更新:2025/01/21
「沿線住民の会」、商工会議所会頭と懇談
16日、「リニアから自然と生活環境を守る沿線住民の会」(以下「沿線住民の会」)が飯田商工会議所会頭・原勉さんとリニア計画について意見交換(懇談)を会議所で行いました。
「沿線住民の会」が会頭との懇談を考えたのは、『信濃毎日新聞』12月11日に掲載された、原会頭へのインタビュー記事がきっかけです。
懇談のなかで、原会頭は、2027年開業が2034年以降になったことについて、工事の完成時期が先送りになることは、一般の企業であれば「約束違反」であり、住民はJR東海に対してもっと怒りを示してよいのに、なぜだか、そういう声が出てこないといっていました。確かに普通に考えると「約束違反」ですね。すくなくとも推進派はそのことを強く指摘すべき。そもそも反対とか批判的な立場では、それみたことかという感じなので「約束違反」という発想はなかったです。
会頭は、要対策土について、ゴミ焼却場が桐林から稲葉に移転したことなんかそうだけれど、大鹿に置いてあることで、周辺住民に被害が云々という指摘があり、じゃあこっちへ持ってくるなというのもどうかとの捉え方もできるのではとの言葉もあったのですが、(1)大鹿の仮置き場にしても、土曽川の橋りょうの基礎にしても、人の住む場所に置くことはマズイ、どちらもマズイという考えかたもできます。(2)ごみ焼却の煙については、だいたいは風は南から北に吹いているので、焼却所のすぐ周辺だけでなく、焼却所より北の地域ではダイオキシンなど有害物質が多量に含まれているとすれば、焼却所周辺だけの問題ではないこと、(3)焼却所は住民にとって必要なものですが、おそらくリニアは絶対に必要というものではなく、不要なものために、田舎の住民がヒ素など重金属類の流出を心配する意味はないですね。
それは別として、経済界は「もはや」リニアにそれほど期待していないという印象を強く感じました。だから、リニア開業を前提とした駅前周辺整備じゃなくて、他のことを考える更地として考えるべきだということらしいです。で、ソルガムを栽培するというのは、土地の使い方としては理解できるものです。そうそう、日本の政策が農業を軽視してきたということも言ってましたね。
しばらく前に法人会の会員のなかでリニアに期待していない人が多いというアンケート結果が出たり、数年前に長野県世論調査協会の調べで南信でもリニアに期待が33%にすぎず、期待しないが6割超だったという結果もありました。
メンバーの中に市議会議員時代に一緒にやっていた人がいた関係もあり、ざっくばらんな話が聞けたと思います。移転対象になった住民について犠牲というべきでないと発言した前の柴田会頭の時代にリニアに批判的な団体と商工会議所会頭との懇談などは考えれなかったことです。
石破茂氏も基本的にはリニアには批判的ですがそういう方が首相になったりと、まあ、リニア計画が事実として頓挫しかかっているという背景もあるとはおもいますが…。
そうそう、川勝氏は静岡県民が3回も選んだ知事であり、静岡県が原因で工事が遅れているなんてことは絶対ないとも強調しておられましたね。
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