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残土処分先の現状

2017年11月22日 作成

●印以外はまだ候補の段階。他に公共事業などで約87万立米の活用先の情報が県にあがっています。しかし、残り9割の処分場はほぼ決まっていないのが現状。●印以外は、上片桐が緩斜面、そのほかはすべて沢や谷で土石流災害の懸念があります。下條の火沢(谷の出口に発電所がある)以外は下流に集落や人家があります。報道で「地権者の同意を得た」と書かれているのは、残土の受け入れについてではなく、調査についての場合がほとんどです。自治体の議員ですらこのあたりをきちんと把握している人は少ないようです。残土置場については土地収用の対象ではなく、地権者とJR東海との自由契約です。JR東海は残土の出る期間のみ借用し後は返すので、地権者は将来の災害時の責任を問われる可能性があります。慎重な地権者が残土受け入れを拒否するのは当然です。候補地として自治体が県に情報提供したとしても、それによって受け入れの義務が生じることはないと、長野県はいっています。つまり、自治体も県も地権者や住民に受け入れを強要できません。

◎大鹿村

●ろくべん館前・総合グラウンドの嵩上げ造成 量不明(10万未満?)

※ 『南信州』2017年7月3日、2015年7月29日18回リニア対策委

仮置き場は村内8か所57万立米

※ 2015年10月20日、11回リニア対策委

◎松川町(生田)

・中山・丸ボッキ 30万立米 福与区の反対
・中山・つつじ山線 100万立米
・長峰・本洞 490万立米

※ 第1回(2016年2月22日)松川町リニア中央新幹線建設工事対策委員会資料より

・上片桐・日本航空電子西 約20万立米

※ 『信毎』2017年10月6日による。ここはガイドウェイ組立ヤードで、JR東海が必要とする3ヘクタールを含む全部で7ヘクタールを将来の工業用地としてJR東海が造成する条件として約20万立米の残土受け入れを求めている。

◎豊丘村

×源道地・牛草沢 25万9千立米 下流域住民の反対により使用撤回
×源道地・南の沢 25万8千立米 下流域住民の反対により使用撤回

※JR東海の設計に基づく数字

・戸中斜坑口そば 不明(少量)

・本山 130万立米 地権者の森林組合の受け入れ決定の総会決議を長野県が無効としたため白紙に戻る。受入れを決定した組合長を始め、組合役員の大半が組合員資格を失効しており、現在、組合組織の再建中。少なくとも数年は、使用できる見込みはない。新たな組合決定で使用不可となる可能性がある。

※2017年4月12日坂島工区工事説明会資料より

豊丘村ではもう一か所斜坑口が必要となったが、その場所がまだ確定していない。

◎喬木村

●伊久間で埋め立てに使用予定 8.5万立米

◎飯田市

・下久堅・小林 約20万立米
・龍江・番入寺西 約40万立米

※ 『信毎』2017年11月22日記事による

リニアによって最も多くの利益を得るであろう飯田市がたった60万立米しか受け入れないとはあきれます。

◎下條村

・睦沢・火沢(ひさわ) 100~200万立米

※ 2013年9月議会の村長答弁。※ 『信毎』2017年11月22日記事によれば約120万立米。

◎阿智村

・栃の平周辺 約71万立米すべて収まるともいわれるが調査中

◎南木曽

2013年10月の長野県からの候補地の照会に「該当なし」と回答。2016年11月に長野県及びJR東海から発生土の受入・活用の量の如何に関わらず、可能な範囲で発生土置き場の候補地の提案をするよう再度依頼。2017年9月19日時点で20数か所の応募。"まず数カ所で現地調査。他の候補地についても、引き続き検討する。JR側は現時点で「全体が入る候補地は見つかっていない」とも説明した。(『信毎』9月21日)"

10月31日の『信毎』によれば、JR東海は候補地の数か所について地権者に説明を始めているものの、町や協議会に具体的な場所を伝えておらず、候補地について安全性を検討する上で早く候補地を示すべきとの声が協議会の委員から出ている。また、南木曽は土石流災害が多発しているので適地はないはずという指摘がある(これは計画発表当初から言われていること)。


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