JR東海事業説明会 高森町福祉センターの質疑応答

2014年11月18日

質問1:(1)各地でいろいろな質問がでたと思う。水の問題、道路の通行量の問題、私の村がつぶれてしまうではないか、昼神温泉は客がこなくなるなど。どこどこで利用するといっているが、廃土の量は恵那山トンネルや権兵衛トンネルの比ではなく大量で利用などできるわけはない。騙さないでほしい。それらをどこへもって行くかは秘密のままである。これから考えますという話だ。上郷地区は駅ができるが、(住民に)出て行けということだ。金はやるから出て行け、行き先は自分で見つけよということだ。これは前回(飯田会場11月14日)、(沢田)部長さんから聞いた。駅位置について、もっと人家の少ないところ、産業活動の行われていないところ、なるべく被害の少ないところにすべきではないかという意見もでた。社長とまでは言わないが、部長さんはじめ今日説明に来ているJR東海の方が、これまで出された質問について、これは取り入れるというようなものがあるか。影響はない、少ないという説明で押し切るつもりか。

(2)この高森町には松島信幸さんという地質学者がいる。名前をご存知か。南アルプスを中心とする伊那谷の本当の権威。どこかの大学教授やアルバイトでやっている大学教授がこうこうしたというようなものでなく、本当に熱意をこめて南アルプスの保全そのほかに取り組んでこられた。いろいろ提言をされているが環境影響評価に取り入れたか。

(3)廃土の問題は隠されたと思っているが、高森町に廃土をよこすか。利用土ではなく廃土だ。

回答1:(沢田)(1)質問にはその場で答えているものもあるが、まだ決まっておらず今後の工事説明会などで答えなければならないようなものもある。たとえば発生土の置場はこれから調整して決めていくので具体的な場所はこれからの説明会の中で具体的に説明していく。いろいろな段階で説明していくが、説明会で頂いた意見は事業者として取り入れていくのが基本姿勢だ。環境保全、安全の話、いろいろ地域で心配、不安があると思うが、こういったご説明を伺いながら、いろんな場面で説明させていただく場面があると思うので、工事の着工まではいったりきたりということになると思うので、ご意見をお聞きしてその場で答えられることは答えるし、すこし先にならないと答えられないことは先のほうでお答えし、またそこでも質問が出るかもしれないが、そういったやり取りをしながら理解をいただけるような取り組みをしていきたいと思っている。取り入れるべき質問は取り入れるという姿勢でやっている。

(2)松島さんの名前は知っている。その方の知見をアセスに取り入れたかということだが、直接的には取り入れていない。これまでの地質調査結果とか、地形地質に詳しい方の意見を伺いながら進めているが、松島さんのお話は直接伺ってはいない。

(3)発生土の置場については、7月に長野県から候補地のリストをいただいた、(スライドでリストを示しながら)市町村別にマルが付いている。マルがついているだけなので、このあと各市町村に行って具体的な話しを聞いている。工事は非常に長いので、JR東海としては、これは第1回目の提示と受け止めているし、県もそういっている。この中に高森町はご覧のように入っていない。今のところは発生度置場を高森町にもってくることは考えていないが、これからつめていくと高森町からこういうところがあるという話しが出てくるかも知れませんので、今日の段階では高森町に土をもって行くかどうかについては答えは正直いって答えられない。市町村からヒアリングをして、地形とか運搬距離とかいうことで優先順位付けてこれから調査をしようと思っている。大きな場所もあるので、JR東海として発生度に関して騙していることはなく、これから決めていくところだ。地権者等に具体的な話はしていないのでどこへという具体的な話はできる段階ではない。これから地形とか環境の調査をしてから地権者と話をするという段階になるので、県内で出る発生土をどこに持ってくかはこれから工事説明会などで説明できる、そういった話をせずに工事着工することはない。どこを通ってどこへ持っていくという話をきちんとしてから工事の着工になるということでご理解いただきたいと思う。

