出来事・ニュース:2022年2月

3月の予定、18日 長野県盛り土条例案への意見募集の締め切り日。 ⇒ 詳細は:長野県 > "「長野県盛土等による土砂災害の防止に関する条例(仮称)骨子(案)」に対するご意見を募集します"

3月の予定、10日 ストップ・リニア!訴訟の第22回口頭弁論(東京地方裁判所)。 詳細は: ⇒ ストップ・リニア!訴訟の第22回口頭弁論(東京地裁)、3月10日(飯田リニア通信)


2月28日(a) 東京地方裁判所が外環道の一部区間について工事差し止めを命じる決定(『NHK NEWS WEB』"外環道トンネル工事 一部区間の工事中止命じる決定 東京地裁"、『毎日』"外環道、一部工事差し止め 「生命に具体的危険の恐れ」 東京地裁決定"、『日経』"外環道工事、一部差し止め 陥没事故巡り東京地裁決定")。

2月27日(a) 『赤旗・日曜版』(2月27日号1面・6面)が東京・調布市内で陥没事故の起きた(2020年10月)について、陥没を起こした工事は、高速道路株式会社法と大深度地下法に違反したものであったと報道。陥没事故を起こした東京外かく環状道路事業が、違法だった疑いが浮上しました。高速道路会社の事業範囲は高速道路会社法で決まっています。事故現場は中日本高速の事業範囲。ところが実際に工事を発注していたのは東日本高速。法的裏付けのないまま工事を強行していました。(日曜版の広告より)。整備新幹線などで従来行われてきた30m以深のトンネルについては手続きをしないこと(所有者の承諾を得ず掘削する)は、民法で規定のある土地の所有権を侵害するものだと思います。道路工事にしても鉄道工事にしても国交省が関連する大きな事業では違法は当たり前、赤信号みんなで渡ればという調子で行われているのかなという気がします。

2月26日(c) 『静岡新聞』"リニア水問題「JRの考えと根本的違い」 難波副知事が答弁"。環境や地域社会への価値の置き方に根本的な違いがある…県は経済と環境の両方に価値を置き、その両立を目指す。JR東海は経済的価値に重きを置き、環境は配慮すれば良い事項と考えているように思える

2月26日(b) 『静岡新聞』"リニア 国土交通省専門家会議 実名化議事録⑬"。

2月26日(a) 『中日』"リニア崩落事故、岐阜県が意見書 JR東海に提出"。 …現場の判断で作業のやり方が変更され、一部で強度を保つボルトが天井に打たれていなかった点を挙げ「極めて問題」と指摘…県は、中断中のトンネル工事について、JR側の対応と報告に加え、沿線地域への説明が終わるまで工事を再開しないことも要望した 意見書は:⇒ "中央新幹線瀬戸トンネル新設工事事故に関する知事意見書"

2月25日(c) 『FNN』"住民反対で“空き家”解体中止 東京・調布 外環道路陥没問題"、『日テレNEWS』"外環道の道路陥没 空き家解体予定も住民が抗議し中断 調布市"。

2月25日(b) 『首都圏 NEWS WEB』"地下トンネル工事で緩んだ地盤補修へ住宅の解体工事開始 調布"。

2月25日(a) 『毎日新聞』"この国はどこへ コロナの時代に 「どうでもいい仕事」見直す時 大阪府立大教授・酒井隆史さん 56歳"。たぶん「どうでもよい仕事」こそが重要だと考える人たちにとってはリニアみたいなものが必要なはず。リニアとは直接関係ないですが、この記事についての極細かい点に関連して、"【N3文法】~というもの/~なるもの"(毎日のんびり日本語教師)、"言文一致"(コトバンク)。酒井隆史さんはデイヴィッド・グレーバー著『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』(岩波書店、2020年7月)の翻訳者の1人で『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』(講談社現代新書)という著書があるようです。

2月24日(b) 『南信州』1面 "座光寺スマートIC 計画交通量上回る推移 開通から1年「効果出ている」(web版)"。「リニアを見据えて」昨年3月に供用が始まった中央高速自動車道の座光寺スマートインターが予想を上回る台数の車が利用しているそうです。リニアはまだできていないのに。もともと、飯田市の中心部から中央道にのるには伊賀良にある飯田インターか松川インター(松川町)で飯田市の中心部からかなり離れたところでした。リニアに関係なく必要なのに設置してこなかったといえると思います。

