で危険なので反対という声がここへ来て上がりだしました。市としてその認識はあるか?

(細田リニア推進部長)建設発生土、議員の方では残土をおっしゃっていますが、その関係についてのご質問です。JR東海におきましては、すでに議会でもご説明申し上げていますが、飯田市内に置きましては下久堅地区ならびに龍江地区の2か所で発生土置き場の候補地として検討を進めている。下久堅地区については、昨年末に地権者そして下流域も含めた関係者を対象に工事説明会を開催した。龍江地区については、発生土置き場としての可能性の検討に必要となる調査の実施について地元と調整をしている。なお、龍江地域においては、昨年、地元の有志の方々により「龍江の盛土を考える会」が発足され、これまで数回に渡りまして講師を招き勉強会を開催されたり、そうした勉強会を続けられていく考えであると聞いている。危険なので反対といった声があがっていることについて、どういった認識かという問いだが、そのなかでいろいろな議論が出ていると承知しているが、勉強会の意見として承知しているところである。

(後藤市議)盛土を考える会の皆さんの中で、危険なので反対という声が今一致してきているというふうに認識している。是非その声を尊重すべきと思うがどうか?

(細田リニア推進部長)下久堅地区と龍江地区も合わせて、発生土置き場の候補地に関しては、地元地域と相談する中で候補地を提案いただき、そしてその候補地を市から県を通じてJR東海に情報提供をさせていただいた。それを踏まえJR東海が活用先として適当かどうか検討し、そのうえで地元と協議を進めている状況である。地元においては、そういうことを踏まえると、建設発生土を上手く活用して地域振興を進めることができないかという観点で検討してきていると認識している。龍江地区においても、町づくり委員会を中心にこうした観点からの検討が進められてきたと認識している。そういうふうに考えると、市としてはまずは地元でしっかり時間をかけて多様な観点から話し合うことがまずは重要と考える。そのうえで地域としての考えをまとめていただくことになろうかと思うが、助言等、お手伝いができることがあれば市としては積極的に対応して行きたいと考えている。

(後藤市議)地域として議論して結論を出していただくという風に受け止めた。是非その声を尊重してもらって、その結果はJR東海に対して、市として結果を、尊重してJR東海に求めるものとして考えてよいか?

(細田リニア推進部長)建設発生土の置場に関しては、当然、地権者をはじめ、下流域を含めた皆さま、そういった関係者の皆様のご理解が大前提であり重要であると市として認識している。今までの説明会でもこうした関係者の皆様に対しまして、丁寧な説明をし、いただいたご意見やご要望につきましては、それを計画に反映するようJR東海に伝えてまいりましたし、安全対策を十分に施した造成計画になるように求めてきているところだ。いずれにしても、JR東海には、関係者の意見をしっかり聞いて対応いただくようお願いを重ねているところだ。地元にさまざまなご意見があることから、市としてもそういった意見をしっかりお聞きしJR東海にしっかり伝えて行きたいと思う。

(後藤市議)そうしましたら、地権者はじめ、下流域の皆さん、関係者の皆さんが結論を出したといった時点で、市としてきちんとJR東海に、その声を反映するように求めていくというふうに受け止めてよいか?

(細田リニア推進部長)地元としていろいろ判断をしていただく、もちろんその結果についてはJR東海に伝えていくし、あるいは、議員が話されたように、その地元としてのお考えをまとめていくプロセスにおいて、いろいろなお話があれば、その内容についても伝えてしっかり議論していただけるような環境を整えていきたいと思います。

(後藤市議)ぜひ市として関係者の皆さんの立場に立って、JR東海と対応していっていただくようにお願いをしたい。

 上郷黒田の地下をトンネルが通るという件について。地上への影響はないと言われてきた大深度地下工事の前提が、東京都調布市の東京外郭環状道路、外環道のトンネル工事のルート上に発生した陥没など巡って東日本高速道路、ネクスコ東日本の有識者委員会が工事の影響をこの陥没に対して認めたとの報道があった。そのことから、上郷黒田の大深度地下を通る本線についても地上に工事の影響の可能性が出てきたというふうに思う。JR東海は地権者に、いわゆる地上の地権者に、説明をする責任があるというふうに考えるが、飯田市としての認識はどうか?

