第104回国会 環境特別委員会 第4号

昭和六十一年四月三日(木曜日)

   午前十時開会

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   委員の異動

 四月二日

    辞任         補欠選任

     寺田 熊雄君     久保  亘君

     安恒 良一君     村沢  牧君

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  出席者は左のとおり。

    委員長         矢田部 理君

    理 事

                山東 昭子君

                吉川  博君

                菅野 久光君

                飯田 忠雄君

    委 員

                石井 道子君

                石本  茂君

                上田  稔君

                梶木 又三君

                藤田  栄君

                星  長治君

                矢野俊比古君

                柳川 覺治君

                久保  亘君

                村沢  牧君

                高桑 栄松君

                近藤 忠孝君

                青木  茂君

   国務大臣

       国 務 大 臣

       (環境庁長官)  森  美秀君

   政府委員

       公害等調整委員

       会委員長     大塚 正夫君

       公害等調整委員

       会事務局長    菊池 貞二君

       環境庁長官官房

       長        古賀 章介君

       環境庁長官官房

       会計課長     山下 正秀君

       環境庁企画調整

       局長       岡崎  洋君

       環境庁企画調整

       局環境保健部長  目黒 克己君

       環境庁自然保護

       局長       加藤 陸美君

       環境庁大気保全

       局長       林部  弘君

       環境庁水質保全

       局長       谷野  陽君

   事務局側

       常任委員会専門

       員        桐澤  猛君

   説明員

       環境庁長官官房

       参事官      杉戸 大作君

       法務省民事局第

       三課長      田中 康久君

       厚生省生活衛生

       局水道環境部環

       境整備課長    加藤 三郎君

       水産庁振興部沿

       岸課長      堀越 孝良君

       運輸省港湾局管

       理課長      森谷 進伍君

   参考人

       日本道路公団理

       事        戸谷 是公君

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  本日の会議に付した案件

○参考人の出席要求に関する件

○昭和六十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議

 院送付)、昭和六十一年度特別会計予算(内閣

 提出、衆議院送付)、昭和六十一年度政府関係

 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について

 (総理府所管(公害等調整委員会、環境庁))

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○村沢牧君 時間がありませんから次の問題に入ります。

 低周波公害について聞きますが、低周波空気振動について環境庁が今まで行ってきた調査研究と今後の対応について明らかにしてください。

○政府委員(林部弘君) 時間が余りありませんので簡単に申し上げますが、五十一年以来現在まで十年研究が続いております。それで五十八年の時点でそれまでの研究につきまして一度おまとめをいたしまして、もちろんこれは科学的なデータに基づきまして、専門家の御検討を経てまとめたものでございますが、その内容について簡単に申し上げますと、これは一つは低周波空気振動の実態調査、それから二番目は低周波空気振動による建具のがたつき等に関する調査、それから三番目が低周波空気振動の人体に及ぼす影響に関する調査と、大きく分けますとその三つでございます。

 結果に関しましては既に御報告いたしておりまして、一般環境中に現実に存在しておりますレベルでの低周波空気振動では人体影響、特に生理的な影響あるいは睡眠影響といったような人体に及ぼす影響というものが必ずしも明確にはつかめなかったと。しかしながら、今後の方向としては、一般環境中におきましては、低周波空気振動だけが単独に存在するというよりは、やはり騒音、特に可聴音と複合して存在しているというようなことが現実にはあるわけでございますので、今後は両者を複合した条件のもとでの諸影響についてさらに解明をする必要があるのではないかという御指摘がございまして、現在はその線に沿って調査研究が続けられておる、こういう状況でございます。

○村沢牧君 環境庁が行った低周波空気振動調査報告書、五十九年十二月に出していますが、これを見ると、今答弁があったように、人体に及ぼす影響を証明し得るデータは得られなかったとか、建具のがたつきについては、低周波振動によるものか否か一概には判断できないというようなことが記されておるわけでありますが、低周波公害に悩まされている人が現実におる、発生源の除去について強い要請がある、こういうときに環境庁がこのような判断を行っていることは極めて軽率であり、現状認識が余りにも甘いのではないかというふうに思いますが、どうですか。

