更新:2024/06/22
リニア計画は「急ぎ働き」
岐阜県のリニア工事で完了時期が2029年度中になる区間があるとJR東海が発表。岐阜県内で工事の終了が2027年をこえてしまう工期はこれが初めてだそうです。
- 『岐阜新聞』6月19日 "リニアトンネル工期20カ月延長、29年度完了 岐阜・恵那市工事、JR東海「生活・環境へ十分配慮」
- 『毎日』6月19日 "リニアトンネル 工期20カ月延長 JR東海 /岐阜"
- 『岐阜 NEWS WEB』(NHK) 6月19日 "リニア 岐阜県の一部トンネル工事の完成が2029年度見通し"。
工事期間を延ばした理由について、JR東海は、「『地表面の沈下や生活・環境への影響がないよう十分配慮しながら慎重に施工する必要がある』こと」(『岐阜新聞』)、「工事をより慎重に施工する必要があるため」(毎日)、「2027年の開業を断念したことなどを踏まえ検討した結果、ところにより慎重に工事を進める必要もあり、もともとの工期で完成させるのが困難なため」(『岐阜 NEWS WEB』)など説明しています。
まとめていえば、生活・環境への影響がないよう十分配慮しながら慎重に施工する必要があるということ。逆にいえば、2027年開業という目的でやった場合は、生活・環境への影響はかなり出るし、「急ぎ働き」になるということじゃありませんか。
いってみれば、リニアは東京のメリットのために地方の、環境のような財産や地域そのものを盗むようなところもあります。静岡県はこれまで、盗賊(JR東海)と盗賊と通じた火付盗賊改方(国交省)の「連合」と対峙してきたことになりますね。
2024/06/24 追記:第一大井トンネルが行方不明
恵那市のリニア対策員会の第9回(2023年11月14日開催)の第9回会議資料によると、工事説明会が開催されたのは、JR東海の工事区域による7つの区分けで、大井町8区と長島町と武並町藤東部と武並町藤西部の4つ。大井町地区の3つの地区は工事説明会が開催されていない。。
JR東海の書き方では、この部分「第二大井トンネルほか新設」となっています。工事申請(*)の付図・路線縦断図によると、第二大井トンネルは全長が1561mで土被りが最大で37.85m。工区の品川よりに約100m程度の短いトンネルがあって、この付近は土被りが3.36mしかありません。ここは山を切りひらいて防音防災フードを設置するという感じの工事をするのかなと思います。縦断図にはトンネルの名前は書いてありませんが、恵那市の資料では「第一大井トンネル」となっています。
* 中央新幹線品川・名古屋間の工事実施計画(その1)の認可申請について(平成26年8月26日) の 「全幹法第9条第2項に基づく添附図書」の 線路縦断面図
この「第9回会議資料」の地図を見ると、トンネルが地下を通過する地区(当たり前)では、「地形測量」、「中心線測量」、「用地説明会」、「用地測量」、「用地交渉」については、「なし」って、予定がないと書いてあります。土被りが40m程度の場合、アンカーボルトは地上から約30m程度の位置まで打ち込む可能性があります。長野県内ではJR東海は、その程度の土被りの場合は区分地上権の設定をしたいので測量をしたいといっているようです。いまだに、測量させないといっている地主さんもいますが。恵那市の資料を見る限りは、他人の土地は誰の土地だかわからんけれど黙って掘ってやれ、掘っても問題はないという考えがみえみえですね。
長野県内だと、喬木村の阿島霊園の下を通する部分が短いトンネルで土被りは約40m。たぶんトンネルを掘削するんだろうとは思いますが、開削でやることになったら大騒ぎになるんじゃないかと思いますね。恵那の場合は「第一大井トンネル」(大井町2区*)は、地上に事業所(和菓子製造業の工場)があるし、道路が横切っています。
* 恵那市リニアまちづくり_基盤整備計画 のp27~P28参照
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