更新:2021/07/02

残土のストックは?

 7月から、高森町下市田の、あるときは「リニアのガイドウェイ組立・保管ヤード」、またあるときは「高森町下市田産業用地整備事業」、しかしてその正体は「トンネル残土の最終処分場」への残土の搬入がはじまるというので、出荷元の小渋川斜坑ヤードそばの残土仮置き場(E)にどれぐらいストックがあるか見てきました。5月頃より少し増えているように見えます。6月24日の大鹿村リニア連絡協議会でJR東海さんから説明があったようにトンネルを掘っている山の地質の状況が若干良くなったのだろうと思います。

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[ 仮置き場全景 ] 左の緑色のシートがかぶせてあるのは有害物質が検出された残土(要対策土)。全景写真では、ずいぶん多量に見えますが、カメラの位置の関係です。要対策土の置き場の方がカメラに近いです。

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小渋川斜坑ヤードわきの小渋川のようす。河川敷内でなにか作業が行われていました。

中電の送電鉄塔工事

 少し時間があったので、中電の送電鉄塔の工事のようすがどうなっているか見てきました。下の写真は、青木川の右岸の引の田から見たところ。木が切られて山の地肌が見えている2か所が鉄塔の場所。鉄塔の建つ尾根の右には観音ナギと呼ばれる崩壊地があり、全体に地盤が悪い場所との指摘があります。景観を損ねるのは間違いないですね。

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木の間沢でボーリング調査

 大沢から下ろうと南に車を走らせている途中、木の間沢で調査中の車が止まっていました。

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 石油発動機のような独特の音がするので谷底を林をとおして覗き込んでみるとブルーシートが見えました。おそらく、ボーリング調査をしているのだろうと思いました。この場所はまだ認可以前にボーリング調査をした場所のすぐそばです。その時のボーリングは地中でパイプが曲がって上手くいかなかったと聞いています。リニアの伊那山地トンネルはだいたいこの場所の地下を通るはずです。

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以前ボーリングが行われた場所(2013年8月撮影)。画面左下の杭の位置。明るく見えているところに道路があり、上の写真を撮影した場所は道路から。

青木川の護岸工事

 青木川では、昨年の災害を受けた護岸の復旧工事が行われています。リニアの工事よりやるべき工事はいくらでもあります。

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小渋橋

 リニアと関係ないですが、小渋川橋の修繕が終わっていました。以前は伊那谷各地にあった、コンクリート製のアーチ橋です。もうほとんど残っていないと思います。

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小渋橋と赤石岳

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小渋橋の上から上流を見る。リニアの工事車両用の迂回路の仮橋1が見えています。その左に茶色っぽい残土が積んであるのが見えます。小型のダンプで青木のほうから運んでいるようでした。

高森町では

 一方、高森町の方では、まだ受入れの準備ができていないようです。7月からといっても、何日からとはいっていないので、まあそれはそうですが。それでは、近隣の住民の側としては迷惑です。こいう周辺の住民への配慮は、いつもずいぶん悪くいわれているJR東海さんのほうがよほど丁寧です。

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この道路(町道7290号線)を1日最大150~200台(往復で300~400台)のダンプカーが通る予定。矢印の横断側溝は今年3月に終わった道路改良で新たに設置されました。事前の説明はありませんでした。この側溝を車が通るたびにバタンバタンという大きな音がします。大型車の場合は振動も発生します。現状でも、工業団地への大型車両が既に走っており、数は少ないけれど夜中も走るので、道路わきの家の方は夜寝れないといっています。造成工事の説明会で住民から何とかするよう要望が出されましたが、何も改善する様子がありません。また、改良区間で2か所に横断歩道を設置するよう要望もありましたが、死亡事故もあったし、小学生の通学路でもあるのに、この要望は10年以上前から出ていますが、役場のやる気のない姿には呆れます。(関連:"残土運搬道路の騒音振動"、"下市田ガイドウェイヤード説明会、6月7日")

(2021/07/02 13:02 補足) たまたま行き会った役場の担当者に聞いたところによると、写真の横断側溝、この1か所については地下化する工事をするとのことで、残土の搬入はそれ以降になるとのことでした。しかし、横断歩道については、公安員会との関係でなかなか難しいという、いつもの話でした。千葉であった事故現場の道路の安全対策については、ずっと以前から地元の要望があったのに、何の対策もされてこなかったといわれます。公安員会の判断よりは地域の住民の判断の方が正しかったのだと思います。

どちらもあえてやらんたって良いもの

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最初は、道路の左側で造成工事が行われる予定。道路の右側も造成の予定です。運び込まれた残土はすぐに敷き固めるとの説明なので、ローラーなど準備されていて良いはずなのに何も準備されていません。中央に草の生えた盛土は、すきとった水田の表土で別の場所に移動する予定。画面奥右の砂山は生コンプラントの資材置き場で、リニアとは直接は関係ありません。

 トンネル残土は、注文いただければすぐにお届けできますよというようなものじゃありません。トンネル工事は山の地質によって常に計画どうりに進むものではないです。そういうところから出てくる、あてにならない材料をあてにできる公共事業というのは、本質的にやらなくてもよい公共事業である可能性が高い。今頃気が付きました。トンネル発生土は、有用な建設資材なので公共事業で有効活用するというのは、良いアイデアのように思いがちですが、リニアもその副産物を活用するという公共事業も、どちらもあえてやらんたって良いものということですね。