○政府委員(林部弘君) 認識についてでございますが、人体影響の関係では生理的な影響、睡眠影響について調べております。これは心拍数とか、呼吸数とか、まばたき、血圧、脳波誘発電位といったような生理的な指標、それからストレス反応としての尿中のホルモン量、それから睡眠影響につきましては睡眠の深さに着目をいたしまして、これは実験室においてでありますが、低周波そのものを単独に取り出しまして、それを暴露実験をやりまして、それでその影響を見る、こういうようなことでいろいろテストをいたしましたが、低周波単独では、一般に環境の中で見られるようなレベルでははっきりとしたものが出てこなかったという、これはそういう事実を踏まえて私どもはまとめたわけでございまして、全く問題がないという言い方をしたつもりはございません。

 したがいまして、先ほど申しましたように、複合影響という形で可聴音と合併した場合、複合した場合にどうなるかということで、視点を変えて十年近くいまだに研究をやっている。

 それから対策につきましては、がたつきにつきましては、今、先生御指摘のようなことがレポートに書かれておりますけれども、現実に個別、具体的な事例の中で、がたつきのために有効と思われる施策を施した場合に、それは有効であるということはしばしばあるわけでございますから、それはいろいろな現場においては建具のがたつきのために有効と思われる施策というのは現実にはかなり行われている現状であるというふうに私ども理解しておりますし、昨年十二月でございましたか、これは道路とは限らないのですが、もういろいろなところから出てくる問題がありますので、低周波空気振動についての事例に具体的に適用のできる技術につきましては、一種の事例集と申しますか、マニュアルのようなものをつくってやっておる、こういう状況でございます。

○村沢牧君 具体的な問題に触れます。中央道西

宮線の長野県阿智村地籍にある阿知川橋は長さ三百九十二メートル、高さ二十メートルの長大橋でありますが、昭和四十九年建設当時から橋の下の家屋に騒音、振動が発生し、建具を揺するだけでなく安眠を妨害され、日常生活が脅かされる。ついに五十一年七月四日には、この橋の下に住む一主婦が自殺をするという、こういう事態が発生しています。私は、昭和五十三年三月の本院予算委員会でこの問題を取り上げ、政府並びに道路公団に対して、公害防止のための積極的な対策を講ずるべきだと要請をした。その後、道路公団も一定の対策を講じたことは認めるけれども、関係住民は依然として振動、騒音あるいは日照不足に悩まされている。環境庁はこのような実態を承知していますか。

○政府委員(林部弘君) 今、先生が御指摘されましたようなことは承知しております。

○村沢牧君 環境庁はこの地域を調査していますか。

○政府委員(林部弘君) 私どもの行いました調査といたしましては、全国調査の一環として実測調査を行っておりますが、調査を行いました時点は、もう十年近い前でございます。

○村沢牧君 環境庁が調査をしたこともこの記録には載っております。そこで環境庁は、この公害は低周波の空気振動によるものであるということはお認めになりますか。

○政府委員(林部弘君) 先ほどもお答えをいたしましたように、低周波のみの影響であるかどうかということについての判断はなかなか難しいと考えておりますし、先ほども申しましたように、低周波のみの影響というものの評価も現在の時点ではまだ未解明な領域がございまして、確立しておりません。したがって、複合的な見地からどういうふうに評価するかというあたりを現在調査をしているということでございます。

○村沢牧君 今の答弁は、私は先ほど申しましたように国会でこの問題を取り上げたのですが、そのときの私に対する答弁と大分変わってきている。その当時は、環境庁は低周波による公害だということは認めている。時間がないからきょうはその問題は言いませんけれども、よく会議録見てください。

 そこで、長野県は昭和五十年から現在までこの地域の調査を四回行っている。県の弁護士会だとかあるいはその他の団体も調査をしているのです。昨年の八月行った調査結果を環境庁及び道路公団に提出して、それぞれの対応を要請しているわけでありますが、環境庁はこの調査の結果についてどのような判断をしていますか。

