「リニア新幹線を考える静岡県民ネットワーク」に静岡の林克さんが投稿したコメント。
「リニア新幹線を考える静岡県民ネットワーク」より
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あえて釘刺す
リニア新幹線工事の水減少問題についての、国有識者会議の中間報告が年末に確定した。「工事で生じる湧水を大井川に戻せば、中下流の流量維持は可能」とうたった。「工事中の湧水を全量戻す」というのは、この7年間の静岡県の主張であり、それが満たされれば「影響ない」としたものだが、不思議なことにその戻し方は確定しなかった。しかも念入りに水の戻しは工事中も含めることも言っている。
戻し方を中心とする議論は、サッカーで言えばアウェイの国交省からホームの静岡県に移ることになって、俄然静岡県が有利に議論を進められると考えるがどうだろうか?中間報告採択時に難波副知事が「JRの対応が改善されて前に進める段階になった」と評価し、川勝知事が「膠着というよりも前進になる」と評価した所以だ。
これまで有識者会議をめぐって、国の静岡県に対する対応はひどいものだった。会議は非公開、県が推薦した委員ははねのける、座長の恣意的な取りまとめも問題となった。昨年の4月に中間報告案が出されたときに、静岡県は要望からして9割の不満を申し立てた。
しかし今回採択された中間報告はある意味妥協の産物。当初国交省はJR東海に有利なものを押し込みたい腹だったのだろうが、6月の静岡県知事選で圧倒的な民意が示されたことによって常識的な範囲にまとまったのだろう。民意って大きいですね。
それでも事務方がまとめた中間報告には、恣意的な部分はそこかしこにある。今回の県の専門部会委員からの意見は、それに対して「ここは納得していないぞ」の意思表示になると思う。「トンネル湧水の全量を大井川に戻すこと」について、「結論を得ていない」というのは中心的なひとくさりだが、「地質的なデータ提出がなく、ボーリングをしていない」というのは、そもそもJR東海の湧水の算出方法が間違っているとかなり根本的だ。
ぜひ県民のため国民のために県の専門部会でこれらの問題、特に戻し方の結論が出なければ県民は工事着工に関してけっして納得しないだろう。
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