自然講演会「御嶽山の噴火から学ぶこと」
聴講した感想です。
小川さんは山へ登るということについて、「100パーセント安全ではない自然に踏み込む」ことと考えて、自己責任の意識、自分の命は自分で守るという意識、危機意識を持つべきと話されました。なにかあったとき85〜90パーセントの人たちは身に迫る危険を受け入れたくない、自分は大丈夫だと思ってしまう傾向(「正常性バイアス」)があって、どうして良いか分からない時は周囲と同じ行動をとってしまう(「多数派同調バイアス」)そうです。これが逃げ遅れにつながる。そうならないために危機意識、自分に危険が及ぶと考える意識を持つ必要があるそうです。
事故について、マスコミは取材しても必ずしも取材対象の発言を正しく伝えていないという指摘もありました。こんな記事にしたいということが先にあって、都合のよい部分だけを伝えるということなのかなと聞き取りました。そのこともふくめ、登山ガイドとして自分だけ助かってというような批判も受けたとの事です。また、マスコミは危機のなかの美談にスポットをあてるようなこともしましたが、結局のところ、あのような場合どうすれば助かるのかということについて踏み込んでいないのだろうと思いました。
本来厳しい自然条件の山へ登るということについての考え方なのですが、私たちの日常的な生活のなかでも危機はないわけではない。現在、安倍政権はやりたい放題で、暴走しているかにも見えます。昨年末の衆議院選挙、今行われている統一選挙の投票率が低いのは、暴走の被害が自分には及ばないと思っている人が多いからと思います。現在、特に経済とか国の財政について実は大きな危機の寸前にあるのではないかと思います。しかし、身に迫る危険を受け入れたくない、自分は大丈夫だと思ってしまう人たちがまだまだ結構いるのではないか。集団心理にはまった結果こうなってしまったと、数年先に思い返すような状況にあるのではないかと思います。
※ 機会があれば小川さんの話は是非聞かれるとよいと思います。
竹下さんの話の要点は、2014年9月の噴火は1979年10月と同じ水蒸気噴火。御嶽山は約80年前から活動をはじめ、休止期をはさみつつ、2014年とは比較にならない大規模の噴火を繰り返し3000m以上の火山体になった。最近1万年間にマグマ噴火を少なくとも3回は起こしている。2014年、1979年より大規模な水蒸気噴火も百年から数百年に1回の割合で起きている。御嶽山はいまでも活動的な火山といえる。
自然の計り知れない力や破壊力を実感する事件がなかったわけではないのに、私たちは、起こったことがなんだったのかそのときどきに極めず、かつ忘れ続けてきたのではないかと思います。とくに、そうであってはならない、政治家や官僚や御用学者や御用専門家やマスコミがそうであったのではないかと思います。
(2015/04/27)