○政府委員(林部弘君) この調査の結果につきましては、一言で申しますと、交通量が非常にふえている、それから大型車の混入率が非常にふえているということがどういう影響を及ぼしているか、そこが一番ポイントのように考えております。ただ、このレポートにも書いてあるわけでございますが、上端値、上限と下限と申しましょうか、そこのところは台数の変化というものと必ずしも並行していない、こういうような状況にあろうかと思います。それでこれをどう評価するかということにつきましては、先ほどお答えをいたしましたように、低周波振動そのものについての評価が私どもの段階でまだ定まっていないということでございますので、評価そのものについては、現在の時点でははっきりお答えはできないと思います。ただ対策の面では、先ほど申しましたように、有効と考えられる施策については、できるだけやっていただくということで現地に要望してきておる、こういうことでございます。

○村沢牧君 すべての原因が低周波だとは言い切れないとしても、主たる原因は低周波である。このことはお認めになりますね。

○政府委員(林部弘君) その点については、はっきり今の時点では、そういうふうに断定はできないというふうに思っております。

○村沢牧君 断定はできないということは、もう少し時間があればここで審議をとめて、この前の会議録をここで見てもらうところですが、あなたの答弁は、前に環境庁が答弁したことと違っているのですよ。低周波であるということを認めている。だから、県の報告書を見ても低周波だということをお認めにならない。例えば県の報告書を見ると、昼間の測定値は前回調査に比べて余り大きな変化を示しておらないが、夜間では年を経るに従って増加傾向が認められ、特に中央値及び下端値の増加が顕著である。また交通量が多くなるに比例して振動が大きくなることが明らかである。これを見ても低周波であるとは言わないんですか。

○政府委員(林部弘君) 私は低周波は関係がないと申し上げているのではなくて、低周波のみによって起こっているというふうには断定できない、そういうふうに申し上げているわけでございまして、先生の五十三年の御指摘の議事録も私何遍も拝見しておりますし、今も手元に持っておりますが、私どもの認識としては、低周波がかかわり合いのある問題であるということについては否定はいたしておりません。しかし、低周波によって起こっているというふうに評価をするには、低周波そのものに対する評価というものが、長い間の研究で低周波だけで評価することは難しいということで、複合影響という角度から現在調査研究をしている、こういう状況でございますので、低周波が関係がないということを申し上げているのではございませんで、低周波のかかわりはそれは認めております。しかしながら、低周波だけでこういうことになっているというふうには断定できない、こういう理解でお答えをしているつもりでございます。

○村沢牧君 では今私が指摘をした県の調査結果を見て、環境庁としては、この程度の障害であっては余り騒ぐほどのことはないというようにお考えになるのですか、これは何とかしなければならないというようにお考えになるのですか。この判断についてお聞きをしたい。

○政府委員(林部弘君) これはもう先生既に御案内のことと思いますが、県が私どもに要望してきていることは、早く環境基準をつくってくれということだけしか県は言ってこないわけでありますけれども、前回の私どもの方の答えでも、ガイドラインあるいは基準の設定ということについては相当の年月を要するというふうに考えると申し上げておりますし、そのことについては相当な年月がたちましたけれども、まだ低周波問題についての評価ということについては確定した答えを得るまでに至っておりません。

 しかしながら、対策の面で可能なものについてはできるだけ実現していくという方向でお答えをしているわけでございますから、先ほどがたつきに対する対策について若干私コメントいたしましたけれども、可能な限りの施策については現地で、当事者間でお話し合いをいただいて、できるだけ実現をしていただく、そういう形での要望はしてきておるわけでございます。ただ、その辺県の取り組みが、そこら辺がどういう形になっているかという点については基準待ちというような感じがございまして、必ずしも基準が出なくても当然可能なことは進めるべきだというのが私どものスタンスでございまして、そういう意味では、県に対してもそういう方向で取り組む必要もあるのではないかというように、昨年からことしにかけて県と私どもがこの問題について意見を交換した際も申し上げておるというのが実情でございます。

○村沢牧君 きょうは道路公団に参考人として出席を求めておりますので、公団に聞くけれども、この地域の公害は、中央道阿知川橋を発生源とする振動障害である。このことはお認めになりますか。

○参考人(戸谷是公君) 公団としましては、中央道阿知川橋の低周波等の問題につきましては、従来より重大な関心を持っており、実態の把握とか種々の対策を講じてまいったところでございますので、先生のおっしゃることもよくわかります。