2月24日(a) 『南信州』2面 "リニア天竜川工区 村民対象、3月に開催 JR東海 高架区間の工事説明会"。JR東海は阿島北地区の住民(3月18日、阿島北コミュニティ消防センター)と全村民対象(20日、福祉センター)に、コロナで延期されていた、喬木村のリニアの高架区間(約450m)についての工事説明会をする。記事では用地の取得が完了したかどうか書いていない。

2月23日(f) 『東京新聞』"被害者連絡会が住宅解体の延期を求める 調布陥没"。外環道工事による調布市内の陥没事故で地盤改良のために立ち退き対象になっている住宅の解体工事について被害者連絡会が延期を求める。関連:「外環被害住民連絡会・調布」が「家屋解体工事について声明文

2月23日(e) 『静岡新聞』"静岡県知事、空港新駅「取引材料にならず」 トンネル工事の水問題で認識【大井川とリニア】"。…大井川の水問題を巡り、川勝平太知事は22日の定例記者会見で、県がJR東海に要望していた東海道新幹線の静岡空港新駅の設置について「(水問題の)取引材料とは到底言えない」とする認識を示した。

2月23日(d) 『中日』11面 "十六銀とJR貨物 協定 物流サービス 企業に紹介"。

2月23日(c) 『中日』17面 "ローカル線存続に黄信号 過疎化にコロナ禍が拍車 JR6社、私鉄大手も赤字に"。

2月23日(b) 『南信州』1面 "三遠南信道 青崩峠の掘削78%に 地域経済開発協議会 説明会で全通後を展望"。

2月23日(a) 県議会で改革・創造みらいの小林東一郎議員の質問に、長野県は6月議会に提出予定の盛り土条例案について、リニアの工事残土についても条例を適用すると答える(『信毎』1面 "リニア残土も県審査対象 盛り土条例案 6月定例会までに提出")。記事によれば、ただし、県側はリニアの残土盛土について砂防法や河川法などが適用される場合はその法令に基づいて審査されると答えたようです。とすれば、リニア残土は場所によっては、例えば龍江地区の清水沢川への谷埋め盛土などは、「より厳しいかも知れない新たな条例」は適用されないということになりませんか? 豊丘村の本山(130万㎥)では、保安林指定の解除申請にあたって、JR東海は、計画地内の複数の断層について、存在を認識していたのに、説明をしておらず、安全を第一に考えるなら、既に工事が始まっているリニア関連の盛土についても、他の法令に関係なく対象にすべきだと思います。そうしないと、とびぬけて大規模で、しかも危険な場所に造成される(造成中の)リニアの残土盛土が対象にならない可能性があります。また、「基準値を『下回る』重金属が検出された」トンネル残土が使われた結果、将来起こり得る環境汚染についての心配が反映されているかどうかという点も大事だと思います。

2月22日(c) 『中日』27面 "「盛り土は別業者」責任否定 熱海土石流元土地所有者 「私は申請者」行政を批判 遺族「保身の言葉ばかり」"。

2月22日(b) 『南信州』2面 "知事の許可必要、罰則も 県が意見公募 盛り土条例骨子案示す"。 ⇒ 意見公募は3月18日まで、詳細は:長野県 > "「長野県盛土等による土砂災害の防止に関する条例(仮称)骨子(案)」に対するご意見を募集します"

2月22日(a) 『赤旗』"ローカル線廃止ノー 中国5県 共産党がJR問題学習会"

2月21日(a) 『赤旗』11面 "列島各地から:JR九州 さらに29駅無人化 障害者ら「移動の自由」奪わないで"

2月20日(c) 『南信州』1面 "3月8日 リニア開通と南信経済 飯田信用金庫が講演会"。

2月20日(b) 9日~19日の『静岡新聞』の記事から:

