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浮上式鉄道の大きな問題点はポイント






 27年前(1987年)、イギリスの鉄道ジャーナリスト・マレー・ヒューズ氏は次のようにいっています。

「(磁気浮上式鉄道では)数組の車両を、あるいは数本の線路を用いて運転するということになると、たちまち車両をある線路から他の線路に移すという問題が生じるのである。このために必要な分岐装置がきわめて複雑で高価であることを思えば、磁気浮上方式が高速鉄道に取って変ることが決してないだろうということを理解する一助となろう。」
「 実のところ、磁気浮上式の出番となるようなマーケットがないのである。レール・車輪方式の高速鉄道は、非常に多数の旅客を都市間旅行に必要にして十分な高速度で、移動させることができる。それ以上の距離になると、今度は航空機が見事なほど効率的に長距離旅客を運んでくれるのである。」
「私がこれまでに聞いた磁気浮上式に関する批評のうち最も印象的なものは、1984年にバーミンガムで開かれた会議の席上、イギリスのGEC社の技術部長 M.P.リース博士が語った次のような言葉である。いわく『もし仮に、誰でも彼でもがホヴァークラフトだの磁気浮上式車両だのに乗っているような事態になったとしよう。そのときには、車輪という発明は、われわれがいま考えているよりもずっと素晴らしいものだということが分かるであろう』(注1)。日本とドイツで既に巨万の費用をかけた研究がなされたにもかかわらず、磁気浮上車両がまだ営業運転を開始するには至っていないということに、冷静に思いをいたすべきである。」(マレー・ヒューズ著/菅健彦訳『レール300 世界の高速列車大競争』山海堂、1991年[原著は1987年]、100~101ページ)

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