質問2:(1)本事業に伴って送電線の新設が行われるのか。(2)説明会で示されたスライド資料はホームページでダウンロードできるようにしてもらえるか。

回答2:(1)(沢田)送電線には2種類ある。一つはリニアを動かすために大鹿と豊丘にJR東海の変電所を作るが、その変電所に電力会社から電気を送ってもらう電力会社がつくる送電設備が必要になる。最寄の電力会社の施設から送ってもらう工事が電力会社によって行われる。もう一つは工事用の電源で、トンネルを掘ったりするのは電気も必要なので、高森町ではないが、飯田市とかトンネルを掘る場所へ工事用電源を引っ張ってもらう工事がある。これも電力会社に依頼して送電線工事、配電線工事をやってもらうので、これについても電力会社ともに、電力会社のほうから説明会をしていただいてすすめていくことになる。具体的な送電ルートや工事用の配電ルートは決まっていない。これから電力会社にお願いすることになる。(2)まだ日程は決まっていないが、資料は整理したうえでホームページで公開するよう準備を進めている。

質問3:(1)(これまでの事業説明会で)何度か質問への答えの中で、答えがちょっと違うのではないか答えきっていない部分があったので再度質問する。「環境影響評価書のあらまし」の10ページの中段の、微気圧波の説明部分。緩衝工または非常口からの距離というのがあって、たとえば80mだと18パスカルとあるが、前回このパスカルについて気圧、圧力ではなく、デシベル、音に換算した量はないのかと質問したが、沢田部長ははっきり答えなかった。調べたら、80mのところで18パスカルはデシベルに換算すると119デシベルで、車のクラクションを車の前で直接聞いた場合が110デシベル。これを予測の最大値として掲載しているが、予測であって現実ではない、前回は音は出ないといっているが、音が出ないといっているのに予測値を出すことに矛盾を感じる。実験線で出ている音をもとに予測をした中で、予測値としても出てくるのだから、現実に緩衝工から音は出ているのではないか。無音ではないだろう。それを確認したい。で、音が出た場合、緩衝工だけで他の措置はしないのか。するのか、前回は違うタイプのものがあるといったが、それはやらないといった。予測を上回ったら大変なことで、ジェット戦闘機の離着陸時は126デシベルまでが実効的なものとして計測されたがそれ以上のものはないといわれる。そういう大きな音が出てきたときどうするかお聞きしたい。

(2)説明会が終わり次第、資料をホームページにアップするといったが、今日工事事務所に電話して、中川村の説明会の資料を実費で分けて欲しいとお願いしたがお答えできないということで、その後電話が来てホームページに載せるから待って欲しいとのこと。他の理由を言わない。なぜこんなことをいうかというと、これからはじめる地域での環境を守っていきたいと思う。反対の立場で質問しているわけではない、いい環境で進めていってもらいたいと、そしていいリニアが走ってもらいたいと思って言っている。トンネル出口から500mほどのところに住んでいる緩衝工からは約200mのところに住んでいるので、工事現場の隣接地に住む者だからくどく聞くのだ。だから、こういう対応をされたのは、沢田部長は正解だったと思うか。

回答3:(1)(沢田)ご質問ありがとうございました。パスカル、デシベルともに圧力変動の値でそれぞれ変換できるが、18パスカルが何デシベルになるか計算できなかったので答えれなかったと思う。18パスカルをデシベルに換算すると大きな値になるが、一般に聞いている圧力変動と何が違うかといえば周波数だ。人間の見に聞こえる周波数は20ヘルツより上の周波数で、一番聞きやすいのが1000ヘルツくらいだといわれる。微気圧はの限界は非常に周波数が低い部分を扱っているのでデシベルで評価すべきものではない。同じデシベルでも、たとえば1000ヘルツ、そして低いところでは聞こえやすさが違うので、騒音は、それを評価した上で、A特性というが、フィルターをかけて測定している。単純にパスカルをデシベルに換算してもその大きさの音が聞こえるわけではない。周波数が低いのでそのまま音が聞こえることはない。微気圧波は周波数が低いので耳には聞こえないが、周辺の家屋の建具を揺らしたり、少し高くなってくるとドンという音が聞こえる可能性がある。山梨では技術開発によって封じ込めている。ひとつは10ページに載せているような緩衝工。トンネル微気圧波というのは、列車が高速でトンネルにつっこんだとき空気を押さえ込むがその空気の圧力が反対側でポンとでてくる、空気鉄砲のようなイメージ、そういう問題。空気を押し込む力を緩衝工で和らげる技術を開発しているので、山梨では、音がでるとか建具を揺らす等の問題はでていないので、実験線で得られた微気圧波対策を営業線でも使う予定だ。実験線にきていただければ、現在500キロでばんばん走っておりますが音はでておりませんので、それは証明できる。予測はそういう実測値も加味して行っている。