2月20日(a) 少し前の記事:『日経』17日 "JR東海「新幹線減便せず」 ダイヤ改正に市場の支持"。見出しは見出しとて、記事は、JR東海株には景気の低迷に加えて、固有の潜在リスクが表面化してくる。東京・品川―名古屋間で27年開業を予定してきたリニア中央新幹線だ…少なくとも新型コロナ禍前の往来が回復しないようなら、リニアが今の新幹線と同様に多くの空席を抱えたまま走るリスクが視野に入る。リニアは南アルプスを通る静岡県内の工区をめぐり、水資源の保護を理由に川勝平太知事が反対しており開業の遅れは避けられない。「長期的な事業計画であり、JR東海の株価にはまだ織り込まれていない」(東海東京調査センターの金井健司アナリスト)という。

2月19日(f) 『南信州』2面 "高森町 第3次環境基本計画策定へ 3月9日まで パブリックコメント募集"。喬木村堰下のガイドウェイ組立保管ヤードではJR東海は、トンネル残土の処分地ということで環境調査を行いました。しかし、より面積が広大な高森町の下市田ガイドウェイ組立保管ヤードでは環境調査を行いませんでした。理由は、高森町の産業用地として造成するので、これは高森町の事業であるから、JR東海としては環境調査の必要はなく、やるとすれば町がやるとことだと説明していました。地元への説明会で高森町は環境調査はやるつもりはないといっていました。たまたま産業用地の空き地があったので利用させてもらう形だからJR東海として調査の必要はないという理屈。そう説明したのはJR東海の副支社長に就任する予定の長野工事事務所長です。当然、環境調査なしで工事は始まりました。高森町は伊那谷でも面積が小さい自治体です。自然環境がとびぬけて豊かという自治体でない。そもそも町の運営方針に環境保全という考えがないのに、とってつけたような基本計画をつくって何の意味があるのだろうかと思います。工事がはじまってヤード周辺で見かける野鳥は激減したといわれて、そんなことはないと反論するため、工事前と比較するためのデータを高森町は示せれるでしょうか? なお、現状では、持ち込まれたリニアのトンネル残土の量は高森町の方が圧倒的に多いのです。

2月19日(e) 『信毎』7面 "西九州新幹線9月23日開業"。

2月19日(d) 『信毎』7面 "陥没事故受け中断の外環道工事、25日以降再開へ"。

2月19日(c) 『中日』15面 "オンライン会議で 知事ら活用法検討"、『信毎』26面 "リニアバレー構想 追加する内容議論 伊那谷自治体会議。/『南信州』20日1面 "変化に応じた新たな視点を 伊那谷自治体会議 リニアバレー構想に追加へweb版)"。

2月19日(b) 『中日』16面 "リニア対策室設置 機構改革、22年度から"。中川村がリニア対策室を設ける予定。

2月19日(a) 『朝日』9面 "「水素電車」 JR東が実証走行へ 導入目標、30年"、『日経』12面 "R東、水素車両を初公開 神奈川で試験走行へ ディーゼル置き換えめざす"。

2月18日(j) 『南信州』"【天龍村】国道418号の神原トンネルが貫通「村の未来に希望の光が降り注いだ瞬間」"。

2月18日(i) 『日経』19面 "鉄道株 3カ月ぶり高値 乗客回復・運賃変動を期待"。

2月18日(h) 『赤旗』4面 "外環工事再開やめよ 笠井氏 "暮らし・医療に回せ""。

2月18日(g) 『信毎』2面 "JR東海「廃止予定線区ない」"。

2月18日(f) 『信毎』2面 "最高3億円 罰金規定 政府改正案"、『中日』3面 "違法盛り土 罰金3億円 規制法改正案 用途問わず全国一律"。関連で、『赤旗』19日2面 "盛り土規制強化 検討 穀田氏追及に国交省が答弁"。17日のNHKラジオのニュース "飯田市 新年度予算案477億円余 リニア関連に過去最大" はリニア関連予算について重点を置いた報道でしたが、新聞記事などはNHKほどの扱いではなかったように思います。今年度のリニア関連予算についても全部執行できたのかどうか?

