更新:2023/05/04

見られたくないなら、塀で隠せばよい

 天気が良かったので、赤石岳を見に大鹿までいってきました。

 で、帰り道のこと。

 半の沢では、谷をリニアのトンネル残土で埋め立てる工事をしています。小渋川へ流れ込む谷なんですが、対岸には、リニアの残土運搬のために県道59号線に新たに設けたトンネルの残土が仮置きされています。

 半の沢を通るときは、ときどき、松川よりの駐車帯に車を止めて半の沢橋を歩いて渡りながら橋の下で行われている工事や、小渋川左岸の残土仮置き場を眺めます。写真を撮ることもあります。

どんな風景かというと、例えば『信濃毎日新聞』2022年5月14日の "【独自】鹿島などのJV、生コンを川沿いで洗浄 中川のリニア残土利用の県道工事で 長野県「不法投棄に当たる可能性も」" に使われている写真のようなもの。Googleの画像検索では、上位に当サイトで掲載した画像がけっこうたくさん出ていますね。

グーグルマップではこの場所。ストリートビューの写真はこんな感じ(2019年11月が最新)です。川の手前側の工事は現在はもう少し進んでいます。

 行きがけに、今日は工事が休みなのに、半の沢橋の大鹿よりのたもとにガードマンがいたので、何のためにいるのかなとは、ちょっと思ったんですが。橋を大鹿方面へ歩いていって、1枚か2枚写真を撮ったと思います。すると、橋のたもとにいたガードマンがこちらにやってきます。もしかしてとは思いましたが、写真を撮るなとのことでした。

 半の沢橋は県道の橋なので、公道です。公道から写真を撮ることは禁止できないのではというと、禁止できることになっているという。じゃ、その法律的な根拠は何なのと聞くと、それは知らないとのこと。半の沢の工事をやっている鹿島建設などからの指示なんだそうです。反対側、つまり半の沢のこれから残土を埋め立てる谷は撮影してよいのかと聞くとそれは問題ないという。前にも何度もここで写真を撮ったことがあるけれど、何もいわれたことはないよというと、工事で国交省の通信用光ケーブルの電柱を倒した事故(4月19日)の後うるさくなったという。確かに変な格好の電柱が見えたので、あの電柱かい?と聞くと、そうだという。そんなこと、いわれるまですっかり忘れてたのにね。

 鹿島からは撮影した画像も削除させるよう指示が出ているとのことでした。当然、消すべき画像と、「そうでない画像」の区切りがありますが、ガードマンが削除できたかどうか確認するには「そうでない画像」を見ないと消すべき画像が削除できたか確認できないはず。「そうでない画像」を見せる義務はないし、ガードマンも見る権利はないはず。つまり画像を消させるという指示はあってはならないことですね。つまり消さなくてもよいし、公道上から見えているものなんですから撮影しても良いということ。見られたくないなら、塀で隠せばよい。

 で、労災事故について発表をしてこなかったことについて最近新聞に書かれたついでに、電柱の事故のことも書かれたりで、評判を落としているのに、連休中に、そうそう昨日は大鹿歌舞伎がありましたね、観光客が多いのに、こんなことやって、本当にバカじゃないのと、怒りよりは、笑ってしまいました。

 このことを知ったら、大鹿村観光協会や大鹿村、中川村、長野県はどういう反応をするんでしょうか。半の沢の工事の様子は小渋ダムからも見えるんですが、そこも撮影禁止にするんでしょうか? (グーグルのストリートビューでダムサイトからの風景が見れます)

 写真をネットに流されるのは別にニュースでも何でもないですね。しかし、こういうエピソードはひょっとすると新聞記者さんが取材して見たくなるようなまあいってみれば「事件」ですから、ダメージがずっと大きいと思うんです。鹿島建設なのか、JRなのか分かりませんが、ほんと「頭悪いんじゃないの」って感じですね。