更新:2025/03/20
第35回大鹿村リニア連絡協議会、3月19日
19日夜、大鹿村リニア連絡協議会が村交流センターで開かれました。JR東海の説明からいくつか紹介します。
トンネルの掘削状況
静岡県境まで残り2.8~2.9㎞
南アトンネル長野工区は、先進坑8㎞中4.1㎞を掘削済、本坑8.4㎞中2.2㎞を掘削済とJR東海は説明。静岡工区まであと何キロなのか?もともと先進坑は本坑に並行して掘削する予定だったので、先進坑を掘らない部分が0.4㎞。小渋川非常口(からの斜坑と本坑部分の接続部分=以下同じ)と釜沢非常口の間の先進坑が1.6㎞。釜沢非常口と除山非常口の間で先進坑を省いたので、釜沢非常口と除山非常口間が約1.5㎞-0.4㎞=1.1km。先進坑の掘削延長4.1㎞-1.6㎞-1.1㎞=1.4㎞が除山非常口から先進坑の掘削距離。除山非常口から静岡工区までの距離は4.9kmなので、静岡工区までは3.5km程度。工区境は県境から700なので、県境までは2.8km程度。
こうやって計算すれば、推定できるんですが、JR東海さん自身が、静岡まであと何キロと説明してほしかったですね。
追記 2025/03/20:会議終了後の囲み取材の中で、JR東海は静岡県境まで先進坑で2.4㎞といったようです(ただし、即答ではなかったようです)。静岡県境まで2.4kmなら工区境までは3.1㎞。2023年12月22日の連絡協議会で除山非常口の先進坑の残りは(=静岡工区との境までは)3900mといっていました。それから約15カ月たっています。
追記 2025/03/21:JR東海の今回発表資料をもとに、数字を直しました。会議終了後の取材への数字と若干違いがあるようです。
伊那山地トンネル・青木川工区
伊那山地トンネル青木川工区は本坑3.6㎞中1.2㎞を掘削完了。まだ、蛇紋岩の出る部分が続くので慎重に掘っているようです。
本坑の切羽付近を示す写真。トンネル内面の黒く見える部分は水が染み出ているところでしょう。この内側に防水シートを貼ってさらにコンクリートを打たないとトンネルの「使う部分」に水がきてしまいます。
小渋川変電所(電力変換所)
小渋川非常口そばの変電所予定地=残土仮置き場Eで行った要対策土の施工試験ヤードで使った要対策土はトンネル内に保管する(仮置き)とのこと。
説明はこれだけ。
南アトンネル新設工事の環境保全計画を2月26日に更新したとの説明がありましたが、詳細な説明はなく、新聞が取り上げていた変電所の敷地造成で擁壁以外に盛土にも要対策土を活用することを中止したことについては、重要な問題なのに説明をしませんでした。委員の質問にこたえるかたちで説明はありましたが、公共事業での活用とか自社用地で活用といっても使える部分が非常に限られてしまうのではないかとの指摘がありました。また、かつて当時の長野県担当部長だった沢田尚夫常務(現在)が、残土置場が見つからない場合はどうするのかとの質問にトンネル掘削を中止すると答えた話を紹介した委員もいました。
アスベスト
ちょっと気になったのは、鳶ヶ巣沢環境対策事業についてのモニタリング結果の「粉じん」(空気1リットルあたりのアスベストの本数)についての説明。基準値以下だったと説明しているんですが、4つの地点で工事前と工事が始まってからでは、2倍から10倍弱に増加している点。基準値以下だからでは済まされないと思います。
そのほか:
土曽川橋りょう工事への運び出しについて、JR東海としては県の助言に反して実行するつもりのようです。
小渋川橋りょう工事の説明会は今年の夏ころ。小渋川橋りょうについては近くに氷瀑(滝)があり、景観を損なわないようにとの声が出ましたが、JR東海は、聞いているが、位置を確認していないと説明。委員は、説明会の前にしっかり調査するよう求めていました。
工事のために道路改良とかやったのに(やっているのに)、現在工事が最盛期ということで、ダンプカーなど工事車両が非常に多く、道路改良をすればスムーズに通れるといった状況ではないとの指摘も出ていました。
落石事故防止のため行われている落合トンネル工事の残土は、鹿塩地区の処分先だけで間に合わず、青木の深ケ沢に運ぶために下榑渡橋近くに仮置きしているようです。
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