[南信州]2016/07/15 (1)

リニア計画
残土処分8ヵ所が候補
飯田市は下久堅と龍江

 リニア中央新幹線の建設発生土の処分地をめぐって、JR東海が飯田下伊那地域の8ヵ所を候補地に検討を進めていることが南信州新聞社の調べで分かった。すでに自治体側が受け入れを表明している松川町の3ヵ所、豊丘村の2ヵ所、下條村の1ヵ所に加え、飯田市下久堅と龍肛地区の計2ヵ所が挙げられている。この他、阿智村など他の場所でも候補地を探っているものと見られる。

 関係者らによると、同社は現在の候補地として飯伊の8ヵ所を示しているという。

 飯田市内の候補地は下久堅小林と龍江番人寺で、窪地の埋め立てで一定量を活用するものと見られる。

 松川町は、町が情報提供している生田の窪地など3ヵ所。町は計620万立方mの活用を考えている。

 豊丘村は本山と戸中の2ヵ所。当初、村が候補に挙げていた源道地については、6月、JR側が村に計画の取りやめを伝えた。

 下條村では、村が150万立方片の受け入れを表明している睦沢が候補に挙げられている。

 飯伊の工事で発生する残士は、トンネル分と切り土分を合わせて計975万立方mとなる見込みで、東京ドームのおよそ7・6個分。市町村別では大鹿村が約300万立方、豊丘村が約225万立方m、飯田市が190万立m、阿智村が約70万立m、喬木村が10万立方mとなる見通しで、阿智村に隣接する南木曽町でも180万立方mが発生する。

 周辺も含めた自治体が可能としている受け入れ量は、坑口別の排出量を概ね上回る見通しだが、阿智村や南木曽町周辺では候補地が固まっておらず、引き続き探るものと見られる。

 残土の処分先についてJR東海は、県を窓口に公共活用の検討とあっ旋を求め、関係市町村も加わる「建設発生土活用ワーキンググループ」が取りまとめ、同社が坑口に近い場所などに優先順位を付け、絞り込み作業を進めている。

 6月末の大鹿村リニア対策委員会で同社は、残土の処分地を決める時期について、12月初めごろを予定している「掘削までには」と伝えている。

付図