更新:2023/03/07、03/11画像追加
風越山トンネル黒田工区・黒田斜坑口ヤード、2月25日
風越山(かざこしやま)トンネル(全長約5.6㎞)の名古屋よりの黒田工区(NATM工法、2.3㎞)の黒田斜坑口ヤードの工事の様子です。土砂ピットの設置など掘削のための準備工事は進んでいるようですが、2月25日時点ではトンネルの掘削が始まった様子はありません。
2021年3月末に行われた工事説明会の配布資料(*)によれば、今行われている準備工事は2021年度に始まったはずで、トンネル掘削開始は、当時の報道(**)では2022年度中。また今年1月に『南信州』(***)のインタビューにJR東海・古谷部長は「23年春には斜坑の掘削に入りたい」と答えています。
* 令和3年3月27日 風越山トンネル(黒田)工事説明会 (飯田市のページ)
** 『南信州』2021年3月29日 "トンネル掘削22年度中に"
*** 『南信州』2023年1月13日1面 "23年のリニア計画(下)JR東海 古谷部長インタビュー"
環境影響評価書の資料編(*)にある黒田工区の工事工程によれば、「掘削、支保工」、「覆工」、「インバート工」、「ずり処理工」、「路盤工」、「ガイドウェイ設置工」に、「1年目」~「6年目」までかかるとされており、「電気機械設備工」まで含めると「10年目」までかかるされます。現場の看板では工事期間が「2027年2月まで」となっています。トンネルの掘削はまだ始まっていませんが、現在2023年ですから、工期を6年としてもトンネル工事の完了は2029年ころ、または10年とすれば2033年頃になるはずです。
[ 拡大 ] 「工事位置」の「U(非常口)」が黒田斜坑口です。「T(非常口)」は最初の計画では風越山トンネルの上郷工区(3.3km)の唐沢斜坑口でしたが、工法がNATMからシールドマシンによる全断面掘削に変更され駅部西側から本坑を直接掘ります。唐沢のヤードまで小口径のトンネルをほり残土をベルトコンベアで搬出します。
黒田工区は、住民や地元自治体から特段の要望・要請(抵抗や反対運動)があったわけじゃないですから、順調に計画は進んできたはずです。それでも、2027年の開業には到底間に合わないと思います。つまり、そもそも、2027年を開業としたリニアは全体的に最初の計画に無理があったのだろうと思います。
* 環境影響評価書(長野県) > 評価書資料編 > 3 工事計画 の「事3-3-8」
かざこし子どもの森公園へ上がる道路の途中から。右側に壁で3つに区切った土砂ピットが見えています。黄色い重機が2台ある左側の斜面に斜坑口ができるはず。斜面の上に風越高校(ふうえつこうこう)があります。
ヤードの一番上のほう。
工事期間が「2027年2月まで」となっています。左に見えるこげ茶色のものが土砂ピットの一番下側の壁面。
中央に見える木が伐採された斜面が斜坑口の位置。
ヤードは傾斜地のため階段状になっています。
一番下のほうです。トンネル内で吹付に使うコンクリートをつくる、「吹付プラント」(バッチャープラント)がまだできていません。
鋼矢板を打ち込んで土留めとしているように見えます。
下の方からヤード全体をみたところ。この道路の先に飯田市の火葬場があります。
関連ページ
- 風越山トンネル黒田斜坑ヤード予定地(2021/04/20)
- 飯田市今宮町4丁目の風景(2013/11/13)
※ 読み直して見て、このページではヤードや坑口の位置を勘違いしていたと書きましたが、実は、実際の斜坑口(下図の赤丸)は、環境影響評価書(環境影響評価関連図6【長野県】)で示された非常口(下図の黒丸)の位置から変更されています。斜坑口(非常口)を示す円は、現在の位置より東南よりで、その中心は、明らかに、松洞川の西側になっています。
環境関連図6の一部に加工
土砂ピットに屋根
3月11日。土砂ピットに屋根をかける工事が行われていました。