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 『中日』2日によれば、これまでの経緯は:

(2つの沢にトンネル残土を埋めることは)地元の伴野原自治会の要請で[注]、村が県に候補地として報告した。小園地区では土砂災害を警戒し、取り下げを求めて四月中旬に同会を結成。地区住民の七割に当たる三百八十七人の署名を集めた。

 JR東海としては、県から紹介されたので、JR東海が地権者たちと直接交渉するという段取りで進めていくという、いまはそういう段階です。詳細設計のための測量を各地権者にお願いして、承諾の得られた場所について測量することになるはずです。

 住民の請願は:

▽村が県へ上げた源道地の候補地の報告を取り下げる▽JR東海にこの候補地の設計を中止させる▽この沢筋の治山状況を調査するよう県へ申請する(『信毎』1日)
村が候補地の報告を取り下げ、JR東海に設計を中止させ、治山防災状況調査を県に申請することを求めている(『中日』2日)

 ところが下平村長は『信毎』の記者の取材に対して:

下平喜隆村長は取材に、「今後も計画の取り下げをJRに強く求める」とした。県への報告については、地元の要望に応じて候補地の情報を伝えただけとして、今後も取り下げない考えを示した。(『信毎』1日)

 政治に詳しくない、ごく普通の人なら、下平村長のまず第一にやるべきことは長野県に対して報告した内容を取り下げることだろうと思います。そうすれば、長野県がJR東海にこの2つの沢は駄目だよと連絡するんじゃありませんか。下平村長さんにこういう猿知恵を授けたのは誰なんでしょうか? 『中日』は発言内容があまりといえば甘利にバカ丸出しでトンチンカンだったので掲載しなかったのかもね。

 実は、最初の『中日』の記事の引用の「注」の部分にちょとした問題があると思います。おそらく、これは:

 伴野自治会の要請があったとしてもなかったとしてもそれは本来関係ない話。しかし、そういう話が「うっかり」出されていたとすれば、JR東海、長野県、下平村長にとってはありがたい話。これは沿線の残土捨て場候補地に共通したことだろうと思います。なにせ、JR東海は国土交通省の「お墨付き」をいただいているのですから、県や市町村の主権なんてはじめから無視しているわけだし、腰抜けの県やマヌケな市町村も住民の側に立って抵抗する意志はありません。

(2016/06/02)