(2)資料をすぐに欲しいということだが、これは各地で要望がでている。意見が出るたびに修整を行っているので、最終的にきちんとしたもの作成するのは時間が要るので待ってほしい。きちんと整理したものをなるべく速い時期に載せたいと思う。これから工事説明会等もあるのでそれに間に合うように資料の公開も行って行きたい。すぐに対応できないことについては理解いただきたい。

質問4:飯沼にできる駅に関連して。一貫水路に関係している。飯田線の軌道のそばに一貫水路があって、毎秒5.5トンという水が松川から川路までいっている。(リニアの路線が)その下をくぐるとも聞くがそのあたりを聞きたい。また土曽川の南側の十号分水というところで水の取入れをしている、そこへもトンネルを掘るというが、一貫水路に関わる工事というのは、わずか6ヶ月でやらなくては、稲作の水の管理は重要なので、早めに土地改良区のほうに説明していただきたい。11月から半年しか工事のできる期間はないはずなので今日わかれば具体的な方法を教えてほしい。

回答4:(太田垣)竜西一貫水路は駅の一番西側で交差する。地表区間から掘割になるところで、差し支えになるので付け替えをする計画。関東農政局などと相談を始めている。土地改良区にもこれから相談に行こうと考えている。今考えている方法としては、サイホンをJRの切り取り構造の下を潜って向こう側で出てくる構造でできないかと考えている。これからこんな形でできないかというものを作って相談していきたい。

質問5:9月頃から数回質問をしたが、その折には丁寧な対応で感謝している。そのなかで補正版の評価書のフォトモンタージュの撮影条件について誤りのあったことを認めていただけたことは、納得ができ感謝している。正しい内容に訂正できたことは良いが、こういう文書は8月26日という日を区切って公に公表したものだから、ホームページのPDFファイルであっても直接修正するのではなく、正誤表で対応するのが良かったのではないかという感想を持っている。

(1)黒田の斜坑口から斜坑が一旦北に進み本坑を通りすぎてから西に進んでその先が切れている。飯田会場ではその点についてとくに説明はなかったし、質問もなかった。なぜこういうコースを取るのか。

(2)豊丘の説明会で、豊丘の変電所について、東側の村道から見た構造物のイメージの写真を見せていただいた。豊丘村内ではあの位置ぐらいしか見える場所はないと思う。しかし、阿島の北霊園の入り口付近からはしっかり見える。それから高森町の松岡城址からは真正面に見える。今後スライドの資料をホームページに載せるときに、そのフォトモンタージュも示してもらえればと思う。それをやっていただけるかどうか。

(3)今日の説明ではなかったが、トンネル上部の土地について、区分地上権の設定の範囲は5〜30mとするというが、またどこかの会場で説明があったが、既存の井戸がある場合は個別に話をするということだった。土地の所有権というのは基本的に地下何メートルという制限は法律上はないはず、民法上は。30mという数字の出てきた根拠はなにか。以前聞いたら山梨実験線の実績だといっていたが、土木的な理由があるはずなのでそれを聞かせてほしい。30mより深い場所で区分地上権を設定しないとすると、地主に対して承諾をとるとかの手続きをとると思うがどういう形でするのか。トンネルの保全を考えると、土かぶり1400mもある山の中は別としても、宅地だとか農地、普通に人が住んでいるところの場合は深さに関係なく区分地上権を設定して土地の使用の制限を加えたほうが良いと思うが考えは。

回答5:(沢田)ご質問ありがとうございました。(1)高森で飯田の話で恐縮だが、(スライドを示して)、事業説明会をしているが、青い線が本線、赤いところが斜坑口の工事用ヤード、評価書などではマルで示していたが、事業説明会ということで、具体的に(「地上の」という意味か)こういったところで工事をさせてもらうということを主眼に説明している。それで非常口のトンネルについては全部書いてない。質問があったので答えるが、この地区は、平面で見ると近いが、ヤードと本線の高低差がだいぶある。ピュッとつなぐと勾配がきつくなる。施工上の問題、保守の問題を考えると、非常口のトンネルも一定の勾配に抑えたい。緩やかな勾配にしようとすると長い距離がいるのと、(スライドの左方向=今宮神社がわは)こちらがわは公園があるし坑口の位置の山の形などから、こういう形になった。