2月18日(e) 『信毎』2面 "県盛り土条例案 意見募集 知事の許可義務付けなど骨子公表"。

2月18日(d) 飯田市の予算案関連:『信毎』22面 "大型事業と環境整備重なり過去最大477億円超 リニアや通学路対策 注力"、『南信州』1面 "飯田市過去最大477億円 22年度予算案 コロナ収束後見据え編成 市民活動、経済再興へ"、2面 "リニア関連に19億円 実装化へプロジェクトを再構築"、『中日』12面 "リニア駅周辺用地盛る 飯田市予算案 2年連続過去最大"

2月18日(c) 『信毎』2面 "副支社長を新設 静岡支社の体制 JR東海が強化 長野工事事務所長に杉浦氏"、『中日』19日27面 "リニア工事を巡り地域交渉担当新設 JR東海、静岡市支社に"、『南信州』19日1面 "JR東海 静岡支社の体制を強化 長野工事事務所長に杉浦氏"。飯田市内にある長野工事事務所長だった平永氏が静岡副支社長に就任する。

2月18日(b) 『信毎』2面 "下條の残土置場 調査結果受け審議 県環境影響評価技術委"。

2月18日(a) 『信毎』30面 "土の声を 「国策民営」リニアの現場から(23) 第2部 沈黙の谷(13) 村の「痛み」分かっているのか 我慢を強いられる人々 JRの姿勢は"。

2月17日(b) 『信毎』30面 "土の声を 「国策民営」リニアの現場から(22) 第2部 沈黙の谷(12) 言いにくい空気 隣町でも 疑問ぶつけることさえ できないのか…"。「リニアについて言いにくい空気」があるのは事実なのかも知れませんが、まあないわけじゃない、それは認めますが…。例えば、去年の8月に行われた長野県世論調査協会の調査ではリニアに期待しないが7割で期待するが3割。リニアに批判的な意味の看板は以前は大鹿の青木のほうにだけありました、そのあとディアイーター付近(最近撤去されたようですが)にできました。知らなかったですが、記事によれば松川町に6カ所もその手の看板がでているとのこと。最近見かけないですが、5年位前だったか共産党が「リニアより暮らし」という看板を方々に建てたことがありましたが、かなずどこでもという感じではなかったとは思います。だから、以前は確かに今よりいいにくい雰囲気があったことはたしか。今は、リニア計画が順調に進んでいるという状況でなくなって来たこともあります。賛成反対より、第一できるのという声も聞こえてきます。いいたいことはいってみたらいい。

2月17日(a) 『信毎』2面 "大糸線 JR西が収支公表へ 南小谷以北 社長「経営効率示す」"、7面 "鉄道運賃 大幅見直しへ 安全対策費反映へ法改正も検討 国交省「変動制」の整備も議論へ 災害や老朽化 事業者の経営を圧迫 値上げ 家計への配慮課題"。

2月16日(a) 『信毎』36面 "土の声を 「国策民営」リニアの現場から(21) 第2部 沈黙の谷(11) 大鹿だけ認めぬわけには 工事受入れ同意 当時の村長の思い"。大鹿村が着工に同意した問題は、JR東海との間で「理解を得たうえで着工」とは具体的にどういうことか一応の共通したところがあってのことだったと思います。村として判断しなくても国交省の認可があるので着工はできます。しかし、そういう「基準」を設けたので、それを足がかかりに、JR東海に具体的な対策についてまで説明を求めるなどすれば、静岡県と同じような状況になったのかも知れないと思います。ただし、大鹿村だけの力では無理だったろうと思います。長野県企業局の大鹿発電所の取水に影響があり、また小河内沢の河川使用許可の権限もあるのに、長野県がリニア中央新幹線計画についてきちんとした見通しのないままで、まともな対応をしなかったことが、静岡県との違いだと思います。大井川の水の問題も、小河内沢の水の問題も、どちらも水資源についての共通の予測方法から出て来たものだろうと思います。たしかに影響の大きさに大小はありますが、問題の基本的な構造は同じだといえます。

2月15日(c) 『山梨 NEWS WEB』"リニア新幹線 市民グループ「県による多額の投資は抑制を」"。

2月15日(b) 『信毎』1面 "利用減の鉄路巡りJR西・東 沿線との協議 支援要請 国の検討会初会合で"、3面 "焦点:地方の鉄路 抜本見直しも 人口減に加え新型コロナ 収支悪化 地域との合意形成 不可欠 県内沿線「地域事情踏まえ議論を」"、"全国路線の57% 平均乗車客4000人未満"。

2月15日(a) 『信毎』34面 "土の声を 「国策民営」リニアの現場から(20) 第2部 沈黙の谷(10) 「リニアどころじゃない」 人口減、足りぬ人手「村の将来 考えて」"。

