更新:2024/10/25

くらべてみようリニアのガイドウェイとレール

~2024年高森町公民館文化祭でパネル展示~

 以下は、2024年高森町公民館文化祭で展示したパネルの内容のネット版です。文化祭の展示は10月20日から26日まで。展示時間は午前8時30分から午後9時30分(月曜日は午後5時まで)(詳細)。


くらべてみよう
リニアのガイドウェイとレール

長野県高森町、下市田河原のリニアのガイドウェイ製作保管ヤード

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JR飯田線、市田駅北のレール置場

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[ 画面クリックで拡大 ] 鉄のレールは、カーブにあわせて、曲げれます

 高森町の「ガイドウェイ製作保管ヤード」で作っているガイドウェイは、鉄道ならレールです。

 ガイドウェイのかたちはまっすぐで、長さは12m58㎝。

 まっすぐはよいけれど、さて、カーブではどうするの

 公民館のロビーの東側のテラス。タイルを丸く並べています。

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中心に近い方はいろいろな形のタイルをつかっています。外側のほうは、みな同じ四角なタイルです。

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タイルとタイルの間にはスキマがあります。リニアのガイドウェイも同じようにならべます。

 12m58㎝のガイドウェイを12m60㎝ごとに並べるというのは、そういう意味、スキマのためです。

※ コンクリートは常温の範囲で、長さ10mの部材なら10度上昇すると約1mm膨張しますが、2㎝というスキマはその範囲を大きく超える数字です。

 だけど、それでは、ゆるーいカーブしか走れない。ほとんど直線しか走れない

 それに、レールに比べてずいぶんとおおげさ。

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[ 画面クリックで拡大 ] リニアのガイドウェイの幅は3.3mで、車体の幅は2.9m。新幹線のレールの幅は1.435mで車体の幅は3.36m。

 レールは、船や、ほとんどは鉄道を使って運びます。レール専用列車で、長さ25mのレールなら46本、200mのレールなら16本を1度に運びます。ガイドウェイはトレーラー1台で12m58㎝を1本(枚)しか運べません

 市田駅北のお祭り広場の東側に昔の引き込み線があって、保線用のレールが保管してあります。高森では、ガイドウェイもレールも実物が見れるのです。リニアが本当に優れた技術なのかどうか、考えてみるのもよいのでは…。

 物を運ぶのに、車のついた道具を使うと楽です。

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リニアは重い列車を持ち上げて走らせようとする。なんか無理があるんじゃないか、エネルギーのムダがあるんじゃないかと、本当は子供でもわかることでしょう。実際、事実としては、同じ速さなら、車輪を使った新幹線のほうが、超電導リニアより電力消費は約半分です。

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 50年も前のことです。超電導リニアのアイデアの元祖のアメリカでは研究はしたけれど開発はしませんでした。ドイツも研究はしたけれど開発はしませんでした。本気で開発しているのは日本だけです。アメリカもドイツも一流の工業技術国です。開発する意味がないと考えたのかも知れません。


要対策土の行く先も決めずに工事を始めたのが、そもそものマチガイ

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 長野県駅の東の端は国道153号線と土曽川をまたぐ橋です。

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 JR東海は、2022年秋の説明で、この橋の橋脚の基礎部分の工事でケーソン工法を採用すると説明。ケーソン工法は、まず地上で基礎の形をしたコンクリートの箱をつくって、箱の下側を掘って地中に沈めていきます。現場から残土が出るので、JR東海はケーソン基礎の箱の中に詰めると説明しました。

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 今年の2月、JR東海は、ケーソン基礎の中には、大鹿村内で保管している、基準値を超えたヒ素などを含む「要対策土」を使うといいだしました。

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 工事の場所は人家も農地も多い場所です。上郷地区の住民の団体「リニアから自然と生活環境を守る沿線住民の会」(以下「沿線住民の会」)は、約6400筆の署名をあつめ、7月終わりに、JR東海に、要対策土の使用中止を、飯田市には使用中止をJR東海に求めるよう、署名とともに要望書を提出しました。また8月には県知事にJR東海に使用中止を求めるよう要請文を出しました。

 JR東海は、9月13日に土曽川部分の工事についての環境保全計画の修正版を公表。これを受けて、長野県環境影響評価技術委員が9月27日に行われました。

 『信濃毎日新聞』によると委員からは:

・なぜ2022年の保全計画で要対策土を使うと書かなかったの

・「要対策土が出るのは分かっていたはず」でしょ

・地元にとっては死活問題だよ

・重金属類の漏れ出しが懸念され、半永久的に地下に置くのは不安

・「『人が住んでいる所に要対策土を持ってくるのは、環境保全的に考えにくい行為。基本から言えば許されない』

 と厳しい指摘が出たそうです。結局、10月17日に再度委員会を開くことになりました(*)。

* JR東海が委員会で使う資料を作成中なので、つまりまだ準備ができていないという意味だろうと思うのですが、そういう理由で、10月17日の委員会は11月(期日未定)に延期されました。

 専門家の委員が指摘していることは、「沿線住民の会」のいっていることと全く同じです。

 飯田市は、なにかあった時の責任のありかを明確にするための文書を取り交わす必要があると考えているようです。しかし、「人が住んでいる所に要対策土を持ってくるのは、環境保全的に考えにくい行為」。持ち込ませないのが一番。万が一を想定するならやらないというのが予防原則というもの。

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 今年も暑い夏でした。大鹿から運ぶ時に出てくる温室効果ガスは、現場の残土を使えば、出さなくてすむもの。JR東海は、同じ修正版の環境保全計画の中で、「運搬計画の合理化による運搬距離の最適化」で温室効果ガスを減らすといっています。自らの保全計画の方針に反するものです。

 要対策土だけでなく、大量の残土が出てくることが分かっていたのに、その行く先も決めずに工事を始めたのが、そもそものマチガイでした。


リニアは理に合わない リニアは利に合わない

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(大鹿の皆さんが作ったポスター)
リニアから守りたい暮らしがある


リニアは腐ったオレンジ

JR東海の中にもリニア反対の声があります。JR東海労働組合のリニア計画に対する主張です。リニアは腐ったオレンジ?

以下は、ジェイアール東海労働組合(JR東海労)『NO!リニア』 から、10 の号を選びました。リニアの問題点が簡明に示されています。


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パネル展示:左右の青い図形はリニアの自立式ガイドウェイ側壁の断面の実物大で間隔も実物と同じ3.3m。中央下側の黄色いラインの両側に実物大の新幹線のレールの断面。


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