(2)豊丘の変電所について周囲からみてどんな風に見えるかのイメージ図を示したが、環境影響評価のなかでも景観を評価している。日常の視点、風景の良いところといった観点など、JR東海として一定の観点でやっているので、ここからみえる、あそこからみえるといった全部についてやっているわけではない。環境影響評価のなかではJR東海が考える観点で眺望点など選んだので理解願いたい。

(3)(太田垣)30mより深いところに区分地上権を設定しないのかという質問だが、区分地上権を設定したときには補償するが、その補償は国の基準に従ってやる。国の基準は、土地の利用が妨げられる程度に応じて適正に定められた割合に応じて補償するとなっている。30mより浅いところについてはこの補償に基づいて補償がなされる。これは整備新幹線の事例でそのようにしている。それより深い範囲は土地の利用の妨げにならない範囲なので特段区分地上権を設定することは考えていない。トンネルを掘削する場合、30mより深いところについては、本日の説明会のような場で理解が得られるように説明していきたいと考えている。トンネルの工事について個別不明な点があれば、問い合せがあれば対応したいと思っている。

質問6:反対の立場だが、それはさておいて今までの説明会で出なかった技術的なことで質問。配布された資料(A4、両面刷りの資料)で、伊那谷断層帯というのが書かれている。南信州フルーツラインのところから中央道に沿って黒田の掘削口のマルのところへ伸びている。これが1本。これは風越高校と中央道との間の崖になる。そこでこのトンネルは80mの深さで横断する。これには書かれていないが、長野県駅のすぐ西側で、ちょうど飯田線と交差するところで、飯田線が通っている崖も活断層です。それは記されて地図もあればない地図もある。たとえば国土地理院の都市圏活断層図では明瞭に断層線は記されていないが、その上側、広域農道が通っているがわの、本来斜めに天竜川のほうに向かっていく扇状地の地形が逆にこの断層で跳ね上げられて山側のほうが低くなっているようなそういう地形として示されており、この付近に活断層があることは明らか。1930年に丹那断層がずれて北伊豆地震が発生した。そのとき掘削中の東海道本線の丹那トンネルがその断層のずれによって2.4m食い違ったことがよく知られている。それから、伊豆急線の稲取トンネルが伊豆大島近海地震で90cm食い違ったことも知られている。このようなことに対して、活断層に関わる地震工学者のなかから、断層による何mかの食い違いえをあらかじめ織り込んで、活断層をトンネルが通過する部分についてはトンネル断面を広げて仮に食い違いが生じても区違った断層面に激突するようなリスクを少しでも和らげる提案がされている。そのようなことはご存知か。それを工事の設計の中に取り入れていくような考えがあるか。

回答6:(太田垣)ご質問ありがとうございます。トンネルの断層のところをあらかじめずれを見越して広げるというような話は知らなかった。活断層をすべて避けることはできないので、その場合にはできるだけ短い距離で通過するということで路線を設定している。活断層を通過するところは、上越新幹線でも事例があるが、必要な箇所については覆工を強固なものにするということで、コンクリートの量を増すとか、ロックボルトの本数を増やすとか、トンネルの底部にインバートコンクリートを施工するなどによって、補強する対策を採っていく。(沢田)断層部分についてはトンネルの構造を他より強化することもあるし、一方では列車を早く止めることも重要な対策と思っている。東海道新幹線は沿線とかかなり遠いところの海岸とかに検知点を設けて受けた地震波を受けた瞬間に列車を止めるような早期の地震警戒警報システムを付けている。そういったものをリニアでも付けて、そういうソフト面と先にいったハード面で地震対策をやっていこうと考えている。

質問7:(1)高架橋とガイドウェイの耐用年数は何年か。(2)リニアが開通した後は東海道新幹線と東海道本線はJR東海の経営から切り離されるのか。

回答7:(1)(沢田)耐用年数については、コンクリートの構造物は、道路とか鉄道とかのコンクリートの構造と同じだから、耐用年数は、何十年とかでなく、百年オーダーで、きちんとメンテナンスをしていけば持つということで採用している。パーツ、パーツの部品はそれぞれの耐用年数を設定しているが、コンクリートで作るものについては非常に長い百年オーダーで使えるものと思っていただいてよい。ガイドウェイについては山梨実験線でもコンクリートの部分もあるがパネル形式のものもある。パネルの部品はかなり大きなものだが一定の期間で取り替えることになると思うが、取替え修理なども開発しメンテナンスの中で取り入れているので、ここで何年ぐらいとはいえないが、コンクリートのものでもパーツパーツは取り替えていく。