2月14日(a) 『文芸春秋』3月号のリニア座談会関連で見つけた少し古いニュース。『AFPBB MEWS』2020年12月16日 "新型中低速リニアモーターカー、吉林省長春市でラインオフ"。名古屋のリニモと似た方式、常電導の車上一次式で誘導電動機を採用したリニアモーターカーの車体が中国吉林省長春の工場で完成したというニュース。超電導方式ではありません。広東省の清遠市の清遠リニア観光専用線での使用を予定している…回転半径が小さく、登坂能力が高いなどの特長があるそうです。最高速度は120㎞/h。▼座談会の記事の葛西氏の発言に、つい先日も長春に小規模(路線延長二〇〇メートル程度)な実験施設を作り、超電導リニアを研究していると中国国内で報じられています という部分があります。「長春 "超電導" リニア」というキーワードで検索すると、トップに『文芸春秋』の記事が来るのは当然として、それらしいものは出てきません。「長春 リニア」でトップに、この記事が出てきました。ないものを証明するのは難しい。さて、葛西さんのこの発言の根拠は?

2月13日(e) 『赤旗』 "リニア工事中止へ懇談 岐阜 たけだ・本村議員 中津川で"。

2月13日(d) 『日経』の「NIKKEI The STYLE」(9から11面)に "ゆっくり移動のすすめ"。従来、速さが重要だったのは「移動は仕事などほかの目的のためのコストと見られてきたから」…今やオンライン会議にインターネット通販の普及、仕事を引退した高齢者の増加もあって先進国では「コスト」としての移動は減っている。移動をコストと捉える考えからも、移動を担う企業(JR東海)がペイできないような乗り物(超電導リニア)はあり得ないはず。

2月13日(c) 『信毎』30面 "土の声を 「国策民営」リニアの現場から(18) 第2部 沈黙の谷(8) 2本だけになったブナ 鉄塔建設で残りは広く伐採"。豊丘村から伊那山地を越えて大鹿へリニア用の電気を送る送電線。その鉄塔のために切られそうになったブナの古木2本について住民が署名運動などで守ったという話。

2月13日(b) 『南信州』の1面コラム「日言」が『文芸春秋』3月号のリニア座談会についての感想を。リニア中央新幹線を巡っては、さまざまな報道や論評があり、一読するごとに一喜一憂する。ここでは推進する肯定派の代表らの座談であり、リニアを待望する側からすると、納得し同意する発言が目立つ。 相次いだ坑内の崩落事故とか、静岡県での工事の未着工の膠着状態など、たぶん『南信州』としては心配なニュースばかりが目立つのが最近のようす。そこへもってきて冒頭から、「超電導リニア」を中国から守れって、そんな座談会を読んで納得できたなんて、リニアを待望する人ってこういうスローガンに納得しちゃうのかと思いました。いや、そういう人ばかりじゃないんじゃないのと思いましたね。一応そこは『文芸春秋』、なんでこんな座談会をのせたのか?

2月12日(a) 少し前の『毎日』(9日)の記事:"リニア静岡工区「生物が全て死滅してからでは…」 専門部会でJRに苦言"。豊丘村本山の残土置場候補地で保安林指定の解除決定より3年半もまえに、希少植物の移植を平然と行ったJR東海。静岡県でそういう不埒な考えが通用するとは思えない。静岡県が原因で工事が遅れているんじゃなくて、南アルプスの下にトンネルを掘るような計画を建てたJR東海とそれを認可した国交省こそが工事の遅れの原因。さらに、ほぼ直線しかルートの取りようのない超電導リニアの技術的な欠点も原因。

2月12日(a) 『信毎』22面 "●土の声を 「国策民営」リニアの現場から(18) 第2部 沈黙の谷(8) 住民の意見 聞いただけ? 公募で「反対」7割超でも進む工事(web版)"。交通政策審議会中央新幹線省員会の答申案に対するパブリックコメントは7割以上が建設反対、南木曽と飯田市で開かれた公聴会でも批判的な意見が大多数でした。良い政策の判断のために行うことであるなら、内容を聞き入れなくては意味がない、実質的でなく時間と費用の無駄遣いです。2014年以前に指摘、批判されていた問題点が現在どんどん明らかになってきています。よそもの、わかもの、ばかもの、のいうことを聞くべきです。この連載は、web版があります。日付の右にカギのアイコンのないものは、全文読めるようです(13日時点で第4回が読めます)。