○村沢牧君 低周波振動によるものであるということはお認めになりますか。

○参考人(戸谷是公君) 低周波もそのいろいろな現象のうちの一要因であろうかと想像しております。

○村沢牧君 ちょっと待ってください。私は道路公団が地元へ配っておる公式文書持っておるのですけれども、低周波もなんて書いてない。低周波公害についてはと全部書いてある。主たるものは何ですか。ちょっと見てください。(資料を示す)低周波もなんて書いてない。

○参考人(戸谷是公君) 私の申し上げましたのは、この阿知川橋付近の振動の問題、それから家屋のがたつきの問題、騒音の問題、それらを含めて申し上げたわけでございます。

○村沢牧君 今言ったことは、低周波振動障害によるからあなたたちがいろいろな対応を加えた、この原因は阿知川という橋が原因をしておる、中央道が原因をしておる、このことは間違いないわけですね。

○参考人(戸谷是公君) 従来この地域の問題は、いろいろな振動の中で、低周波振動が中心的な大きな問題であると理解しております。

○村沢牧君 そこで環境庁、今答弁があったように低周波振動が原因であるという理解をしておる。公害については、発生源者の責任というのは環境庁はどういうふうに理解をしておるか、承知していますか。

○政府委員(林部弘君) 発生の原因が明確である場合には、発生源者の立場でできるだけのことはしなければいけないという理解でございます。

○村沢牧君 今まで指摘をしてきたように、この地域の低周波公害の発生源が中央道にあることは間違いない、これは道路公団も認めておる。したがって、中央道を建設した道路公団が公害の除去について努力をすることは当然のことでありますが、どうしても除去することができないとするならば、それなりの対応をしなければならない責任がある。どうですか。

○参考人(戸谷是公君) この問題につきましては、既に工事中地元住民から苦情の申し立てがあったのでございますが、それ以来いろいろな調査を行うとともに、発生源の対策といたしまして、橋梁の伸縮継手部の前後の舗装の平坦性を確保するための補修工事であるとか、橋梁の上部鋼を補強して橋の剛度を高めることにより振動を低減させる橋げた端部の補強工事であるとか、橋げたの振動を減少させるダンパーの設置工事、あるいは通行車両の速度オーバーによる騒音の増大を防ぐ目的としての速度警告装置の設置、また反射音を吸収するために家屋前面に植栽工事を行う等やってまいりました。また受音点対策といたしましては、試験的ではございますが、パテ及びピンチブロックを戸、障子、建具等に取りつけることもやってまいりましたが、今後ともいろいろと研究して検討してまいりたいと思っております。

○村沢牧君 いろいろ対策をやってきたことは私も承知をしており、今答弁のあったとおりであります。しかし、いろいろやってきたけれども、現実まだ振動障害がなくならない。そこで地元から強い要請があり、また対策を求めておるわけです。このようにいろいろやったけれども、まだ除去することができないという現実があるということは、この橋の構造あるいは設計上に欠陥があったのではないか、あるいは周辺対策に手落ちがあったのではないか、こう指摘をせざるを得ないのですが、どうですか。

○参考人(戸谷是公君) 橋梁の規模とか形式につきましては、その地域の地形や道路前後の線形、施工性等から選定されるものでございまして、橋梁自体に欠陥があるということは考えておりません。今後さらに低周波振動軽減のための有効な対策を見出して、引き続きいろいろ検討してまいりたいと現在考えております。

○村沢牧君 同じ中央道でも最近架橋した岡谷の長大橋、これは私が指摘をしている阿知川橋よりもはるかに大きいのです。これについてはそのような苦情も出ておらない。このことは阿知川橋に比べて構造が違う、あるいは橋脚の下の土地の買収も後からつくった岡谷の方がはるかに広く買収をしている。この状況を比較してみた場合にどうなんですか。

○参考人(戸谷是公君) 構造は阿知川橋と岡谷の高架橋は先生御指摘のように違います。阿知川橋につきましては、これは山合いの非常に狭い地域に計画されたものでございまして、三百九十二メーターほどの橋長があるわけでございますが、形式は鋼三径間連続トラスと鋼四径間連続けたでございます。また岡谷につきましては、市街地を分断する開けた地域に計画されたものでございまして、橋長は五百九十三メーターございますが、形式はPC五経間連続ラーメン箱げたということになっておりまして、大きく申し上げますと、メタルとコンクリートの差があるわけでございます。道路面の高さも阿知川橋が十ないし三十メーターに対しまして、岡谷では六十メーターと非常に高いような状況でございます。