(2)東海道本線、東海道新幹線については、JR東海が、二重系化ということで、中央新幹線、東海道新幹線を一体で経営していくということで、平成19年の構想発表以来取り組んできているので一元経営は大前提であり、東海道新幹線をなくすことはありえない。東海道新幹線を大きな幹とすれば枝でつながっている東海道本線はじめ在来線についても中央新幹線が出来上がったときにそれらを切り離すということは考えていない。

質問8:(1)過去の説明会の質疑について議事録をホームページに掲載して欲しい。そうしないと透明性が保てないと思う。

(2)こういう大きな土木工事が来ると大きなお金が入ってくると思う。これはありがたいことだが、実はこのあたりでそういった仕事をする人たちの頭数が大変少ない。そこでよそから入ってくる人もいるだろう。そこで労務単価がいっきにあがる。飯伊地方の労務単価も上げざるを得なくなる。心配なことは、脆弱な財政予算で切り盛りしている地方自治体のインフラ整備に大変な手枷足枷になる。このあたりのことを是非くんでもらいたい。あがった分のお金を頂戴というつもりはないので、何らかの対応を考えてもらいたい。町長もこの会場にいるが同じ気持ちだと思う。もう一つあったが忘れたので止める。

回答8:(沢田)ご質問ありがとうございました。(1)資料についてはホームページに掲載するといったが、同じようにこういった主なやり取りについては、全部というわけにはいかないが、主なやり取りについては残していく考え。次の説明会で答えるといった質疑も残して行くつもり。ホームページに載せるつもり。

(2)工事によって、周辺で行われている工事の主に労務単価の面で影響が出るのではないかという懸念については、リニアの工事で迷惑をかけるつもりはないので、建設業界でどのような需給関係(時給関係)になっているのか、今ここでこうだからこうとはいえないが、いまいただいたような話はしっかり受け止めて、これから工事をやるに当たっては、現在は話す相手が自治体なのか建設業界なのかきちんとした考えは持っていないが、発注に当たってはどういう影響があるか考えてすすめていきたい。

質問9:発生土処分について。4日の豊丘の説明会と13日の松川町の説明会でも同様の質問をしたが、どうしても腑に落ちないところがあるので、発生土の処分地の安全性という観点から質問する。処分地については沢田部長は県から7月に具体的な話を受けているといった。阿智村のように具体的な場所が特定されていないところもあるが、豊丘村や松川町では既に特定されて地元の住民はほとんどの方が承知していることは事実だ。その場所は、どこも共通しているが、先ほどの表(スライド)にもあるように窪地だ。このあたりでいう「洞」だ。非常に傾斜の強い窪地がそういうところだから、大量の残土を処分した場合、豪雨災害の場合には土砂の流出の危険性もあるし、さらに南海トラフの巨大地震の発生によって構造物が傷んでその後の豪雨で流出するという危険性も当然予測される。そのてんで、いままでのJR東海の回答では国の安全基準でやるから大丈夫ということだが、たとえば福島第一原発の安全性も神話のようになっていたが実はそうではなかったというように、国の安全基準だから絶対安全とはいえない。同じ答えが出ると思うから答える必要はないが、私はそう思っている。その点について3点質問をする

(1)先日の質問でも処分地下流域の住民の同意を前提とするという答えだった。下流域住民の同意とは具体的にどのようなものと考えているのか。命に関わることだから全住民の同意が大前提と考えるがそういう解釈でよいか。

(2)もし不同意の住民がいた場合はどのように対応するのか。ごく少数ならJR東海は強行するのだろうが、不同意の住民が安全な場所に移転したいという場合にその費用を負担する考えはあるのか。

(3)処分地は借地ということで、処分後は関係者、地権者とか自治体に引き渡されるとのことだが、その後処分地で土砂が流出して下流域に被害を及ぼした場合の責任は引渡しを受けた側の責任が存在するのかどうか。

