更新:2024/07/15、2024/07/16 一部修正
リニア計画の見直案
フェースブックの「リニアを考えようコミュニティ」に紹介された動画。 "塩坂委員が視察動画を公開して下さっています"。
動画は鈴木知事のリニアの工事現場視察に同行して撮影されたもの。西俣非常口ヤードまでの道路状況はかなりひどく、西俣から掘削を開始すれば、西俣に残土の仮置きできる部分がそれほどないことから、この道路をダンプカーが通行するだろうし、バラセメントを運ぶローリーも頻繁に走るはず。西俣は長野工区の釜沢地区の2つの非常口の地理的な条件よりさらに悪いようです。
長野工区と静岡工区を比べると、ちょっと似た感じのところがあります。
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大鹿村の釜沢地区の非常口まで大型車がいけないことはないですが、おそらく残土運搬で多数のダンプカーが走るのは無理です。JR東海は、釜沢地区に300m程度しか離れていない2つの非常口を計画。釜沢地区の釜沢非常口と上蔵地区の小渋川非常口の間の先進坑を工事用の道路トンネル(斜坑と合わせて全長約2.7㎞)として使っています。
静岡の千石非常口付近からは本坑へ向けて斜坑約3㎞と本線部分約3㎞、西俣ヤードに向けて「工事用トンネル」を約4㎞掘削するようです。現地の地上の条件を見ると非常に険しい山の中です。西俣からは斜坑3.5㎞と本坑部分3㎞です。千石も西俣も斜坑はどちらも約10%の下り勾配の掘削。机上で平面として考えると長いトンネルは約4㎞程度の工区に分けて掘る方が全体として早く工事が完了するはずです。
1.中央新幹線建設事業の計画及び工事概要 = 国交省の 第26回リニア中央新幹線静岡工区 有識者会議 配布資料 より
しかし、「いまとなっては」、長野工区と山梨工区から工区を延長した方が工期は短くなるのではないかと思います。長野工区側は工区境まであと約3.8㎞程でしょうから、JR東海はあと4年といっていますが、だいたい5~6年くらいで工区境に達するかも知れません。それから、あと約4.5㎞は、6~7年で掘れるかも知れない。それで、南アトンネルの掘削は完了です。これから最短10~13年で南アトンネルの掘削は完了できるかも知れない。
一方の山梨県側は、大井川の減水問題はありますが、もうじきに静岡県内に掘り進める状況です。
静岡県内では残土置場の問題もあります。これから2つの工事ヤードを造成したり、道路トンネルまで掘ってやって、滑った転んだりしているよりは、長野側と山梨側から掘ったほうが良いのでは? 導水トンネルは必要かも知れないけれど。
長野県内だって残土置場の問題はあるんですが、長野は県や市町村の行政がJR東海さんに非常に甘い(弱い)ですから大丈夫かも知れません。じつは、JR東海のそもそもの計画もそうだったりして…。少なくとも西俣非常口は「いまとなっては」意味がないと思うんですが?
建設中止しかない
でも、瑞浪の井戸水の問題なんか考えると、静岡県が着工を認めるとは思えないので、結局、リニア建設は中止するしかないでしょう。諏訪湖の付近でカーブするルートは超電導リニアの走行技術の技術面での制約から無理でしょうから。
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