5月17日 山梨県甲府市のピュア総合で行われた「リニア着工を許さない沿線住民集会」で採択された集会宣言
集 会 宣 言
大規模な自然破壊と経済と環境への大きな負担を次世代に残す、リニア中央新幹線の着工が昨年12月に強行されました。
私たちは着工に踏み切ったJR東海と、それを認可した国土交通省に怒りを禁じ得ません。
何よりもリニア新幹線は、建設計画及び建設工事そのものについて何ら住民の理解と合意を得ておりません。
このような大規模な開発事業が、沿線住民の納得を得ないまま計画が進められていってよいものでしょうか。
私たちは第一に、こうした住民無視の計画の実行に怒りを覚えるものです。
住民の理解を得ていないこのリニア計画は、これからさまざまな形で住民からの厳しい批判を受けることになるでしょう。
リニアは沿線各地域で惹き起こされるたくさんの弊害を抱えています。
まず、沿線の86%を占めるトンネルエ事による地下水の枯渇と、困難な残土処理の問題があります。
すでに、リニア実験線では沢涸れや異常出水が起こり、また日照の被害や景観破壊に苦しんでいる人が出て、今後その被害の拡大が確実です。さらに大井川の水が毎秒2トン減水するとされる一方、残土運搬のトラックが平穏な生活を破壊し、さらに残土の処理による沢の埋立てなど、二次的自然破壊も予想されています。
そして問題はそれらにとどまらず、空中に浮かぶ土管(フード)による風光明媚な自然景観の損傷や、知らされるべき磁界のデータの秘匿、大深度地下のトンネル掘削による住民への環境上及び経済上の被害、等々がすぐに思い起こされます。
その他にも挙げれば際限のない問題を抱えたままリニアの工事は始まろうとしています。
私たちは、それを黙認し、手をこまねいて着工を座視しているわけにはいきません。あらゆる手立てを用い、測量をはじめとする工事を阻止していくつもりです。
沿線住民は、着工を許さないという意志を一致して固め、たがいに力を合わせながらリニアの建設阻止のため戦っていきましょう。
2015年5月17日
リニア着工を許さない沿線住民集会 参加者一同