回答9:(沢田)ご質問ありがとうございました。松川町で決まっているとか特定されているとかの話だったが、決まってもいないし特定されてもいない。松川町ではこれから発生土置場の調査をするが、調査は土木的なもの環境面でも調査する。それから地権者の話もあるので、まったく決まったというものはない。決まった時点で話をする。(「候補地は分かっているだろう」という質問者の声)。

(1)下流域の住民は不安だと思うのできちんと説明してやっていく。発生土置場が決まってくると、沢地形であれば下流域の方も含めて説明していく。発生土置場はこんなふうになる、こんなものを作る、安全対策、防災対策はこう、環境面の配慮はといったことをまずは説明する。そこから理解を求めていくというのがJR東海のスタンス。今の時点で同意はどんな形でとか、同意を得られなかった場合などの話もあるが、JR東海としては、まずはきちんとご理解を求めていく説明をするというスタンスを続けていきたいと思っている。

(2)一般的にいえば、発生土置場に直接あたらない方にについては移転についてみるという計画はない。

(3)一般的な形としては、発生度置場が決まると、JR東海が土を持ってきて、必要な防災、安全工事を行い、環境面での必要な工事も行う。工事の後、自治体であるとか地元の方に引き渡す。そのときに、将来のメンテナンスとか防災対策についても何らかの形で取り決めをおこなったうえで引き渡す。その取り決めで責任は決まってくると思う。いろいろなケースがあると思うのでどちらに責任があるのかということは今の時点で答えにくい。基本としてはJR東海が作ったあとは地元でメンテナンスも含めて引継ぎをしていただきたいと考えている。

質問10:高森在住だが、飯田市にも土地家屋を持っている。(1)天竜川を越えるところだけフードがないのはなぜか。音や気象の問題そのほかの障害の問題を考えると、前面フードで覆ったほうが安全な運行ができるのではないか。あえてオープンにしている理由を聞きたい。

(2)除雪対策をどう考えているか。昨シーズン山梨実験線のあたりでも、大量の積雪があったはず。中央道では防音壁を張り巡らしたため雪を排出する場所がなくなっていた。ダンプカー1台1台で雪を汲み出すという作業をなくては雪を出せない状況だった。伊那谷も雪が降る。実験線の場合どういうふうに除雪をしたか、今後オープン部分の除雪をどう計画しているか、落雪などの対策をどのようにとるのか。

回答10:(太田垣)(1)防音壁とフードの区間の考え方は、基本は地上区間は防音壁と考えている。住居等が多く存在している集落の区域とか病院等の保全(保健?)施設が近くにあるところでは、防音防災フードを検討することを考えている。今回示している防音壁、フードなど環境対策工の割付はこの考え方に基づきJR東海で想定して割り付けているし、評価書においてもその予測条件で行っているが、まだ決まったものではない。今後どうなるかというと、新幹線の騒音の基準70デシベルとか75デシベルとかあるが、それは今後長野県が指定することになる。その指定状況、土地利用の対策等もふまえて、長野県とか沿線市町村と協議して割付を決める。その結果についてもご理解いただけるよう丁寧に説明していく考え。

(2)あらましの6ページ(4)に示しているが、散水によって雪をとかす設備を設けて対応するつもり。(沢田)散水消雪設備を開発しているが、実験線なのですべてにつけているわけではないが、営業線についてはフードの付かないところについては、すべての区間に散水消雪設備を付けていくので、雪の処理というよりは排水の処理になるので排水先と協議することになる。高架橋からの落雪の問題は、高架橋の幅は14mだが、環境面やセキュリティの面で緩衝帯という形で4m設けているので、その4mの幅を使って落雪対策はとっていきたい。

質問11:(1)日本は諸外国に比べ磁場の基準が低い。千倍も万倍も緩い。磁界の及ぼす影響は誰でも知っているように血液のガンと呼ばれる白血病があるが白血病に触れていない。根拠はないが自分の予想では、十数年たてば乗車した人の2割くらいが白血病になるのではないかと思う。これは根拠云々というよりは、乗ったからすぐ白血病になるわけではなく、放射線と同じで浴びたからすぐ発病するわけではない。そこにはある程度のクリアランスが於かれるが医学的なことなのでどれぐらいか分からないが、そういうことに対する見地がなされていない。磁場に対する外部の測定はしているが、車内の磁場測定、これはあらゆる場所が考えられるがこれらは一切出ていない。今回の説明書(「あらまし」のことか)には外の部分については出ているが、内部については出ていない。内部に人が乗っているのだから、実験線で走らせているのだから、そこがなぜ出てこないのか。伏せているとか思えない。悪意が感じられる。これは答えは出ないと思う。また言うなと内部でいわれていると思う。だが敢えて聞いてみる。

