清内路トンネル再訪
昨年、清内路トンネルについてちょっとした話を聞いたので、再度トンネル内を見にいってきました。昨年、2016年の11月28日のことです。前回、2014年10月は木曽側から中間点まで見たのですが、今回は飯田側から木曽側までの全長を見ました。
飯田側の坑口です。左下に銘板があります。
長野県が発注して全長1642mのうち飯田側の773mを鹿島・吉川・長坂建設共同企業体が施工したと書いてあります。
飯田側の約800mはだいたいこんな感じ。路面が波打ったようなところはありませんでした。問題は町村境界より木曽側。
これは前回紹介した場所。「段差あり注意」の場所です。黒っぽいアスファルトのスロープで中央の浮き上がってしまったコンクリート舗装部分による段差をごまかしています。歩道部分はがちゃがちゃになっています。
側壁(アーチ部分)にこんな亀裂の入ったところも。
路面にヒビが。
ツギをあてたような部分がありました。
斜めから見ると少し飛び出しているのがわかります。
約15㎜くらいずれています。幕板の触れていた部分とは違う色合いです。割れてずれた断面です。
これは南木曽側の坑口に近い部分ですが、路面が少しだけ波打っているのがわかります。歩道の部分が傾いて段差ができています。
南木曽側の坑口。左下にあるはずのトンネルの銘板がありません。
盗まれてしまったようです。これでは施工した業者がわかりません。ウィキペディアにあった清内路トンネルの写真を部分拡大したのが次の写真。
2009年4月10日に撮影した写真です。明らかにまだ銘板は残っています。これでは施工業者の名前は読めません。
岡山県倉敷市にある株式会社 金子組のホームページの施工事例の中部地方に「長野県 : 飛島建設㈱・木下建設㈱・大宗土建㈱ : 一般国道256号線清内路トンネル(南木曾側工区)工事」(発注者:注文者:工事名)という記述がありました。銘板にあった施工者は「飛島建設・木下建設・大宗土建」だと思います。(大宗土建は南木曽町の建設業者)
清内路トンネルはほぼ平行な断層と活断層の間を掘っており木曽側で活断層を浅い角度で横切っています。リニアはこの活断層を清内路トンネルの近くでほぼ直角に横切ります。
路面の盛り上がり箇所と壁面のツギあて部分は町村境界線(図中紫色の2点破線)より北(図では上)。最大土被りは150m程度だと思います。
聞いた話というのは、建設関係にお勤めだった方から聞いたものです。清内路トンネルは飯田側から掘った業者と木曽側から掘った業者の間で連絡がうまくいかなくて、木曽側では本来入れるべきインバート(路面から下側にもアーチ状の構造物をつくる)をしなかったので路面が持ち上がってしまったけれど、今さらインバートを入れることはできないのでスロープをつくって補修しているということでした。
本当だとすれば、県として黙っておれないことだと思うのですが、これが問題になったというニュースは聞いた覚えがありません。冬季五輪の会計記録を紛失したり、大北森林組合事件でも県職員が水を向けたとか向けないとか、長野県っていろいろありますね。
忘れていました。南木曽から出るトンネル残土を飯田方面へ運ぶにはこのトンネルを1日900台だったか大変な数のダンプカー通行することになるのですが、トンネルは大丈夫なのでしょうか。
(2017/01/11、01/12追記)