2月11日(b) 『赤旗』14面 "「湧水全量戻し」へ精査要請 副知事にリニア考える県民ネット 静岡"。⇒"リニア新幹線を考える静岡県民ネットワーク" > "リニアで難波副知事申し入れ・懇談(2月10日 17:56)"

2月11日(a) 『信毎』2面 "「必要な情報をしっかり」 阿部知事 JR東海委社長に注文"。10日、阿部知事と金子社長がオンラインで会談。非公開の部分で、知事は、(1)大鹿村議会で土曜日の残土運搬車運休を求める請願が採択されたことについて、請願の主旨を踏まえた対応を検討するように要請。(2)工事残土の対策、(3)開業時期の早期の明示、(4)地元への丁寧な説明なども要請。JR東海の広報部によると金子社長は、事象に応じた(自治体との)連絡体制を新たに整備したので、これに基づいて迅速に情報を共有していくイベントのある日については発生土運搬を休工にするなどの取り組みを実施している27年開業が困難になっても早期の開業を目指す考えに変わりはない といっているようです。とくに開業時期については、同じことを繰り返しいってると思います。/ 『南信州』12日1面 "JR東海 「安全対策と丁寧な説明を」 阿部知事と金子社長が会談(web版)"、2面 "阿部知事 JR東海へ「対応検討を」 大鹿の運搬車 土曜日運休求め"。

2月10日(g) 『中日』9面 "バイオ燃料で試験走行 JR東海が報道陣に公開"。バイオ燃料は原料の植物が二酸化炭素を吸収しているので温室効果ガスを出さないとみなされるのですが、リニア建設をやめた方がもっと効果があるのではないかと思います。

2月10日(f) 『信毎』2面 "大糸線「維持が重要」知事、JRに存続求める"。

2月10日(e) 『信毎』32面 "伝う鉄路と飯田線物語(3)第1部レールのある日常(3) 代替輸送のバス 利用客に「連帯感」 人の温かさ感じた3カ月"。

2月10日(d) 『信毎』27面 "リニア天竜川橋梁、来月以降に橋脚建設"。リニアの天竜川橋梁の河川敷内の東側の橋脚の基礎部分のコンクリート打設が2月中に終了するようです。3月から基礎より上の橋脚の建設に取り掛かるようです。

2月10日(c) 『信毎』33面 "飯田の多摩川精機社員自殺 遺族が労災認定を申請"。記事によれば、亡くなった方は、リニア中央新幹線などに使われる複数の装置の開発を1人で担当…亡くなったのは、担当する製品の一部について納期が間に合わないことが確実になったちょくごだった そうです。

2月10日(b) 『信毎』34面 "中津川の事故 岐阜県専門家会議が報告書 工程変更「責任の所在不明」"。去年10月27日の事故を伝える写真を見るとロックボルトの本数が少ないと思いました。報告書によるとロックボルトを一部施工しない計画変更を現場がしたんだそうですが、JR東海は把握していなかった。現場がまず第一に安全を考えるならロックボルトの本数を減らす(作業を減らす)ことなどしないのではないかと思います。安全より優先すべき要請(たとえば急げとか)があってそうなったのか、現場に経験者が少なくなったためなのか、もっとも主要な原因がなんだったのか、記事ではそれがはっきり分かりません。/ 『中日』30面 "リニア工事事故 専門家最終報告"。こちらの記事はもっと抽象的。

2月10日(a) 『信毎』34面 "土の声を 「国策民営」リニアの現場から(17) 第2部 沈黙の谷(7) 翻弄される「村の意思」 時に重視され 時に軽んじられ"。村議会が着工に同意する決議をしたのですが、制度からいえば、JR東海は関係自治体から着工の同意を得る必要は全くなかったはず。静岡県が着工に同意しなくてもJR東海は工事はできるのですが、大井川の河川使用許可をする権限が静岡県知事にあって、それが歯止めになって着工できない。今の世の中で計画段階アセスでさえない事業段階環境セスメントでも異例に厳しい環境大臣意見が出されたにも関わらずやってしまった国交大臣の認可は犯罪行為に近かったと思います。さらに、その前段に技術評価委員会や交通政策審議会の不公正なやり方があったのです。地方の自治体議会が着工の同意の議決をする必要はなかったと思っています。また、この議決は法的には無効で、なんの効力もないと思います。そとから見ると、大変に失礼な言い方かも知れませんが、村がJR東海にのせられたという印象もあります。ただし、村民の中にリニアの着工は不当なのものという意思表示を強力に行った結果議会の同意という方向が出て来たわけで、当地の他の自治体が、ほとんどなんの議論もなく流されてしまった印象があるのとは、違うと思います。