(2)トネンル内の事故の問題も今回出てきていない。事故が起こった場合に、緊急避難口が5kmから10kmの間隔で設置の予定というが、それは決定ではないだろう。深度40mぐらいのところでもし火災なり重大な災害があった場合、どのようにして避難するのか。煙が充満した場合、坂の下のほうへ逃げなくてはならないが、そのほうが非常口が遠い場合もあるが、お年寄りも多いはずだがその人たちをどのように誘導して歩かせるのか。非常口が40mもの深さがあると年寄りは階段を上がるわけにはいかない。エレベータを設置するといっても多数の人が殺到したら救出はできないだろう。それに対してのセーフティーはどう考えているのか。それは答えきれないと思うが敢えて聞こうと思う。次回あったときに再確認するつもりだが今思われていることを答えてほしい。

(3)今から2年か3年前リニア新幹線は大赤字だと社長がいっている。赤字はどう補填するかについて、在来の東海道新幹線からの利益をまわすといっている。こんなとんでもない人を馬鹿にした話はない。在来線も老朽化が進みメンテナンス費用がかかるがそちらの費用を削らなければ9兆10兆という金を埋め合わせれるのか。JR東海といえども一営利企業団体であり、民間企業である。それが、そんなことをいって説明会だのどうのとえらそうなことを言ってはいけない。もっと真実味のある説明をしないといけない。(要点をまとめよと司会の声) だからこの3点だ。

回答11: (沢田)ご質問ありがとうございました。(1)磁界の話はこれまでさんざんしているが、再度説明する。隠しているわけではなく、「あらまし」7ページにもつけてあるし、後ほど車内磁界についても説明する。リニアの磁界は超電導磁石を積んでいるのでそこからの磁界と解釈してもらいたい。ポイントは3つ。一つは、国際的なガイドライン以下では健康への影響はない。質問者の磁界と白血病の関係については根拠が理解しかねる。ICNIRPはWHOの諮問機関と考えてよいが、WHOの報告書でも磁界と白血病の因果関係について書かれていなし認められてはいない。二つ目としては、リニアは国の基準にもなっているICNIRPの基準にしたがって管理していく。山梨の実験線では実測結果でもICNIRPのガイドラインを下回っている。7ページの上のほうのグラフ。赤い線がガイドライン。これより下ならガイドラインより下。それぞれどこで(データ)を採ったかというと、右のほうの緑の四角、白抜きのひし形と緑の四角があるが、こういうところで採ったデータが沿線では下回っているので問題はない。次に車内の磁界についても環境影響評価書の中に載せている。(スライドを示して)車内でこういった場所でデータを採った。貫通路は超電導磁石に一番近い場所として測っている。客室でも測っている。リニアの車両のなかで受ける磁界は変動しない周波数がゼロの静磁界。静磁界、400ミリテスラという値にたいしてこういった小さな値だ。すれ違いの問題があって、対向列車にも超電導磁石の磁界があってその影響を受ける。500キロ同士で走ると相対速度は1000キロで超電導磁石の間隔は約25mだからそれででてくる周波数は12ヘルツとなる。車内でとった(変動磁界)もガイドラインより低いところにある。こういったデータは評価書にきちんとのせてあり、隠してきたことはない。磁界については車内、沿線ともに心配ない。国際的な基準、国の基準に則っていっていること。