(細田リニア推進部長)議員から指摘のネクスコ東日本が進めている外環道の工事において昨年10月に地下トンネルルート上にある東京都調布市の市道が陥没し地下に空洞が見つかったとする報道については承知している。議員指摘のとおり、ネクスコ東日本の有識者委員会においては、トンネルを掘るシールド工事が要因の一つとする報告書が提出したという、その説明の詳細については、特殊な地盤においてシールド工事を行うと複合的な要因が重なったとの説明と聞いている。リニアに関連しては、風越山トンネルの上郷北条地区から黒田非常口までの間については現在シールド工法でのトンネル掘削が予定されている。またJR東海においては、現在その方向で工事契約にむけて手続等行っていと聞いている。ただし、工事開始前には、議員の話されたように、すいった心配がある以上、関係地区の皆さんに工事説明会のさいにしっかりと、大深度トンネルとなる地区の皆様へ、この件について説明をすることは当然求めるべきで、市としてもJR東海に対してしっかり求めていきたいと思う。

(後藤市議)測量して、誰の土地へ、地下のトンネルが通るのか、もうすでに分かっていると思いますから、ぜひとも地権者の皆さんには説明をお願いしたいと思います。

 新型コロナの影響や、リニア工事の進ちょく遅延などから、リニア計画の必要性について、以前にも聞いたが、再度聞く。ひとつとして、コロナ以後も利用者数の現象が見込まれる。採算性などからリニアそのものの必要性が今問われている。市長の考えを聞きたい。

(佐藤市長)コロナ下で人の移動が制限され新幹線や飛行機の利用者が減少していることはその通りと思う。一方そもそもリニア中央新幹線の計画というのは老朽化が進む東海道新幹線を代替しうる交通体系の二重系化をはかるという意味合いもあったと理解している。そういったことも含め、事業主体であるJR東海が判断されることかと思う。私としては、都市圏との時間的距離というこの地域のハンディキャップを解消する交通インフラとして整備が期待する立場である。

(後藤市議)東海道新幹線の代替線という位置づけは、ちょっと違うのかなと思う。東海道新幹線はリニューアルしたりして長期に使えるようにやっているようなので、それは当たらないと思う。是非これは考えを改めてもらいたい。

 飯田市は2027年開業ありきで駅周辺整備を進める方針を堅持しているというふうに、さまざまのところで聞いている。静岡県の大井川の問題もあるが、全体に遅延していると私は認識している。例えば中央アルプストンネルの松川工区とかはまだ着工に至っていない。また各地でトンネルなどの土砂崩落があったりして遅れている。こういう状況で2027年ありきで影木周辺整備を進めるべきではないと思う。市財政の負担やコロナでの対策の負担を考えると、リニア関連は不要不急な事業にはいると思う。どうか?

(佐藤市長)全体のスケジュールの遅れが避けられないということはJR東海のほうでも言及しているが、一方で県内の工事についてはスピードを緩めることなく進めるということなので、それに遅れることがないように沿線自治体としてなすべき事業を着実に進めていくというふうに考えている。財政負担については、しっかり考えて、進めたいと思います。

(後藤市議)しっかり考えて進めると言うことなので、進め方を弱めるわけではない。ちょっとね、財調も枯渇してきているような雰囲気だし、ぜひ市民の負担にならないようにしていってもらいたい。そして、本当に必要な、福祉だとかコロナ対策、そういったほうにお金を回さないようなやり方はしないようなふうにお願いしたいと思う。バランスを考えてこの周辺整備を考えて行ってもらいたいと思う。だから、JR東海は2027年は無理だという説明を今しているので、飯田市もせめてそれに併せた進め方を考えて言ってもらいたいと思う。どうか?

(佐藤市長)さきほど申した通り、県内工事についてはスケジュールにそって進めていくと言うことですので、それに合わせて、いろいろな工事、事業を進めていくということは沿線自治体として果たすべきことではないかと思うので、そのスケジュールが飯田市だけが遅れるということがないようにしていきたいと思う。

(後藤市議)事業としては、JR東海は東京名古屋間の開業を目指すと思う。だから長野県だけが進んでいっても意味がないと思うから、ぜひこれは考え直していただきたい。

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