更新:2022/09/03
高森町長、補助事業優先採択で失言
高森町山吹地区で高森町が建設を計画しているサッカー場の説明会が7月27日に下市田地区でありました。説明会の中でサッカー場予定地そばに計画のある舟券売り場について、壬生町長は 「福祉施設のほとんどが日本財団や競輪(の団体)の補助がなければ運営できないのが現実」
、建設されれば町が公益財団法人日本財団(東京)の「補助事業の優先採択の対象になる」
(『信毎』)などと発言。これについて町議会全員協議会で北沢幸保議員が訂正を求め、町長は発言を撤回謝罪しました。『信毎』によれば、日本財団は取材に、舟券売り場があることを理由に自治体への助成を優遇することは「一切ない」(経営企画広報部)
そうです。
『南信州』によれば、高森町のホームページに掲載されている7月27日の会議録(*)について壬生町長は訂正を行うといっているようです。
- 『南信州』1面 "高森町長 舟券売場巡る発言を訂正 「補助事業優先採択」言及で"
- 『信毎』21面 "高森の舟券売り場計画巡る発言 町長「見解違い」撤回・謝罪"(web版)
- 『中日』16面 "補助事業の優先採択 高森町長「見解違い」 舟券売り場巡る発言謝罪"
* ほたるパーク周辺開発事業 町民説明会 @下市田区会議記録 (2022年7月27日)(2022年9月3日 キャッシュ)
問題の部分は会議録の5ページ:
現在福 祉施設のほとんどが、日本財団や競輪協会の補助がなければ運営できないのが現実。もしこの地域にこういった施設があれば補助事業の優先採択の対象になってくるならば、ギャンブルのお金をあてにしたくない気持ちはわかるが、こういった補助金がなければ施設修繕に使えるお金がないという現実の中で、適宜修繕に使えるということが約束されるのであれば間違った選択ではないと考える
会議録ではこの発言は壬生町長ではなく「事務局」の説明部分になっていますが、私はこの会に参加していましたが、この部分は壬生町長の発言でした。町側の説明者は町長だけでなかったのに、この会議録は、町側の誰の発言なのか明確になっていません。
議会制度上、事業そのものに対する議決制度はない
会議録の6ページ:
■参加者
サッカー場をつくること自体に反対なわけではない。どういう影響がでるか 議会でも議論してからでないといろんな課題が出てくる。子供たちにそういう施設が必要だとは思うが、毎年何千万円も払っていくことに理解が得られるのか。 社会体育施設だから 赤字が出るというだけでは納得できないのでは。 疑惑といったのは、ダイエーや金融機関の事情に対し、町が負担してあげた部分が大きいのではということ。
⇒事務局
収支の関係はこれまでお伝えした通りで、1時間 3,000円徴収する場合、 400万円の赤字が見込まれるので、指定管理料として負担していく形となる 。利用料を全ての方からとるのかなどはご意見も聞いて判断したい。
常にサッカー場全体の計画を説明してきた。議会制度上、事業そのものに対する議決制度はない。予算に対して議決を得ることはできる。町として全体計画をお示しし、そのうちの一部の予算を提案し議決いただいている 。
「議会制度上、事業そのものに対する議決制度はない」といいきっています。これも壬生町長の発言なのですが、地方自治法では、第96条に「普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。」として15項目をあげています。15項目の中に「事業そのものに対する議決」はないんですが、条文は「次に掲げる事件を議決しなければならない」としているのですから、「事業そのものに対する議決」はできる制度になっています。つまり、町が事業全体について議案を提出しないから義会は議決できないのです。
というか、これは議会って何のためにあるのと考えると、議論することさえナンセンスといえるようなこと。
この説明会より前に下市田であった、「考える会」と議会運営委員会との意見交換会のなかで、副議長も同様の発言をしていました。町長の発言について議会が黙っているのは大問題です。
議会運営委員会との意見交換会では町議の経験がある古老が、町側は細かい予算案を出してだんだん外堀を埋めるようなやり方でくると指摘していました。関連の予算案で最初に出されたものに反対した町議は3名だけでした。全員協議会で「検討を進めることについて同意」した以上予算に反対するのは矛盾しているなどと反対した議員を批判した町議もいるそうです。最初に出て来た関連予算に反対するのが定石だと思います。他の11名は、ただボンヤリ議場に座っていただけで期待外れといわれても仕方ないですね。
関連ページ
- 「山吹ほたるパーク周辺整備事業」説明会、7月27日 (2022/07/29)
- 被告席に座る町議会 (2022/07/21)
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