 また、御指摘のように岡谷高架橋につきましては、岡谷市街地の住宅密集地域を横過しておりますことから、環境施設帯を片側それぞれ車道端から幅十メーターずつ確保しております。

○村沢牧君 道路公団が阿知川橋以後に建設した道路や橋梁でこのような低周波公害が発生したところはほかにありますか。

○参考人(戸谷是公君) 低周波公害という名を打ってはございません。

○村沢牧君 つまり、私が今指摘をしている橋は高速道高架の低周波のいわば試験台、モルモットになった、これしか言えないのです。こういう橋の経験から、その後はこんな公害が発生しないようにいろいろ対応した。ですから、この地域住民は今お話しがあったように、岡谷は市街地だからいろいろ手当てをした、しかし私が今指摘をしている阿知川の橋だって住家十分あるんですよ。ですから、この地域はモルモットになったんですよ。どう考えますか。

○参考人(戸谷是公君) 低周波の発生問題につきましてはまだ十分解明されておりませんし、現実にこのような一般環境の中でも低周波というものは発生しておるわけでございますから、その後につくった橋梁が低周波を発生していないということは考えておりません。

○村沢牧君 考えてないということはどういうことですか。

○参考人(戸谷是公君) 考えてないということは、発生することも発生していることも多かれ少なかれあるのではないかと思います。

○村沢牧君 いずれにしてもこのような問題が出たからその後道路公団も気をつけるようになった、こういう公害が発生してはいけないということで構造も変えたり、あるいは橋の下の用地も広く買収するようになった。ですから、この当時はそんなこと全然考えないからこういうことが出ている。したがって、道路公団は今後とも対策を講ずるというように言っておりますけれども、いかなる手段、方法を講じてもこの地域の公害を除去するために努めていかなければいけない。もしいろいろやってみたけれども、どうしても公害を除去することができないとするならば、その橋の下にある家屋は移転等も考えなければならない。今後どのように対応しますか。

○参考人(戸谷是公君) 低周波に関する発生及び人体影響等のメカニズムは現在まだ解明されておりませんので、低周波もその一因であるとされております阿知川橋の周辺の家屋移転につきましては困難ではないかと考えておりますが、低周波の軽減に努めるよう、今後とも技術的な検討を続けてまいりたいと思います。

○村沢牧君 いろいろ学問的、技術的な問題が解明されておらないとしても、公団のつくった長大橋によってこのような公害が発生をしている。したがって、今まで対策を講じたけれども、今まで講じた対策でもって終わりとするのでなくて、これからさらにいろいろな対策を講じていかなければいけない。あるいは地域からいろいろな要望が出ていますが、これについても相談に乗っていかなければいけない。あるいは関係の町や村からも要望が出ておりますけれども、これについてこた

えていかなければいけない。その用意がありますか。

○参考人(戸谷是公君) 先生御指摘の諸点につきまして、今後十分意を用いていきたいと考えております。

○委員長(矢田部理君) 村沢君、そろそろ時間が参りました。

○村沢牧君 最後に環境庁長官にも要請しておきますが、このような問題が現実に発生をして地域住民大変苦しいんですよ。過去には自殺者も出た。その当時と大して今の現状は変わっていない。ですから県も何回も調査して、環境庁にも調査報告書を送っている。どういうふうに対応したらいいかという指導もいただきたいと言っているのです。それに対してナシのつぶてで何にも回答もない。公団も今言ったような調子なんです。そこで、関係の住民なりあるいは町村は環境庁長官にぜひお願いをしたいということで近く出てまいりますから、そのときには長官が対応してもらいたい。よろしいですか。

○国務大臣(森美秀君) 先ほどからのお話、よく承っております。

○村沢牧君 承っているじゃなくて、聞いているのは当然ですよ。私が質問したのをあなた聞いているのは当然だけれども、そういう要請があったら、環境庁としても誠意を持って対応していく、そういうお気持ちを持っていますか。

○国務大臣(森美秀君) 検討してみたいと思います。

○村沢牧君 時間ですから終わります。