2月9日(c) 『南信州』7面 "飯田市 スポーツ振興へ「たたき台」 アリーナ機能巡り構想案(web版)"。

2月9日(b) 『南信州』1面 "飯田市 「3重心」のまちづくりに リニア効果生かすビジョン案"。重心は一つと望んでいたのに、もともと地方のことなど考えていないリニアに取り込まれて重心が3つになってしまったことを合理化しているように思えます。重心が3つになって空中分解…。

2月9日(a) 『信毎』34面 "土の声を 「国策民営」リニアの現場から(16) 第2部 沈黙の谷(6) 土曜運休 請願したが 観光の村 客から「ダンプ不安」の声"。以前から住民が指摘していた観光業への被害が実際に起きているという話。記者の取材に答えるJR東海担当部長の回答は、録音機(蓄音機)状態。

2月8日(c) 『信毎』2面 "リニア巡り10日会談 知事・JR東海社長"。

2月8日(a) 『信毎』34面 "土の声を 「国策民営」リニアの現場から(15) 第2部 沈黙の谷(5) 道路改良 契機はリニア 通勤・通学に苦慮 山深い村の「悲願」"。

2月7日(a) 『信毎』26面 "土の声を 「国策民営」リニアの現場から(14) 第2部 沈黙の谷(4) 残土運搬で「ダンプ街道」に 高齢者「怖いので買い物は運休の日に」"。

2月6日(b) 『日経』1面 "チャートは語る:インフラ とまらぬ高齢化 トンネル4割寿命 修繕費膨張 年12兆円も"。トンネルの約4割は早急に手当てしないと危険な状態のままだ。…インフラは建設後50年が寿命とされる。国交相によると…トンネルは42%がその目安に達する。…早期に修繕などが必要との判定がトンネル全体の36%に上った。。トンネルの他、道路や橋などのインフラの老朽化が国全体で問題になっている時期に、一つの民間会社の主要路線のバイパスのために長大なトンネルや橋梁、高架橋を268㎞にわたって建設するというのはどう考えてもアンバランス。国交省のリニア建設認可は間違っている。開業後50年で全線の86%にあたるトンネルが寿命を迎えます。今から60年前の1962年に研究は始まったといわれるので、なにか割りに合わないはなしです。

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飯田市役所前にて(写真はイメージです。本文と関係ありません)

2月6日(a) 『信毎』30面 "土の声を 「国策民営」リニアの現場から(12) 第2部 沈黙の谷(3) 暮らし守りたいだけなのに 反対で窮屈になった人間関係"。リニアのおかげで道路が良くなったという方もいます。しかし、これまで道路改良をすべきだった長野県は何やってたんですかということ。長野県はできなかったのかもしれない。改良された道路もまた老朽化するはずで、その時にリニアのようなイベントがないと、そのままほっておかれることになる。リニアの誘致に熱心な一部の方たちが地域の悲願なんていって運動してきたことが、地域内をギクシャクさせている原因だと思います。

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飯田市役所前にて(写真はイメージです。本文と関係ありません)

2月5日(c) 『南信州』1面 "「共和」希望受け付け開始 飯田市座光寺の移転代替地で"。

2月5日(b) 『信毎』38面 "土の声を 「国策民営」リニアの現場から(12) 第2部 沈黙の谷(2) 続く工事音「気が滅入る」 「一方的に『理解』求められている」"。リニアの残土処分場が近くにあって、毎日ブルドーザのキャタピラの音が聞こえます。ブルドーザは距離を動いて土をならすので、他の重機より音はうるさいです。戦争映画のタンクのキャタピラ音と同じです。大鹿だけでなく、リニア残土処分地の近くでは「気が滅入る」と感じる人が多いと思います。私の場合は頭に来ています。