(2)(太田垣)「あらまし」6ページの一番下(6)が火災にJR東海の考え方をのせている。一つ目は車両と施設の不燃化、難燃化。次に火災が発生した場合は、従来の鉄道と同じように原則として次の駅又はトンネルの外に出る。走行して駅についてから速やかに避難誘導する。3番目に火災でやむを得ずトンネル内で停車した場合は(スライドを示して)、まず乗務員の誘導で保守用通路、避難通路に降りていく。次に風上に向かって移動して非常口から地上にでる。40m以下の大深度のトンネルについては、(スライド)ここに避難通路と書いてある部分に入ると加圧してあるので煙は入ってこないので、ここにおりればまずは安心である。ここから先最寄の非常口まで移動してあがっていただく計画になっている。(沢田)長大トンネルというのはリニアに限った話ではなくすでに東北新幹線とか長いトンネルはある。走らせてトンネルを出るというのがまず基本だが、万が一中で止まってしまった場合は、従来の鉄道と同様に乗務員が対応する。(3)経営に関する意見について。中央新幹線と東海道新幹線を一元経営、一体で経営していく大前提。自己資金を投入してもできると表明したときも一元経営でやっていけるといっている。その際に一つの指標として、JR東海が発足以来、長期債務を一番多く背負ったのが約5兆円という時代があった。これは平成3年ころに今の新幹線の設備を国の機関から買い取ったとき5兆円という債務を背負ってきたが、経営努力を重ねながら2兆円台まで下げてきていた。長期債務5兆円は経営体力として十分対応できるということを指標としながら、まずは東京から名古屋を整備したあと、大阪までと2段階で整備する計画を立てた。そのときにより詳しい経営に関わる試算もしており、試算については、国の交通政策審議会でもきちんと審議していただきJR東海の経営に関わる予測は妥当なものとされた。中身は低め低めの手堅い予測をしている。現在のところ東海道新幹線のお客様も好調な状態でありいっそう気を引き締めて経営の効率化であるとかリニア自体のコストダウンに取り組んでいきながら、まず名古屋までの開業を自己資金でこぎつける自信を持ってやってるので理解を願いたい。

質問12:2回目で、横着ですみません。さきほど、予測地点がいろいろそんねに言われてもどうのこうのとおっしゃったが、松岡城址は主要な眺望点ということで環境影響評価書にのっている。実はその写真をほんの10度か20度カメラを振ると変電所の予定地が入る。どういうわけか切っている。そんねにいろんな所をいったわけでなく2ヶ所だけだ。主要な眺望点であったことだし、高森町としては皆さん誇りに思っている場所だから松岡城址からのものは是非やっていただきたい。

(1)昨年の秋、岩波の『科学』という雑誌に、産業技術総合研究所、昔の工業技術院の評価部の阿部さんが「エネルギー問題としてのリニア新幹線」という文章を発表している。もちろんご存知と思う。間単にいうと、モーターという機械を地上の長大インフラとして建設しなければならないリニア鉄道はあまりに硬直的な巨大システムで、筋のよい技術として普及する見込みはなく、開業当初のもの珍しさだけが取り得の特殊な技術で終わってしまう可能性が高いという評価をしている。個別には部分部分には超電導磁石だとか半導体の技術とか非常に優れた先進技術つかっているようだ。しかし全体の組み合わせとしてみるとちょっと時代遅れではないかということもいっている。最近は小濱さんという方が「リニア新幹線をめぐる工学的諸問題」という文章を書いている。その中では、リニアの効率は蒸気機関車なみだとまで酷評している。こういう批判が出ていることについて、JR東海なり鉄道技術総合研究所の研究者がいるはずだが、批判に反論したことがあるか、1年も前のことだが、これから反論するつもりはあるかどうか。これは反対派だけでなく推進派にとっても、支持する以上は、応援する以上はしっかりしたものを作って欲しいという気持ちはあると思う。こういう問題はきちっと解決を付けるべきだと思う。ついでに言うと、立派なものを作れといういう意味においてはドイツや上海のリニアは緩衝帯は4mよりはずっと広い。500キロというスピードを出すのだから、何があるか分からないということを考えれば、30mとかの緩衝帯を設けるくらいの立派なものを作ってもらいたい。

回答12:(沢田)ご質問ご意見ありがとうございました。景観のポイントについては地域から代表的なところから見たら景色がどうなるのかというご意見が出たら検討していきたいと思う。ご意見を参考にする。

リニアの技術に関しては、JRになってから取り組んできたが、超電導磁石を核とした技術は、超電導磁石そのものをとってもいろいろな形で応用や転用が可能な将来的な広がりのあるものと自負している。今、引用された方の文献、批評は直接は知らない。今引用されたものに限らず、JRの持っている技術であるとか、JRの考えている方針であるとか計画とちがっているというようなものがあるとすれば、JRとしてはいろいろな形で情報発信をして説明していきたいと思っている。

緩衝帯の4mは、セキュリティーとか環境面で実験線でも4mで取り組んできておりこういった事例も踏まえ営業線でも4mが適当な幅と考えているので用地の取得幅も約22mで説明する考え。