更新:2023/06/29
2022年度JR東海環境調査
移植は上手くいかない
6月27日、JR東海は長野県内のリニアの建設工事について2022年度の環境調査の結果を公表しました(『信毎』2面 "大鹿の井戸2カ所 水位低下 県内工事 22年度JR東海環境調査")。『信毎』によれば、大鹿村内で青木川工区の本坑掘削の影響で井戸2か所で水位低下が、また、残土置き場から移植した希少植物のうちセンブリ、オオミズゴケ、モメンヅルの生育が確認できず、来年以降も生育の可能性は低いとしているようです。私の誤解かも知れませんが、本山で2017年4月にJR東海の依頼でコンサルタント会社が不適切に移植作業を行った植物の中にセンブリが含まれていたはず。だとすれば、いわんこっちゃない。
⇒ "令和4年度における環境調査の結果等について【長野県】 令和5年6月"
トンネル工事の進み具合は?
JR東海のホームページのPDFのページで415ページ、「参考資料1:事業の実施状況」に2023年3月までのトンネル工事の施工状況が示してあります。
トンネル工事の進み具合について、以下のようにまとめれるかと思いましたが…:
- 除山の先進坑は約700m
- 釜沢から品川方面へ本坑を400m
- 小渋川から品川方面へ本坑を約400m
- 坂島斜坑が約600m
- 戸中から本坑を約600m
- 青木川からの本坑は約600m
- 中央構造線部分で調査トンネルを約100m
- 山口からは先進坑を1500mを本坑を1600mを掘削
長野工区の概略図です。トンネルの各区間の距離はこれまでの新聞報道やJR東海が公表した数字を基にしています。
環境調査報告の原文は「先進坑は、除山非常口トンネル接続部から品川方へ1割程度(約700m)」となっていて、除山非常口トンネル接続部から静岡工区までの距離は「4940m」のはずなので1割なら約450m。割合が間違っているか、何割りという基準の数字が間違っている可能性があります。
釜沢については、先進坑は「釜沢非常口トンネル接続部から除山トンネル接続部の間を2割程度(約200m)掘削」、本線トンネルは「釜沢非常口トンネル接続部から除山トンネル接続部の間を3割程度(約400m)…掘削」としています。基準になる区間が同じなのに、2割が約200m、3割が400mでは、基準となる区間の長さは、それぞれ1000m、1333mとなってしまい変です。長野工区の概略図でいえば、1500m。この415ページの数字はちょっとおかしいです。