2月5日(a) 『ダイヤモンド』2月5日5時2分 "石原慎太郎氏の経済政策を回顧、ディーゼル規制・リニア等で賛否も成否も分かれる"、『デイリー新潮』2月5日 "故・石原慎太郎氏が残した「鉄道分野」の意外な功績をたどる  東京駅の復原にも貢献"。

2月4日(b) 『信毎』35面 "土の声を 「国策民営」リニアの現場から(11) 第2部 沈黙の谷(1) もう、いろいろ言っても… 着工5年余 住民間に温度差"。「もう、いろいろ言っても」というのは、それを話した人が静岡県の問題をまったく知らないとするなら、うなずけるんですが、静岡の情報はある程度知られているわけですから、なにか屈折した気持ちがあるような気がします。リニアが村に必要かどうか考えるべきという声がのってます。その通りだし、日本にとって必要なのか、第一にJR東海にとって本当に必要なんですかと言いたいですね。

2月4日(a) 『信毎』1面 "大糸線 振興部会新設 南小谷伊北 存廃論浮上も"、2面 "「存続」「採算性」思惑にずれも 大糸線南小谷伊北 自治体とJR"、"JR函館線 一部廃止へ"。

2月3日(a) 『信毎』35面 "土の声を 「国策民営」リニアの現場から 大鹿のトンネル掘削 残土運搬のダンプ 昨年事故3件 発表せず JR東海 工事本格化 台数増加 地元は懸念 安全徹底と情報共有を(web版)"。大鹿と中川でリニアのトンネル残土を運ぶダンプカーが関連した事故が、昨年の8月25日、10月20日、12月7日にあったけれど、公表されなかったようです。県警は発表の基準に該当しないとしているようです。8月25日は観光客の自転車との接触。観光客のため土曜日の休工は村観光協会が前々から望んでいるもの。10月20日は居眠り運転で電柱を壊したもので復旧のため近くの集落が数時間停電したというもので中部電力は報道発表してよいようなもの。記事によれば壊した電柱は除山斜坑付近から三正坊付近のあいだ。電線の順路でいえば、事故現場は集落より先なのに、なぜ集落まで電気を止めて工事したのかちょっと不思議。12月7日の事故も公共施設(獣害防止柵)を壊しているので話題になるはず。特に走行距離が非常に短い区間で起きた、居眠り運転事故というのは問題だと思います。記事には出てないですが、加えると、走っている全体のダンプカーのうちで地元以外の比率がかなり高いですね。ほかに、ダンプカーほどではないですが粉セメントを運ぶローリーの数も多いです。 / 『中日』4日12面 "残土運搬で3件事故 対策協では公表せず 大鹿村と中川村、JR"。

2月2日(c) 『日経』14面 "シベリア鉄道 活用強化 日通、欧州向け輸送で"

2月2日(b) 『赤旗』4面 "外環道「必要ない」 山添氏ら調査に住民訴え 東京(web版)"

2月2日(a) 『静岡新聞』の2日付け記事。2つ目の記事、JR東海、国、「県と市町」、住民に対する『静岡新聞』からの提言は他地域でも参考になると思います。とくに「県と市町」に対する 地域の自然環境と人々の生活生業を守り抜く役割は自治行政の根幹だ。現場に入り、住民の声に耳を傾け、国政を突き動かす気概を がいいですね:

2月1日(c) 『静岡新聞』 "新幹線停車増で定住促進を提言 静岡市、リニア開業後のまちづくり検討"。

2月1日(b) JR3社の10~12月は営業黒字に(『中日』10面 "JR東海 営業黒字に 4・12月期 2年ぶり、371億円"、『日経』15面 "JR3社、営業黒字に 宣言解除で鉄道利用回復 10・12月 コロナ感染再拡大に懸念 減便でコスト減、値上げも")。一方でJR西は赤字(『中日』10面 "JR西540億円赤字 4・12月期")。

2月1日(a) 『中日』17面 "まちむら中津川:リニア駅周辺区画整備へ安全祈願祭"。1月20日に、中津川市の美濃坂本駅付近で、リニア駅周辺の土地区画整理の安全祈願祭が行われたという記事。